【これからの見通し】ドル高トレンドに変化の兆し、値動きが先か材料が先か 今週は7月以降続いているドル高トレンドに変化の兆しがあらわれている。ドル指数は10日移動平均線を完全に下回り、21日線と200日線のサポート割れに挑んでいる状況。約1カ月半におよぶ短期上昇トレンドでそろそろ買い疲れがみられているようだ。 また、今週に入ってからの米経済指標は弱含みの連続だ。ドル売り反応が大きかったのが29日の米JOLTS求人件数の落ち込み。950万人程度の予想に対して結果は882.7万件だった。ドル円が2円幅で急落していた。同日に発表されたコンファレンスボード消費者信頼感指数の弱さもドル売りに追い打ちをかけた。昨日発表されたADP雇用統計は17.7万人増と市場予想19.5万人を下回った。前回値は32.4万人から37.1万人へと上方修正されたが、ドル売りに反応していた。同日の米GDP改定値(第2四半期)も前期比年率+2.1%と速報値+2.4%から下方改定された。民間投資が弱まっていた。 ドル関連の材料だけでもなく、欧州ではインフレ懸念が再燃している。ドイツ消費者物価の高止まりや、スペイン消費者物価指数の再上昇などがECB追加利上げ観測をやや高めており、ユーロ買いの裏返しでドルが売られることとなった。 値動きが先か、材料が先か、なかなか見方の分かれるとことではあるが、現在は両面からドル売りをプッシュする状況となっているようだ。パウエルFRB議長の注目講演を通過して目先のドル買い材料が枯渇した面もあるだろう。ただ、市場の調整圧力も、この後の材料次第ではなかなかトレンド性にはつながらない可能性もある。 明日の米雇用統計発表を控えるなかで、きょうは米個人所得・支出(7月)、米PCEデフレータ(7月)、米新規失業保険申請件数(08/20 - 08/26)、米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(8月)などが発表される予定。市場はPCEデフレータに注目しているが、市場予想はインフレが再び上昇することを見込んでいる。もちろん、予想を下回る伸びとなれば再びドル売りが強まることが想定されるが、結果を見極めたいところだ。 その他にはイタリア消費者物価指数(8月)、ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(概算値速報)(8月)などが発表される。ユーロ相場の反応を通じて、ドル相場に側面から影響しそうだ。 発言イベント関連では、シュナーベルECB理事、ECB議事録(7月27日開催分)、デギンドスECB副総裁、ピル英中銀チーフエコノミスト、ボスティック・アトランタ連銀総裁、リンズ・ボストン連銀総裁など予定は多い。米主要企業決算はブロードコム、デル、ルルレモンなどが注目される。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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