石油週間見通し=底入れの時間帯か、目先はOPECやIEA月報にも注目

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油12月限は80ドル台でのペナント形成の可能性
はまだ残るが、仮に底割れして80ドル台を維持できないようであれば、直近の
80.20ドルから89.85ドルの上げ幅に対する下落の拡大波に発展する可能性が
あり、1.618倍押しの74.24ドル辺りまで下値余地が拡大することになるとし
た。

【NY原油は底入れの時間帯か】
 ニューヨーク原油12月限は結局、80ドル台を維持できずに底割れした。結果的に
は、前回の当欄で記した世界銀行や国際エネルギー機関(IEA)の事務局長の「高値
煽り」で買い付いた筋がことごとく投げさせられる展開となった。
 ここまでの安値は8日に付けた74.91ドルで、前回の当欄で指摘した1.618
倍押しの74.24ドルを達成したとみるかどうかかなり微妙なところ。しかし13日
は新月であり、日柄的には新月底になりそうな典型的な形となっている。74.24ド
ルを達成した後に反発すれば分かりやすくなる。本稿執筆時点の10日の午後には76
ドル台前半で推移しており、新月前に早めの底入れの可能性も出てきているが、もうひ
と下げの「最後っ屁」があるかもしれない。後者の場合は、74.91ドルとダブルボ
トムを形成する形になりそうだ。

 材料的には、イスラエルとハマスの戦争はガザ地上戦突入でさらに激化しているが、
すでに原油相場の材料としての強気のインパクトは無くなっている。やはり供給障害懸
念が浮上しないと、戦争の長期化で世界的な景気減速懸念が優勢となる。
 ただ産油国側の意見として、サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相からは
今回の原油安は投機的なものとの指摘も聞かれ、チャートの悪化でテクニカル面から売
り込まれた印象も強い。
 13日に石油輸出国機構(OPEC)、14日にIEAの月報がそれぞれ発表される
ため、それらの統計でファンダメンタルズ面の強さが見直されれば新月底から反発する
シナリオも十分ありそうだ。
 またもうひとつ注目したいのは、10月に米エネルギー省が戦略石油備蓄(SPR)
用に12月と1月に合計600バレルの原油を買い付ける意向を示していたこと。希望
価格の79ドル以下は現状の水準と合致しており、前倒しでSPR用の原油買い付けに
動く可能性もゼロではないだろう。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は10月下旬の安値からの上昇後、3
万4000ドルの節目を挟んだもみ合いとなっている。
 ドルインデックスはFOMCの発表後に崩れていたが、104ポイント台後半で踏み
とどまり、直近は105ポイント台後半まで戻している。

【10月の中国の原油輸入量、前年同月比では13.52%増】
 統計物では、7日の中国の税関総署の発表で、10月の同国の原油輸入が4897万
トン(日量1153万バレル)と、前年同月比13.52%増となった。また前月比で
も3.6%増となっている。製油所が新たな輸入枠で買い付けを増やしたことや、国慶
節で国内移動が急増して旺盛な需要があったためという。
 また年初から10月までの輸入累計でも4億7322万トン(同1136万バレル)
と、前年同期比14.4%増となった。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油先限は21日移動平均線でもあるボリンジャーバンドの中心線(7万031
0円辺り)を割り込んだあと下げ足を加速して、直近は−2シグマ(6万6890円辺
り)を割り込んだ。
 ガソリン先限は名目値で7万7000円での横ばいだったが、10日に名目値で7万
9000円に上昇。

【NY原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油12月限は急落後、8日の安値74.91ドルからひとまず戻して
いる。75ドルの節目でこのまま支持されるか否かが目先の焦点となる。

MINKABU PRESS

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