きょうは米国債利回りが急低下しており、米株式市場もIT・ハイテク株を中心に買い戻しが膨らんでいる。ただ、米国債利回りは10年債が一時4.36%と2007年以来16年ぶり高水準まで上昇するなど、米国債の売り(利回り上昇)が活発化している。 ここまで利回りが上昇するということは、どこかの誰かが集中的に米国債を売っている証拠だという。総額1.1兆ドルを保有し、中国を抜いて米国債の外国人保有者トップである日本の投資家が売っていることも想定され、米10年債を売り、自国の10年債を買っている可能性もあるという。 本日の日本の10年債は0.66%まで上昇し、2014年以来の高水準となった。日銀は先日の決定会合でイールドカーブコントロール(YCC)の許容範囲を事実上拡大し、10年債で従来の上下0.5%の範囲から1.0%までの柔軟性を容認した。 日銀がイールドカーブの扉を開いたことで、日本の投資家は自分たちの裏庭に目を向け、ポートフォリオの配分を見直すようになったという。それでもの米国債に比べれば、日本国債の利回りは低水準ではあるが、為替リスクを嫌う日本の投資家にとっては、それでも居心地が良いと見ている可能性もあるという。 一部からは、間接的に日銀が米国利回り急上昇に大きく貢献しているとの指摘も出ている。日本の投資家の行動が短期的に、世界の長期金利をさらに約0.35%ポイント押し上げるとの見方も出ているようだ。 しかし、中期的には、世界的に景気後退への懸念が強まるにつれて、逆イールドが更に深まり、長期債利回りの上昇を抑えるという。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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