来週は2日、3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、4日のECB理事会、5日の米雇用統計と、市場の注目する重要イベントが目白押しの週となっています。 中でも注目は米FOMCです。政策金利であるFF金利誘導目標レンジの0.25%引き上げ見通しを織り込む動きが進んでいます。市場予想通り利上げが実施された場合、政策金利は5.00-5.25%と、3月のFOMCでのメンバーによる経済見通し(Summary of Economic Projections : SEP)で示されたターゲットレートに到達します。 CMEのFedWatchツールによると、24日時点での0.25%利上げ見通しは90%を超えるなど、ほぼ完全に織り込む動きを見せていました。ただ、25日に発表された米ファーストリパブリック銀行の決算において、市場予想を超える前年比40%超の預金減少が示されたことなどを受けた金融不安の高まりを受けて70%台まで低下と、いったんは期待が後退しました。ファーストリパブリック銀行の株価は25日に49%、26日に30%と大きな下げになっています。米規制当局は事業再建が進まない同銀行に対して、統一金融機関強化システム(UFIRS)に基づく格付けを引き下げる検討をしていると報じられています。実施されれば連銀窓口貸出制度や、3月に新設されたバンク・ターム・ファンディング・プログラム(BTFP)といった緊急貸出制度へのアクセスの制限などが起きる可能性があり、かなり厳しい状況となります。3月のシリコンバレー銀行(SVB)などの破綻以降、市場が最も警戒する対象としてきた同行の厳しい状況が改めて示された形で、連鎖破綻による金融不安の拡大に繋がりました。それにより、ほぼ確実視されていた5月の利上げ期待が少し押し下げられた形です。もっとも27日に発表された米第1四半期GDP速報値を受けて、再び利上げ期待が強まり、織り込みを進めています。第1四半期GDPは前期比年率+1.1%と予想の2%前後を大きく下回る弱いものとなりました。ただ、同時に発表されたGDPデフレータ、PCEコアデフレータが共に予想を超える伸びとなり、物価高への懸念が広がる形で利上げ期待が強まっています。 大方の市場予想通り0.25%の利上げを決めた場合、市場の注目は声明とパウエルFRB議長の会見となります。6月に追加利上げを行うか、5月で利上げを打ち止めとするか、市場では見方が分かれています。5月打ち止め見通しが大勢とはなっていますが、利上げ期待も約四分の一と無視できない割合で見られます。 打ち止めとなる場合でも、6月の可能性を残す場合でも、これまでのような引き締め姿勢を変化させてくる可能性が高いことから、内容を確認しての動きが期待されます。 また、声明や会見の内容次第で、市場が期待する年内利下げ開始についての見通しも変化します。パウエル議長は繰り返して否定していますが、市場は年内にFRBが利下げに転じるとの見通しを崩していません。 SVB破綻後のしばらくの期間は7月の利下げを見込む動きが見られましたが、6月まで利上げする可能性がある中で、7月の利下げ開始はさすがに現実味に乏しいということで期待が後退しています。ただ、9月のFOMCでの利下げ見通しは5割を超えてきています。11月まで行くと8割以上が利下げを見込んでいます。そして12月のFOMCまで見ると、9割以上が利下げを見込むだけでなく、四分の3以上が複数回利下げを見込んでいます。 こうした利下げ見通しが今回のFOMCでどう変化するのかが注目されるところです。 MINKABU PRESS 山岡和雅
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