【来週の注目材料】米個人消費の力強さ続くか=米小売売上高 6日に発表された9月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比+33.6万人と市場予想の+17万人前後を大きく上回る伸びとなりました。30万人を超える伸びは1月分の+47.2万人以来となります。7月、8月の結果も大きく上方修正され、鈍化が懸念されていた米雇用市場の力強さが意識されています。 12日に発表された9月の米消費者物価指数(CPI)は前年比+3.7%と市場予想の+3.6%を上回り、8月と同水準の伸びとなりました。前月比では+0.4%とこちらも市場予想の+0.3%を上回りました。8月の+0.6%からは鈍化しています。食品とエネルギーを除いたコア指数は市場予想通り前年比+4.1%となりました。8月の+4.3%からは鈍化しています。コア指数は前月比も市場予想通りとなり、+0.3%と8月と同水準となりました。 物価の伸びが思ったほど鈍化を見せない状況ですが、雇用市場が堅調さを見せていることで、米経済に対する見方は比較的楽観的なものに見えます。物価を抑えるために12月に追加利上げに踏み切る可能性も、依然少数派ながら増えてきており、ドル高につながっています。 そうした中、17日に9月の米小売売上高が発表されます。米国のGDPの約7割を占める個人消費動向を示すものとして注目度の高い指標です。前回8月分は米景気の底堅さを反映して前月比+0.6%と市場予想の+0.2%を超える伸びとなりました。7月分も市場予想の+0.4%を超える+0.7%となっており、2カ月続けて力強い伸びとなっています。 ただ、この伸びはガソリン価格上昇の影響が大きくなっています。部門別の数字を見ると、ガソリンスタンド売上が前月比+5.2%と突出しています。OPECの減産合意などによるガソリン小売価格が上昇したことが背景にあります。車社会である米国では、ガソリン価格が上昇したとしても、消費を大きく抑えるということは難しく、売上額で見た数字は増加します(価格弾力性が低いと言います)。こうした生活に必須な消費額の拡大は他に影響を与えます。前回でいうとスポーツ・娯楽・書籍の項目が前月比-1.6%と弱くなりました。他と比べて必需性の低い項目が弱いということは、余裕がなくなっているということでもあり、あまりよくない印象です。 そうした中、今回の市場予想は前月比+0.3%と前回からは伸びが鈍化も、まずまずな数字が見込まれています。変動の激しい自動車を除いた数字の予想は+0.2%、こちらも8月の+0.6%から伸びが鈍化もプラス圏を維持する見込みです。 米国の自動車販売は大規模ストライキの関係で10月以降の不透明感がありますが、9月時点では好調であったと見られています。米自動車大手GMの7-9月期販売台数は前年同期比約21%の増加となっています。 前回押し上げたガソリンスタンド売上については、米エネルギー情報局(EIA)調査による8月と9月の平均小売価格が全米全種平均で1ガロン=3.840ドルと3.836ドルとほぼ同水準になっており、今回は大きな動きにならないと見込まれます。 個人消費に大きな影響を与える雇用の堅調さもあり、小幅な増加という市場見通しは納得のいく水準です。ただ、予想からの乖離が生じやすい水準だけに、要注意です。予想を超えての消費の伸びが見られた場合はドル高が見込まれます。 MINKABU PRESS 山岡和雅
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