前回9月14日の会合で10会合連続となる利上げを決定したECB理事会。 前回の理事会時の声明で、「3つの主要な政策金利は、十分に長い期間の継続によってユーロ圏のインフレ率が目標水準(2%)に回帰するために重要な役割を果たすことのできる水準に到達したと考えている」という表現が見られ、今後の政策金利据え置きが示唆された。また、理事会後のラガルドECB総裁の会見では、「金利の水準と期間の内、焦点は金利水準ではなく、金利を維持する期間に移っている」との発言があり、政策金利が9月の利上げでピークに達したことが示唆された。 ユーロ圏の物価は最新9月の消費者物価指数(HICP)前年比が+4.3%、コアHICP前年比が+4.5%と、インフレターゲットである2%に対して依然としてかなりの乖離がある。ただ、これまでの金融引き締めによりユーロ圏の景気鈍化懸念が広がっており、これ以上の利上げが難しいと考えられている。利上げを決めた前回の会合でも複数のメンバーはユーロ圏景気の明らかな減速やこれまでの金融引締め効果の波及を確認することを理由として9月時点での据え置きを主張していた。 前回の理事会で示されたECBスタッフによるマクロ経済予想(年8回のECB理事会の内、3月、6月、9月、12月の理事会で公表)をみると、実質経済成長率見通しは2023年+0.7%、24年+1.0%、25年+1.5%といずれも6月時点での予想から下方修正された。一方インフレ率見通しは2023年+5.6%、24年+3.2%、25年+2.1%と23年、24年が6月時点と比べて上方修正されている。経済成長見通しが後退する中で、物価見通しが強まるという厳しい状況となっている。 こうした状況を受けて、今回のECB理事会では主要3金利の現状維持が見込まれている(中銀預金金利4.0%、主要リファイナンスオペ金利4.50%、限界貸出ファシリティ金利4.75%)。声明も目立った変化がなく、スタッフ予想が示される12月の理事会待ちとなりそう。米国の追加利上げ期待が再燃するようだと、金利差拡大懸念からユーロ売りの動きが強まる可能性がある。発表直後の動きは限定的と見ているが、中期的に1.04台を試す材料となる可能性がある。 MINKABU PRESS 山岡和雅
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