為替相場まとめ4月27日から5月1日の週

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 27日からの週は、有事のドル買い圧力が続くなか、ドル円が波乱の展開となった。米国とイランとの交渉はイランの核開発放棄をめぐる双方の意見の対立を受けて暗礁に乗り上げている。イランはホルムズ海峡の実質閉鎖を継続、米国も海上封鎖を続けるなかで、さらなる攻撃の可能性も示唆した。事態が再び悪化することを懸念してNY原油先物が110ドル台まで高騰する場面があった。ドル円は一時160.72レベルと2024年7月以来のドル高・円安水準となった。しかし、片山財務相・三村財務官が立て続けに強い口調で円安をけん制すると、ドル円は155円台まで急落した。クロス円も急反落。未確認ではあるが、市場には介入観測も流れた。大型連休で東京勢が不在となるなかで、一段の円安進行を食い止める意図があったものと想定された。中東情勢に進展は見られないもののNY原油先物にも調整売りが入るなど、各金融市場で巻き戻しの動きが波及した。この週の一連の主要国中銀会合ではいずれも政策金利据え置きが発表された。エネルギー価格上昇圧力が長期化することが懸念された。ただ、いずれも次回会合での利上げについては具体的言及は見られず。米FOMCではパウエル議長が退任後も理事として残留することを表明した。

(27日)
 東京市場は、米国とイランの協議が両国の主張の隔たりから見送りとなったことを受け、序盤は有事のドル買いが先行した。ドル円は先週末終値の159.31円から一時159.68円まで上昇。しかし午後にかけては、日経平均株価の上昇などからリスク警戒感が和らぎ、調整のドル売りが優勢となって159.15円まで下落した。ユーロドルは朝方に1.1688ドルを付けた後に反発に転じ、1.1733ドルまで上昇してユーロ高圏を維持した。ユーロ円も朝方の186.46円から午後には186.91円まで反発。ポンドドルは1.3549ドルへ上昇、ポンド円も215.70円台へ持ち直したが、値動きは限定的であった。

 ロンドン市場では、全般的にドルが軟調に推移した。米国とイランがいずれも停戦に向けた提案を示唆し、ホルムズ海峡開放への期待も手伝って中東情勢に関する過度な警戒感が後退した。また、今週予定されている主要中銀の政策発表において、原油高に伴うインフレ圧力への警戒から今後の利上げが示唆されるとの思惑が広がり、相対的にドルが売られやすい地合いとなった。ドル円は東京午後の流れを引き継ぎ、一時159.10円付近まで下落。一方、欧州株の堅調さも支えとなり、ユーロドルは1.1751ドル付近まで高値を更新、ユーロ円は187.03円付近まで反発した。ポンドドルも1.3560ドル台まで買いが進んだ。

 NY市場でもドル安優勢の流れが継続し、ドル円は一時159円台前半まで値を下げた。イランが条件付きでホルムズ海峡再開の暫定合意を受け入れる姿勢を示したとの報道があったものの、早期解決への懐疑的な見方も根強く市場は様子見姿勢である。関心は日米など各国の金融政策へ移行しており、明日の日銀会合は据え置き予想ながら物価見通しの上方修正が、29日のFOMCも据え置きで中立姿勢維持が見込まれている。ユーロドルは買い優勢で1.17ドル台半ばまで上昇し、200日線でサポートされ強気バイアス転換も指摘された。ポンドドルは1.35ドル台半ばへ上昇した一方、英中銀会合などを控えてオプション市場では弱気ポジションも目立った。

(28日)
 東京市場では、日銀金融政策決定会合の結果を受けて急速な円買いが進んだ。政策金利の据え置きは予想通りだったものの、利上げを主張する反対票が前回の1票から、田村委員や中川委員を含む3票へと増えたことがサプライズとなった。さらに展望レポートで2026年度の物価見通しが+2.8%へと大幅に上方修正され、物価上振れリスクが強調されたことで追加利上げ観測が強まった。発表前に159.57円まで上昇していたドル円は、会合直後に4月21日以来の158.96円まで急落。クロス円も全面安となり、ユーロ円が186.21円、ポンド円が215.13円まで下落し、ユーロドルなども対円での下げが波及し軟調に推移した。

 ロンドン市場では、原油高を背景としたドル買いが優勢となった。NY原油先物が99ドル台後半へと急伸したことで有事のドル買い圧力が再燃し、インフレ懸念から米10年債利回りが4.35%台後半へ上昇したこともドルを支えた。この流れを受け、ユーロドルは1.1680ドル台、ポンドドルは1.3480ドル台へと安値を広げた。一方、ドル円は日銀イベントを通過した円買いの調整と原油高によるドル買いから159.69円付近まで反発したが、植田総裁の会見後も市場の6月利上げ観測が残存しており上値更新は限定的であった。なお、ECBのインフレ期待が大幅に上振れたことを受け、ユーロは対ポンドで堅調な推移を見せた。

 NY市場では海外時間にかけてドル高の流れが一段と強まり、東京時間に158円台へ下落していたドル円は一時159円台後半まで買い戻された。イラン情勢の緊張緩和の兆しが見えず原油高が続いていることに加え、UAEのOPEC離脱決定や、トランプ大統領がイランの最新提案に懐疑的であるとの報道がドル高を誘発し、和平への期待が後退した。ユーロドルは上値が重く、一時1.1675ドル付近まで下落して200日線を試す展開となった。木曜のECB理事会ではユーロ圏のスタグフレーション懸念が重石となっている。ポンドドルは1.3460ドル付近まで下落したものの100日線でサポートされ、木曜の英中銀会合へ焦点が移っている。

(29日)
 東京市場は「昭和の日」の祝日に伴い休場であった。市場参加者が少なく、アジア時間帯全体としては限定的な値動きとなったが、海外勢を中心とした取引は行われた。午前中に米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が「トランプ大統領がイランに対する長期封鎖の準備を側近に指示した」と報じたことで、地政学リスクへの警戒感が高まる場面があったものの、この時間帯のNY原油先物は100ドルを挟んだもみ合いにとどまった。ドル円はアジア午前の159.52円付近を安値に底堅く推移。ユーロドルは1.1721ドル付近、ポンドドルも1.3528ドル付近を高値とし、続くロンドン市場や米FOMCに向けた様子見の展開となった。

 ロンドン市場では、中東情勢の緊迫化に伴う原油急騰によりドル高と円安が交錯した。ロンドン勢参入後、NY原油先物が103ドル台へ急伸すると、インフレ懸念からまずは「有事のドル買い」が先行。ユーロドルは1.17ドル割れ、ポンドドルは1.35ドル割れへと沈んだ。その後、原油が一時104ドルに迫ると、日本の交易条件悪化懸念から相場のテーマが「悪影響警戒の円売り」へシフトした。上値の重かったクロス円は一転して反発し、ユーロ円は186円台後半、ポンド円は215円台後半へ高値を更新。ドル円も円売りに押し上げられ159.80円台まで上昇したが、米FOMCを控えて総じて見慣れたレンジ内の推移にとどまった。

 NY市場はドル高が加速し、ドル円は160円台を突破して一時160.45円付近と3月の直近高値に並んだ。イラン封鎖の長期化観測から原油が108ドル台へ急伸し、東京勢不在のなかでオプション絡みの防戦売りを突破した。注目のFOMCは予想通り政策据え置きを決定したものの、投票結果は8対4と見解が割れた。年内利上げ期待がやや復活し、タカ派的な印象を与える結果となったほか、パウエル議長のFRB理事残留表明が市場に驚きを与えた。ユーロドルは1.16ドル台へ下落し、円安の波及でユーロ円は187円台を維持。ポンドドルは1.34ドル台へ沈んだが、ポンド円は216円台へと上げ幅を拡大した。

(30日)
 東京市場では、中東情勢の悪化懸念から有事のドル買いと円安が進行した。トランプ大統領による対イラン攻撃再開の検討や、極超音速兵器の中東派遣観測などが報じられ、地政学リスクが強く意識された。前日に160円の大台を突破したドル円は、午前中に一時160.47円まで上昇。その後160.08円まで調整したものの、午後には再びドル買いが強まり、160.50円の節目を抜けて2024年7月以来の高値となる160.72円まで上値を伸ばした。クロス円も午後にかけて円売りが加速し、ユーロ円は187.45円、ポンド円は216.39円まで上昇。ユーロドルなどはドル高圧力を受けて上値の重い展開であったが、値幅は限定的であった。

 ロンドン市場では、日本の通貨当局者による強い円安牽制をきっかけに、相場のムードが一変して猛烈な円買いが巻き起こった。朝方は原油高を受けたドル買い・円売りでドル円は160.72付近まで買われたが、原油高が一服し160.50円付近へ小緩んだタイミングで、片山財務相が「断固たる措置をとる」と発言。これを受け159円台へ急落した直後、三村財務官も「最後の退避勧告だ」と極めて強い口調で牽制した。為替介入への警戒感やレートチェックの観測が一気に高まり、ドル円は157円台へ急落。クロス円も全面安となり、ユーロ円は184円台、ポンド円は213円台へとそれぞれ3円以上の暴落を記録し、大波乱の展開となった。

 NY市場でも円が急速に買い戻された。ドル円は一時155円台まで急落した。財務相らの強い牽制発言をきっかけに短時間で5円幅の暴落となったことで、市場では実際に為替介入が実施されたとの観測が飛び交った。テクニカル的にもドル円は100日線を大きく割り込み、トレンドが中立方向へ転換している。注目のECB理事会は政策金利を据え置いたが、声明ではインフレ上振れリスクと景気下振れリスク(スタグフレーション)が指摘され、今後の利上げ余地を残した。英中銀も8対1で据え置きを決定したものの、必要なら行動するとのガイダンスを示した。ポンド円は210円台半ばまで、ユーロ円は182円台へと大きく崩れた。取引後半には値動きは落ち着き、全般にもみ合い商状が続いた。

(1日)
 東京市場では、前日の円買いに調整入った。ドル円は、昨日の海外市場で介入とみられる動きにより160.72円から155.57円まで急落したが、本日の東京市場では反発が鮮明となった。朝方の156円台半ばから、中東情勢の緊迫化に伴う「有事のドル買い」や日本CPIの伸び鈍化などを受けて、157.30円前後まで上昇した。ユーロドルは1.17ドル台の高値圏で膠着したが、午後はドル買い意識から上値が重くなった。昨日の介入観測で急落したユーロ円やポンド円も、東京市場では押し目買いや対ドルでの動きを受けて値を戻すなど、総じて昨日の円高に対する調整が先行する展開となった。

 ロンドン市場は、きょうもドル円が急落して始まった。157円台前半から一時155円台半ばまで下落。しかし、すぐに買い戻しが入ると前日NY終値156.59を挟んだ揉み合いへと落ち着いた。日銀当座預金動向から推計して、30日の為替介入規模は約5.4兆円の可能性と報じられた。本日の円買いの動きもその一環の可能性が指摘される。一連の値動きに対して三村財務官はコメントを差し控えた。クロス円もドル円とともに振幅。ユーロ円は184円台から182円台後半に急落後は183円台後半まで戻している。一方、ユーロドルは1.17台前半での揉み合いに終始している。この日は英国以外の大半の欧州諸国がメーデーのため休場となっている。昨日に英欧中銀イベントを通過し、参加者が少ないこともあり、閑散とした商いとなっている。NY原油は105-106ドル付近で揉み合い。中東情勢には特段の進展はみられず。

 NY市場でドル円は安値から買戻される展開となった。本日もドル円はロンドン時間に急速に売られ、一時155円台半ばまで急落する場面が見られた。前日も円が急伸し介入観測が流れていたが、本日も実施した可能性が指摘されている。明日から東京勢は大型連休後半に入り円相場の参加者が少なくなることが想定されるが、連日の介入であれば海外の投機筋も仕掛けづらくなる。日本の当局もその効果を狙っているの可能性もありそうだ。ただ、NY時間に入ると買い戻しが活発化し、157円台に戻す展開。ロンドン時間の急落をほぼ取り戻している。

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