9日からの週は、ドル相場主導の展開。10月に入ってからのドル安の流れを受けて、週前半から週央にかけてはドル売りが優勢だった。複数の米金融当局者から追加利上げに慎重な見方が示され、市場に利上げ打ち止め観測が広がったことが背景。週末のハマスとイスラエルの攻撃・報復の応酬が地政学リスクとして利上げしにくいムードを醸成した点も指摘された。しかし、木曜日には注目度の高い米消費者物価指数が市場予想を上回る伸びを示したことで、一気にドル高方向の動きに転じた。ただ、10月に入ってからのドル安の流れを変えるほどの値動きではなくドル指数の上値は引き続き重い。ドル円は週前半に148円台前半まで下げたあと、週後半には149円台後半と150円をうかがう動きをみせた。ユーロドルは1.06台前半へと水準を上げたあと、1.05台前半へと反落。ポンドドルも1.23台乗せのあとは、1.21台半ば付近まで下げた。 (9日) 東京市場はスポーツの日の祝日で休場。 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。週末にハマスとイスラエルの攻撃・報復の応酬が繰り返され、民間人にも多大の死傷者が出たことがリスク回避のドル買いにつながっている。欧州株や米株先物・時間外取引は軟調に推移。原油先物や金先物は買われている。ただ、ロンドン時間に入ってからのドル買いの値動きは限定的なものにとどまり、ユーロドルは1.0550割れから1.0520近辺まで、ポンドドルは1.22付近から1.2160台までの下げ。ユーロ円は157.50付近から156.90近辺へ、ポンド円は182円台割れから181.40台へと軟化している。ドル円は149.10-20レベルでの膠着状態が続いている。週明けのオセアニア市場開始時にみせたドル買い・円買いの動きのあとは比較的落ち着いた値動きになっている。このあとの米国市場はコロンブスデーのため米債券市場が休場となる。カナダ市場は感謝祭のため休場。主要な経済統計発表予定はなく、手掛かり難となる。 NY市場では、ドル売りが優勢。ドル円は148円台半ばに下落。本日のNY為替市場はコロンブスデーで銀行休業日のため、参加者は少ない。そのような中で、ロンドン時間にはハマスによるイスラエルへの大規模攻撃で1100人以上が死亡したと伝わり、リスク回避のドル買いが見られていた。しかし、NY時間に入ってジェファーソンFRB副議長やローガン・ダラス連銀総裁の発言が伝わり、これまでよりも慎重さを滲ませた内容となっていたことから、ドルは戻り売りが強まった。先週の米雇用統計を受けてもFRBの利上げ期待が高まっていないことも、ドルの戻り売りを誘った可能性。短期金融市場では11月FOMCでの据え置きの確率を85%、12月FOMCまででは74%で織り込む動きを見せている。ユーロドルはロンドン時間に1.05台前半に下落していたが、NY時間に入って1.0570付近まで買い戻された。ポンドドルもNY時間に入って買い戻しが膨らみ、1.22台に戻した。中東情勢の緊迫化で一時1.2170付近に下落する場面も見られていた。 (10日) 東京市場は、米債利回り動向をにらんだ上下動。休場明けとなった米債券市場時間外取引は、中東情勢を受けた安全資産への資金逃避もあって大きく上昇(利回りが低下)。ドル売りにつながり、ドル円は前日海外市場の安値を割り込んで148.17近辺名で下落。すぐに148.60台まで反発と不安定な動き。その後も148.30近辺まで下げる場面が見られたが、昼前からはドル高・円安が優勢となって148.70台まで上昇。午後に入って日経平均の上昇幅が800円を一時超える動きがリスク警戒の円買いを後退させる形となった。ユーロドルは1.05台後半での推移が続いた。米債利回り上昇一服でのドル売りと、リスク警戒のドル買いが交錯している。ユーロ円はドル円の下げ局面で156.77近辺まで下落したあと、157円台を回復。 ロンドン市場は、ドル売りと円売りが混在。前日の米株上昇を受けて、中東地政学リスクを受けた動きは一服。また、米10年債利回りは三連休明けで大幅低下したが、ロンドン時間には下げ一服。為替市場ではドル売りが優勢となっているが、次第に落ち着いてきている。ドル円は東京午後に日銀が物価見通しを引き上げるとの関係者発言報道で円買いが入ったが、すぐに収束。148円台半ばから149.07近辺まで買われた。その後は149円付近で高止まり状態。ユーロドルは1.0550台へと軟化したあと、ロンドン時間には上昇に転じて1.0611近辺に高値を伸ばした。その後は1.05台後半へと上昇一服。ポンドドルも1.2210台へと下げたあと、1.2276近辺に高値を更新。足元では1.22台半ばと値動き一服。クロス円は堅調。欧州株の大幅高とともに買われ、ユーロ円は157円付近から157.98近辺まで上伸。ポンド円は181.50付近から182.80付近まで買われた。IMF世界経済見通しでは今年の成長見通しを据え置き、来年は小幅に下方修正した。米国の好調と中国の停滞が示されるとにも、世界的な成長の偏在化を懸念していた。また、関係者によると中国は財政赤字拡大を容認し、成長目標達成のために新たな刺激策を検討しているもよう。 NY市場では、ドル売りが優勢。ドル円は一時148円台半ばまで値を落とした。取引が再開した米国債利回りが低下していることもドル売り材料。市場ではFRBの利上げサイクル終了への期待が広まる中で、前日からFRB高官の発言に敏感になっている。本日はボスティック・アトランタ連銀総裁の発言が伝わっていたが、「金利をこれ以上引き上げる必要があると思わない」と前日のFRB高官と同様に慎重姿勢を示していた。一部からは「明らかにトーンが変わった」との声のほか、米国債利回りの上昇がピークに達したとの見方も。ユーロドルは買い戻しが膨らんでいる。本日の21日線が1.0605付近に来ているが、その水準に到達した形となっている。IMFはきょう、最新の世界経済見通しを発表し、ユーロ圏の成長見通しを下方修正していた。2023年を0.7%、24年を1.2%とし、前回7月から下方修正。ポンドドルも買い戻しが膨らんだ。本日の21日線が1.2265付近に来ているが、その水準を上抜けており、明日以降の展開が注目される。IMFがこの日発表した新たな予測によると、来年の英経済は高金利の影響を受けて、世界の主要国の中で最も低い成長を記録すると見られている。 (11日) 東京市場は、ドル高・円安がやや優勢。ドル円は前日の海外市場で149円台を一時回復も、続かなかったこともあり、朝方はドル売り円買いが優勢となった。NY市場での安値を割り込み148.43近辺に下落。その後アジアの株高を好感した円売りなどに、少し戻してもみ合いとなった後、午後に入っての米債利回りの回復などを好感してドル高が進んだ。148.95近辺と今日の高値を更新。ユーロ円は157.94近辺に上昇、株高を受けての円売りが目立った。ユーロドルは狭いレンジの中で若干のドル高。1.0614から1.0599へと軟化。前日の米株式市場でダウが3連騰となっており、全体を支えた。アジア市場でも朝から全般に堅調。香港ハンセン指数は一時2%を超える上昇となった。米10年債利回りは朝の4.65%前後から、昼にかけて4.62%前後まで下げた。その後4.65%近くまで戻しており、ドル買いの材料となっていた。 ロンドン市場は、中東地政学リスクをにらんだ動き。レバノンからイスラエルに向けてミサイル発射との一報に米債利回りや欧州債利回りなどが低下。ドル売りや欧州通貨売りが交錯した。ドル円やクロス円は欧州株安とともに円高圧力を受けている。ドル円は149円手前まで買われていたが、米10年債利回りが4.65%付近から4.54%付近に急低下すると148.60近辺まで下落した。ユーロ円は158円台乗せ水準から157.50台へ、ポンド円は183円台乗せ水準から182.50付近まで下落した。欧州株は売りが先行、リスク回避の動きが広がった。ただ、次第に株式は下げ渋り、為替市場の円高の動きも落ち着いた。ユーロドルは米債利回り低下で1.0628近辺まで買われたあと、欧州債利回り低下で1.0593近辺まで反落。その後はレンジ内での揉み合いに。ポンドドルも1.2270から1.2304までのレンジで振幅している。 NY市場では、ドル相場が方向感なく上下動。ドル円は149円台前半での推移となった。午後になってFOMC議事録が公表されたが、為替市場は若干ドル安の反応が見られた。議事録では、慎重に進めることができると全員が合意し、この先の慎重姿勢を強調する内容となっていた。一方、金利は当面、制限的なままであるべきとの考えでも全員が合意している。利上げサイクルは終了の可能性を示唆しているものの、FRBは現在の高金利を当面維持する意向も強調した。9月の米生産者物価指数(PPI)も発表になっていたが、ガソリン価格の上昇が影響し、予想を大きく上回る内容となった。ただ、発表直後はドル買いの反応を見せていたが、一時的な反応に留まっている。ユーロドルは1.06の大台を挟んで方向感のない展開となった。きょうはドイツの9月の消費者物価指数(HICP)の確報値が公表されていたが、速報値と変わらずの内容となった。ポンドドルも1.23レベルを挟んで上下動。対ユーロではポンドは買い戻しが続いている。ユーロ圏のデータが非常に弱く、ポンドに弱気になり過ぎるのは非常に難しいという。 (12日) 東京市場は、全般的に落ち着いた動き。ドル円は、東京朝方に一時149円割れに沈む場面があったが、下値は広がらず、すぐに149円台を回復した。昼頃にかけては、日経平均の上昇などからリスク選好の円売りがやや優勢となり、一転して149.27付近まで上昇。ただ、日本時間今夜9時30分に9月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることから上値追いには慎重姿勢がみられ、東京終盤には149円ちょうど付近まで押し戻される場面があった。ユーロ円は円売りの流れもあって午後に一時158.61付近まで上昇。ユーロドルは東京終盤に一時1.0637付近まで強含んだが、値動き自体は小幅にとどまっている。 ロンドン市場は、米消費者物価指数の発表を控えての揉み合い。米10年債利回りが4.57%台から4.53%台で上下動する動きにやや反応する程度。東京市場ではややドル売りの動きがみられたが、ロンドン時間に入るとその動きを解消している。ドル円は東京午前の149.27近辺を高値に、ロンドン朝方には148.96近辺まで軟化。その後は149円台に戻して揉み合っている。ユーロドルは1.0640付近を高値に1.0620付近へと小反落。ポンドドルは1.2330付近を高値に1.2293近辺まで軟化とやや上値が重い。欧州株や米株先物・時間外取引は堅調に推移しているが、クロス円は調整の動きで上値が重い。ユーロ円は158円台後半から前半へ、ポンド円は183円台後半から前半へと売り戻されている。センテノ・ポルトガル中銀総裁、ウンシュ・ベルギー中銀総裁、ビルロワデガロー仏中銀総裁など一連のECB高官からは金利据え置きを示唆する意見が聞かれた。ピル英中銀チーフエコノミストからは、一段の利上げか据え置きかについての判断は微妙なバランスが必要と判断を保留していた。 NY市場では、ドル買いが復活している。9月米消費者物価指数は、前年比+3.7%と前回と同水準だった。インフレ鈍化が期待したほど進んでいないことを示唆したことから、為替市場ではドル買いの反応が強まった。米国債利回りも上昇。市場ではFRBの利上げサイクル終了観測が広がっていたが、今回の米CPIはその期待に水を差す結果となった。短期金融市場では年内の追加利上げの確率を35%程度で見ている。11月は据え置きを有力視しているものの、12月の見方は割れている状況。ドル円はNY時間に入ってじり高の展開を見せ、149円台後半まで上昇し、再び150円を試しそうな展開を見せている。今週のFRB高官の慎重な発言や前日のFOMC議事録から、ユーロドルは戻り売りに押され、1.05台前半まで下落。本日は9月理事会分のECB議事録が公表されていた。25bpの追加利上げを決定した理事会ではあったが、拮抗した判断と認識していたことが明らかとなった。理事らは「引き締め過ぎ」と「引き締め不足」の両リスクはより均衡したと判断していた。ポンドドルも1.21台まで下落した。きょうは8月の英月次GDPが公表されていたが、前月比0.2%のプラス成長となっていた。一方、前回7月分は0.6%のマイナス成長に下方修正された。8月の回復にもかかわらず、第3四半期はマイナス成長との見方は根強い。 (13日) 東京市場は、小動き。前日のNY市場では、米消費者物価指数の比較的強い結果を受けて、ドルは全面高となり、ドル円は149円台前半から149.80台まで上伸。150円手前の売りが上値を抑えているが、ユーロドルなどほとんどの通貨に対してドル高が進む中で、下がると買いが出る流れとなった。午後に入ると米債利回りが若干低下し、ドル売りを誘った。ユーロドルが1.0550台を回復するなど、ドル高調整が目立った。もっとも値幅自体は限定的で、ドル円は149.50台までの動きにとどまっている。ドル円レンジは149.57から149.83まで、ユーロドルは1.0528から1.0551まで、ポンドドルは1.2175から1.2208までと比較的狭いレンジの限定されている。 ロンドン市場は、ドル買い・円買いの動きが優勢。序盤は前日の米CPIを受けたドル高水準からの調整の動きがみられた。ユーロドルは1.0559近辺、ポンドドルは1.2225近辺まで反発する場面があった。しかし、NY原油先物が86ドル台へと急騰、米10年債利回りが4.61%台に低下、欧州株が下げ幅を拡大など中東地政学リスクを受けた警戒の動きを示してきている。為替市場でもドル買いや円買いの動きが再燃している。ユーロドルは1.0510台へ、ポンドドルは1.2160台へと安値を広げてきている。ユーロ円は158円付近から157.30台へ、ポンド円は183円手前水準から182円台割れへと安値を広げている。ドル円は本日これまでのレンジ149.56-149.83が示すように前日からの調整は浅く、高止まり状態が続いている。ドル指数はロンドン序盤までの下げを戻して、前日高値を上回っている。 NY市場はドル買いが優勢となる中で、ドル円は149円台半ば付近での上下動に終始した。この日発表のミシガン大消費者信頼感指数で消費者のインフレ期待が予想以上に上昇したことをきっかけにドル買いが優勢となった。一方で、円買いも見られ、ドル高・円高の中でドル円は膠着した展開。
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