年末時点でドル円が105円超の確率は29.4%、105円未満の確率は70.6%と、先週とさほど変化はなく、105円未満のシナリオを有力視している。 週初に突如買い戻しが強まり104円台を回復。株高・円安のフォローもあり104.75円近辺まで一時上昇した。ただ、週後半の動きを見ると、年末時点で105円台を回復しているとのシナリオは、やはり描けないようだ。 また、年末までにドル円が1度でも102円に達する確率は前週の37.1%から26.3%に低下。104.75円近辺まで一時上昇したことで下値警戒感が一服したようだ。しかし、心理的節目の105円を試す気配までは無く上値を止められたことから、下値警戒感は強い印象だ。週初の動きは感謝祭前のポジション調整とも思われる。 市場ではドル安期待が根強い。来週から師走相場に入るが、今年のポジション調整と来年の予想を反映した動きが混在する月でもある。来年はワクチンへの期待から景気回復の予想も少なくない。足元で感染拡大が続いていることから、序盤こそ景気は圧迫される可能性があるが、春以降は回復が鮮明になるとの予想も多いようだ。 その場合、逃避通貨に位置づけられているドルは売られやすいとの見方や、景気回復でもFRBは慎重で、インフレ期待の上昇をある程度容認し、当面低金利政策を維持するとの見方、さらには米財政赤字拡大など、ドル安シナリオを見込む声は圧倒的に多い。そのような中でドル円の上昇シナリオは描きづらものと思われる。 ◆12月31日までに各ポイントを1度でも付ける確率 ()は先週末 108円 3.4%( 4.6%) 107円 11.2%(12.7%) 104.09円(週末終値) 102円:26.3%(37.1%) 101円: 9.5%(16.5%) 100円: 2.6%( 5.9%) ◆12月31日時点でのドル円の各ポイントの確率 ()は先週末 107円超 : 5.0%( 5.3%) 106円超 :12.9%(13.1%) 105円超 :29.4%(28.1%) 105円未満:70.6%(71.9%) 104.09円(週末終値) 104円未満:46.6%(50.2%) 103円未満:25.6%(30.1%) 102円未満:13.3%(17.1%) 101円未満: 6.9%( 9.8%) 100円未満: 3.3%( 5.5%) ◆3月31日時点でのドル円の各ポイントの確率 ()は先週末 107円超 :19.7%(18.7%) 106円超 :29.1%(27.7%) 105円超 :40.6%(38.8%) 105円未満:59.4%(61.2%) 104.09円(週末終値) 104円未満:47.0%(49.2%) 103円未満:35.5%(37.7%) 102円未満:26.3%(28.2%) 101円未満:19.4%(21.1%) 100円未満:14.5%(15.9%) ※ドル円のオプション取引から算出 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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