NY時間の終盤に入って、ドル円は下げ渋っているものの、144円台での推移となっている。きょうのドル円はNY時間に入って売りが強まり、144円台に下落。ここ数日、146円台に何度か乗せるものの、いずれも跳ね返されており、金曜日のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演を前に、ロング勢からの見切り売りが出ているようだ。 きっかけは欧米の企業のPMI(購買担当者指数)で、いずれも弱い内容となり、欧州債と伴に米国債利回りも大きく低下していることがドル円を圧迫している。PMIは企業の先行きに対するセンチメントを計る指標であるが、製造業は引き続き弱さを示す一方、底堅さを堅持していたサービス業も弱さが示されたことが、ネガティブ・サプライズとなっているようだ。 欧米の中銀は特にサービス業の強さに注意を払っているが、本日のPMIは、市場のタカ派な期待に一定のブレーキをかけたようだ。 ユーロドルは下に往って来いの展開。この日発表の8月のユーロ圏PMI速報値を受けてロンドン時間には売りが強まり、一時1.08ドルちょうど付近まで下落する場面が見られた。しかし、NY時間に入って1.0860ドル付近まで買い戻されている。今度は米PMIが弱い内容となり、米国債利回りが下げ幅を拡大する中で、ドル買いの勢いが後退したことがユーロドルの買戻しに繋がっている。 ただ、きょうのユーロ圏PMIを受けてECBの9月理事会での追加利上げへの期待は後退。短期金融市場では9月利上げの確率を34%程度で見ているが、前日は55%とほぼ半々の確率で見ていた。金曜日にはパウエルFRB議長のほかに、ラガルドECB総裁もジャクソンホールで講演を予定しており、どのようなメッセージを放って来るか注目される。 ポンドドルも下に往って来いの展開。ロンドン時間に発表になった英PMIが弱い内容となったことで売りが強まり、一時1.26ドル台前半まで下落する場面が見られた。しかし、NY時間に入ってロンドン時間の下げの大半を取り戻している。 8月の英PMI速報値は英企業活動の縮小を示した。底堅さを堅持していたサービス業も判断基準の50を下回っている。英景気の先行き不透明感を示す内容ではあるが、インフレ抑制に躍起になっている英中銀からすれば、幾分の勇気を与えられたのかもしれない。 企業活動の鈍化はインフレ緩和に寄与することから、英中銀にとっては心強い兆候であろう。一部からは、企業活動の弱まりとインフレ圧力の緩和という2つの兆候から、ターミナルレート(最終到達点)は市場が織り込んでいる6.00%ではなく5.50%前後になる可能性もあるとの指摘も出ている。 *米PMI(速報値)(8月)22:45 製造業 結果 47.0 予想 48.9 前回 49.0 非製造業 結果 51.0 予想 51.9 前回 52.3 コンポジット 結果 50.4 予想 51.7 前回 52.0 *ユーロ圏PMI(速報値)(8月)17:00 製造業 結果 43.7 予想 42.5 前回 42.7 非製造業 結果 48.3 予想 50.4 前回 50.9 *英PMI(速報値)(8月)17:30 製造業 結果 42.5 予想 45.1 前回 45.3 非製造業 結果 48.7 予想 50.7 前回 51.5 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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