フォード<F>が下落。前日引け後に4-6月期決算(第2四半期)を発表し、1株利益、EBITとも予想を上回った。ガイダンスも公表し、EBITとフリーキャッシュフロー(FCF)の見通しを上方修正している。内燃機関が好調で決算自体は強い内容ではあった。 発表直後こそ株価はポジティブな反応を示したものの、次第に上値が重くなっている。電気自動車(EV)が全体的に弱く、今年のEV関連の損失が45億ドルと、当初想定した30億ドルからの拡大を見込んだ。 また、今後のEVの展開にも懐疑的な見方が広がっている。同社は電気自動車(EV)の生産拡大計画を見直しを明らかにした。価格競争の激化が理由だという。同社のファーリーCEOは「明らかにEVへの移行はダイナミックなものだ。この60日間で価格圧力が劇的に高まった」と述べた。 年末までの達成を目指していた年間60万台のEV生産目標について、実現にはあと1年かかるとの見通しも示したほか、2026年末までに年間200万台のEVを生産する計画は事実上断念した。 アナリストからは「第2四半期の業績は予想以上に堅調な内容で、通期見通しの引き上げはフォード・プロとフォード・ブルーの好調な利益とキャッシュフローによるもの。EVによる損失拡大を予想していたが、ガイダンスは上方修正された」と述べる一方で、「EVの戦略については、大きな変更が必要になる可能性がある」とも述べている。 また、別のアナリストからは「戦略的ではないにせよ、EV戦略に対する戦術的な縮小は、それがいかに賢明なものであろうとも、業界全体の議論を巻き起こす可能性があるように思われる」との意見も聞かれた。 (4-6月・第2四半期) ・1株利益(調整後):0.72ドル(予想:0.54ドル) ・自動車売上高:450億ドル フォード・ブルー:250億ドル(予想:249.6億ドル) フォード・モデルe:18億ドル(予想:20.7億ドル) フォード・プロ:156億ドル(予想:142.6億ドル) ・EBIT(調整後):38.0億ドル(予想:31.5億ドル) フォード・ブルー:23.1億ドル(予想:22.4億ドル) フォード・モデルe:-10.8億ドル(予想:-8.72億ドル) フォード・プロ:23.9億ドル(予想:17.4億ドル) ・EBITマージン:8.4%(予想:7.1%) (通期見通し) ・EBIT(調整後):110~120億ドル(従来:90~110億ドル)(予想:106.6億ドル) フォード・ブルー:約80億ドル(従来:約70億ドル)(予想:74億ドル) フォード・モデルe:-45億ドル(従来:約-30億ドル)(予想:-32.5億ドル) フォード・プロ:約80億ドル(従来:約60億ドル)(予想:58.2億ドル) ・FCF:65~70億ドル(従来:60億ドル) (NY時間09:42) フォード<F> 13.19(-0.54 -3.93%) MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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