【来週の注目材料】追加利上げに向けて、欧州PMIを要チェック

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 21日に4月のユーロ圏及び加盟主要国、米国のPMI(購買担当者景気指数)が発表されます。ECB、FRB共に追加利上げ期待が優勢となっていますが、米国は次回の利上げでの打ち止めが見込まれるなど、利上げの終着点が近づいている状況。物価は依然かなり高い水準にありますが、これまでの利上げによる景気鈍化などが警戒されています。
今後の世界の景気動向、金融政策動向を見通すために近年重要視されているのがS&PグローバルによるPMI(購買担当者景気指数)です。速報性が高く、今後の景気動向への先行性もあるということで、相場への影響も大きなものとなっています。

 今回はまず16時半のドイツPMI及び17時のユーロ圏PMIを見ていきましょう。
ドイツPMIは前回3月の製造業PMIが44.7と2月の46.3から低下。景気の拡大・縮小の分かれ目とされる50を大きく下回り、2020年5月以来約3年ぶりの低水準となりました。ドイツの製造業PMIは昨年7月以来50割れが続いています。ドイツ製造業PMIの低さは、サプライチェーン問題の改善を受けた入庫遅延の解消や原材料コスト低下による投入コスト指数低下などによる前向きな形でのものもあります。というのも、入庫遅延や原材料コスト上昇は、一般的には好況による品不足によるものが多く、本来はプラス材料です。しかし、新型コロナの影響でサプライチェーン問題が広がったことによる入荷遅延やコスト拡大が目立っていました。これは明らかにマイナス材料となりますが、見かけ上はPMIを押し上げます。ここにきてサプライヤーのパフォーマンス改善が広がっており、PMIの押し下げ要因となっています。
ただ、前向きなものだけではなく、物価高を受けた顧客の慎重な姿勢による余剰在庫とそれに伴う新規受注の減少も大きな材料となっています。サービス業PMIは53.9と好調。3カ月連続の50超えとなりました。
 ユーロ圏全体でも前回の製造業PMIは47.3と冴えない水準になっています。こちらも昨年7月以来の50割れ継続です。サービス業PMIは55.0と好結果。速報時点では2月からの鈍化が見込まれていましたが、結果は大きく上昇。改定で少し調整が入りましたが、高水準となっています。雇用の伸びが目立ち、全体を支えました。

 今回の予想はドイツ製造業PMIが45.5と、前回から少し改善見込みも、50を大きく下回った状況が続くという見通しです。ドイツサービス業PMIは53.4と前回から小幅鈍化見込みも、こちらは好水準維持が見込まれています。ユーロ圏製造業PMIは47.9,サービス業PMIは54.5と、ドイツ同様に製造業は小幅改善も50割れ、サービス業は小幅鈍化となっています。
 サービス業がけん引する形で、ユーロ圏景気が支えられるようだと、追加利上げのハードルが下がり、ユーロ買いにつながると期待されます。製造業は依然厳しい水準ですが、サプライチェーン問題改善による原材料コスト低下の影響は、PMIを押し下げるとはいえ、悪い状況ではないため、サービス業PMIが強めに出た場合は、製造業の弱さはそれほど問題視されないと思われます。13日の市場で節目の1.10をしっかりと上回ったユーロドルは、上昇の勢いが強まると期待されます。

MINKABU PRESS 山岡和雅

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。