金・銀週間展望=堅調、中東情勢の行方を確認

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [10月30日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2024 年  8 月限  10 月 23 日〜 10 月 27 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金           9,533     9,631 (27)    9,403 (25)      9,593          +67
  銀           113.0     113.7 (23)    111.1 (25)      112.7         +1.2
 プラチナ       4,265     4,359 (27)    4,221 (26)      4,354          +93
 パラジウム     5,400     5,400 (27)    5,400 (27)      5,400           0
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
        26  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       (12) 1,997.4      +3.0   | ドル・円    150.15      0.28 円安
  銀       (12) 2,290.8     -59.6   | 日経平均  30,991.69       -267.67
 プラチナ   ( 1)   909.0      +3.9   | NY原油 (12)  83.21         -4.87
 パラジウム (12) 1,142.80    +31.60  |* ドル・円は15時15分現在、原油は 26日
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【前回のレビュー】
 金は中東情勢の行方を確認、とした。
 金はイスラエルのガザ侵攻の後ずれを受けて利食い売りが出たが、ネタニヤフ首相が
地上侵攻に踏み切る準備を進めていると述べると、押し目を買われた。現物相場は
1955.97ドルで押し目を買われた。金先限は上場来高値9613円を付けた。
 欧米はイスラエルに対し、人質解放を優先し、ガザ侵攻を遅らせた。イスラム組織ハ
マスは数人ずつ人質を解放した。ただイスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派組
織ヒズボラとの戦闘が激化し、紛争拡大に対する懸念が残った。マクロン仏大統領はイ
スラエルを訪問し、イラクとシリアで過激派組織「イスラム国(IS)」掃討作戦を進
める米国主導の有志連合を、ガザを実効支配するハマスとの戦いに拡大する案を提案し
た。イスラエルのネタニヤフ首相は25日、ガザへの地上侵攻に踏み切る準備を進めて
いると述べた。ただ米軍が中東に防空システムを配備できるまで地上侵攻を遅らせるこ
とに同意したと伝えられ、侵攻時期は不明である。アラブ諸国の外相は26日、イスラ
エルが激しい砲撃を続けているガザで民間人が標的にされ、「明白な国際法違反」が行
われていると非難する声明を発表した。バイデン米大統領は、中東地域で米軍部隊を攻
撃の標的にしないよう、イランの最高指導者ハメネイ師に「直接メッセージ」を伝え
た。イスラエルのガザ侵攻の行方と各国の反応を確認したい。
 9月の米新築一戸建て住宅販売戸数は前月比12.3%増の75万9000戸となっ
た。事前予想の68万戸を上回った。米10年債利回りは2007年以来の高水準とな
る5%台を付けたのち、上げ一服となったが、好調な住宅販売を受けて再び上昇した。
また第3四半期の米国内総生産(GDP)速報値は前期比4.9%増と約2年ぶりの高
い伸びとなった。底堅い労働市場を背景に堅調な個人消費が主導した。ただコア個人消
費支出(PCE)指数が2.4%上昇と前四半期の3.7%から鈍化し、米国債の利回
り上昇は一服した。一方、米下院は25日、共和党の保守派ジョンソン議員を次期下院
議長に選出した。マッカーシー前議長は債務上限問題を超党派でまとめたが、共和党内
の強硬派によって解任された。3週間の混乱が終息したが、つなぎ予算は11月17日
までで新議長がまとめられるかどうかも当面の焦点になりそうだ。
【金ETF残高は減少】
 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は26日時点で
1063.69トンとなり、前週末比1.78トン減少した。米国で1.44トン、英
GBSで0.04トン、英ETFSで0.20トン減少した。20日の米国で15.0
トン増加したが、イスラエルのガザ侵攻の後ずれを受けて投資資金が流出した。一方、
米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、10月17日時点のニュ
ーヨーク金の大口投機家の買い越しは11万2738枚となり、前週の7万1433枚
から拡大した。今回は新規買いが1万1080枚、買い戻しが3万0225枚入り、
4万1305枚買い越し幅を拡大した。
 中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会は24日、1兆元の新規国債発行を承認
した。また地方政府が2024年の債券発行枠の一部を前倒し使用できるようにする法
案も可決した。景気刺激策がまとまったことで先行きに対する楽観的な見方が出た。た
だ中国不動産開発大手、碧桂園(カントリー・ガーデン)が米ドル建て債について初め
て債務不履行(デフォルト)と判断された。不動産危機の中国経済に対する影響も確認
したい。上海金のプレミアムは不動産危機に対する懸念を受けて9月下旬に100ドル
台まで上昇したが、景気刺激策が発表されたことで30ドル前後まで下落した。
【銀は戻りを売られる】
 銀の現物相場は、イスラエルのガザ侵攻の後ずれを受けて金に利食い売りが出たこと
や予想以上の米経済指標によるドル高を受けて売り優勢となり、17日以来の安値
22.48ドルを付けた。予想以上の米新築住宅販売や米国内総生産(GDP)を受け
てドル高に振れた。ただコア個人消費支出(PCE)指数の伸びが鈍化し、ドル高は一
服した。中東情勢の行方と金融政策の見通しを確認したい。
 26日のニーヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比78.39トン
増の1万3822.13トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建
玉明細報告によると、10月17日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは
1万9746枚となり、前週の1万2299枚から拡大した。新規買い、買い戻しが入
った。
当面の予定(イベント・経済統計)
30日 金融政策決定会合(日本銀行、31日まで)
    独消費者物価指数 2023年10月速報(連邦統計庁)
31日 労働力調査(失業率) 2023年9月(総務省)
    鉱工業生産指数 2023年9月速報(経済産業省)
    小売業販売額 2023年9月速報(経済産業省)
    総裁記者会見(日本銀行)
    中国製造業購買担当者景況指数 2023年10月(中国物流購買連合会)
    中国非製造業購買担当者景況指数 2023年10月(中国物流購買連合会)
    ユーロ圏国内総生産 2023年7-9月期速報(EUROSTAT)
    ユーロ圏消費者物価指数 2023年10月速報(EUROSTAT)
    米雇用コスト指数 2023年7-9月期(労働省)
    米ケース・シラー住宅価格指数 2023年8月(S&P)
    シカゴ購買部協会景気指数 2022年10月(シカゴ購買部協会)
    米消費者信頼感指数 2023年10月(カンファレンスボード)
    米連邦公開市場委員会(FRB、1日まで)
 1日 ●フランス(万聖節)
    中国製造業購買担当者景況指数 2023年10月(財新)
    全米雇用報告 2023年10月(ADP)
    米製造業景況指数 2023年10月(ISM)
    米FOMC声明文公表(FRB)
 2日 独雇用統計 2023年10月(連邦雇用庁)
    ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2023年10月確報(Markit)
    英中銀政策金利公表
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米製造業新規受注 2023年9月(商務省)
 3日 ●文化の日
    中国サービス業購買担当者景況指数 2023年10月(財新)
    独貿易収支 2023年9月(連邦統計庁)
    ユーロ圏雇用統計 2023年9月(EUROSTAT)
    米雇用統計 2023年10月(労働省)
    米非製造業景況指数 2023年10月(ISM)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
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