【直前まとめ】金融政策見通しに大きな影響=米消費者物価指数

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【直前まとめ】金融政策見通しに大きな影響=米消費者物価指数

 本日21時半に4月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。米国のインフレターゲットの対象は、ほとんどの国で採用されているCPIではなく、個人消費支出(PCE)デフレータですが、発表がPCEよりも2週間ほど早く、同系統の指標で、変化状況がPCEと似ているCPIに市場の注目がより強く集まる傾向があります。

 直近の市場予想は前年比が+5.0%と3月と同水準、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアの前年比が+5.5%と3月の+5.6%からわずかに鈍化となっています。

 前回3月は2月の6.0%から大きく鈍化。市場予想の5.1%よりも鈍い伸びとなりました。ただこの伸びの鈍化はガソリンが前年比-17.4%と大きくマイナスとなったことが大きな要因となっています。2022年3月はロシアのウクライナへの軍事侵攻が2月に始まった関係で原油価格が急騰しました。2022年2月から3月にかけての原油価格は前月比+19.8%(CPI換算ベース季節調整前)となっています。2023年の2月から3月にかけて原油価格は前月比+1.0%(CPI換算ベース季節調整前)と実は上昇しているのですが、前年比で考えた場合、比較対象元の価格が急騰している関係で大きな鈍化となってしまった形です。
 2023年3月から4月にかけてのガソリン価格はEIA調査全米全種平均で前月比+5.0%と大きく伸びているうえに、2022年3月から4月にかけてのガソリン価格が前月比-1.0%(CPI換算ベース季節調整前)と鈍化していることで、前回と違って見かけ上の伸びが強まります。それだけに一気にプラス圏を回復してくると期待されます。
ガソリンは消費者物価指数全体を100としたとき、3.3%を占める比較的大きな項目だけに、同項目が3カ月ぶりに前年比プラスになると、全体を支えると期待されます。

 他の項目で注目は、2021年2月分から横ばいはあっても下がらず、上昇傾向を2年以上続けている住居費です。前回は+8.2%とかなり強く出ています。今回も上昇が続いていると見られます。同項目は全体の34.5%を占める非常に大きな項目だけに、全体を支えてくると期待されます。

 今回少し弱めに出そうなのは航空運賃。前回は前年比+17.7%と高い伸びになっていますが、昨年秋の40%超えという水準からはかなり落ちてきました。昨年4月は前年比+33.5%、前月比+15.7%(季節調整前)とすでに上昇してきており、前回のガソリンと同様に比較対象元の水準が3月に比べて上昇していることから、今回は弱めに出ると見込まれています。

 いろいろ並べましたが、まとめますと、前回総合を押し下げたガソリンの特殊事情がない分、全体の大きな鈍化は期待薄。その他項目も比較的しっかりしたものが多いが、これまでの利上げの影響などで全体的な鈍化が見られることもあって、コアの0.1%鈍化という予想は比較的納得のいく水準です。

 ただ、ある程度はブレがあるのがこの指標。
一つの参考としては、クリーブランド連銀が発表しているインフレーション・ナウキャスティングの水準をみると、前年比+5.19%、コア前年比+5.56%となっていて、市場予想より少し強い見込みとなっています。

 予想を上回った場合、気になるのが6月の米FOMCの見通し。
先週のFOMCで金利据え置きの可能性が示唆されたことや、米地銀の厳しい状況などから、CMEFedWatchでの6月FOMCの見通しは据え置きが90%を超える場面が見られました。
 しかし、ここにきて追加利上げ期待が盛り返しており、直近では据え置きが75%、利上げが25%程度と、約1/4が利上げを見込んでいます。
 強いCPIによって、この利上げ見通しがさらに強まると、ドル高になる可能性が高まります。
 もちろん弱い方向にぶれる可能性もあります。この場合はここにきて強まった追加利上げ期待が再び後退し、ドル売りが見込まれます。

MINKABU PRESS 山岡和雅

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