きょうのNY為替市場は全体的にドル売りが優勢となったものの、ドル円は110円ちょうど付近での底堅い展開が続いた。明日の米雇用統計は弱いとの見方もあり、データ発表まではドル自体には慎重な一方、原油相場が70ドル台を回復し、米株も最高値圏にあることから、リスク選好の円安がドル円の下値をサポートした。ユーロ円やポンド円といったクロス円は堅調な動き。 前日のADP雇用統計は予想を遥かに下回り、明日の米雇用統計はFRBの資産購入ペース縮小の9月開始に説得力を持たせるような力強い内容にはならないという見方を引き起こしている。それを踏まえると、きょうのドルに積極的にはなれないようだ。 先週末のパウエルFRB議長のジャクソンホールでのスピーチを通過して、為替市場は次の材料を模索している。その意味では、明日の米雇用統計は9月FOMCを占ううえで重要なポイントとなりそうだ。非農業部門雇用者数(NFP)は現在のところ、72.5万人増が見込まれている。6月は93.8万人、7月は93.8万人増だったが、今回は伸び鈍化が見込まれているようだ。 弱気派からは60万人増に留まるとの見方も出ている。労働市場の動向に敏感な高頻度データが雇用活動の著しい減速を示しており、下振れリスクを示唆しているという。雇用創出の鈍化はデルタ株の感染急拡大以降に軟化した他の経済指標と一致するという。 ユーロドルはリバウンド相場を加速させている。きょうは1.1870ドル付近まで上げ幅を拡大しており、21日線を上放れる展開が続いている。来週のECB理事会を巡って様々な見方が出ているが、ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)に基づく債券購入ペースは現行の月800億ユーロを維持するとの見方が出ている。ただ、若干の縮小を示唆するリスクはあるとし、このところの複数のECB理事によるコメントや、最近のインフレ上昇、そして、良好な資金調達環境から資産購入のペースを緩めると主張もあるかもしれない。 しかし、デルタ株の感染拡大や供給のボトルネック、不完全な回復、弱い中期インフレ見通しなどによる、見通しの不確実性を考慮すると、多くは変化がないと主張する可能性があるとしている。むしろ、PEPPが終了した後、何に取って代わるかに、より焦点を当てているという。 ポンドドルもリバウンド相場が続いている。200日線が1.3815ドル付近に来ているが、その水準を上回っており、明日以降の動きが注目される。ポンドドルは現在、8月前半の下げのフィボナッチ61.8%戻しの水準に来ている。目先はこの水準を突破し、100日線が控える1.3920ドル付近を目指す展開になるかどうか注目される。その意味でも明日の米雇用統計を受けた動きが注目される。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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