ストラテジストの間でも、来年の企業の業績見通しについて見解が分かれている。ネガティブな見通しでは、景気後退の有無にかかわらず、企業の価格決定力の低下が売上高と利益を圧迫すると主張。半面、ポジティブな見通しでは、景気後退でも企業の売上高は持ちこたえると予想している。 企業利益のスタート地点(今年の利益)が高めであることを考えると、来年の利益の伸びは上昇どころか、むしろ横ばいに終わる可能性があるという。完全な景気後退であれば、減益に陥る可能性も高いとしている。金利が高止まりしているいま、経済成長に対するリスクは山積しており、米小売り大手も今回の決算で、米経済の3分の2を占める消費の健全性に対する懸念を示していた。 一方、米大手銀の指標によると、米企業の業績見通しは9週連続で下方修正されており、それは上方修正を上回っている。ただ、それは逆に企業へのハードルも下げることになるという。来年の業績について、景気後退のリスクにもかかわらず、各セクターの成長見通しはより一貫している。穏やかな景気後退の中でも企業の売上高は成長し得ると見ているようだ。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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