[12月11日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2024 年 10 月限 12 月 4 日〜 12 月 8 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 9,714 10,028 ( 4) 9,279 ( 8) 9,392 -320 銀 119.4 120.6 ( 4) 112.2 ( 8) 112.2 -7.8 プラチナ 4,361 4,400 ( 4) 4,138 ( 8) 4,215 -148 パラジウム 4,800 4,800 ( 5) 4,600 ( 8) 4,600 -300 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 7 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 ( 2) 2,046.4 -43.3 | ドル・円 143.90 4.11 円高 銀 ( 3) 2,405.9 -179.8 | 日経平均 32,307.86 -1123.65 プラチナ ( 1) 912.0 -24.1 | NY原油 ( 1) 69.34 -4.73 パラジウム ( 3) 981.20 -29.20 |* ドル・円は15時15分現在、原油は 7日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前週のレビュー】 プラチナは中国経済に対する懸念や米金融当局者のタカ派姿勢が上値を抑える要因、 とした。 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の利上げ下げ期待が強いが、欧州中央銀行 (ECB)の利下げ観測も高まり、ドル高に振れたことを受けて軟調となった。現物相 場は11月15日以来の安値885.50ドルを付けた。プラチナ先限は11月14日 以来の安値4138円を付けた。一方、パラジウムの現物相場は2018年8月以来の 安値923.27ドルを付けた。 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受けて利下げ期待が高まった。同 議長は利上げが行き過ぎ必要以上に景気を減速させるリスクと、インフレ抑制のために 十分な利上げを実施しないリスクは「より均衡している」と述べた。その上で、米FR Bが今後の金融政策決定において慎重であることを改めて確認した。10月までの6カ 月間の主要インフレ指標が平均2.5%と、米FRBが目標とする2%に近い水準であ ったことを指摘した。また11月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は10万 3000人増と、事前予想の13万人増を下回った。製造業で減少し、労働市場の減速 が示された。米新規失業保険申請件数も1000件増の22万件となった。CMEのフ ェドウォッチで、来年3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ確率が 52.9%(前週41.5%)に上昇した。ただ市場では来年3月の利下げは早すぎる との見方もあり、年央になる可能性がある。12〜13日の米FOMCでは金利据え置 きが見込まれている。 欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測が高まり、ユーロ安に振れた。シュナーベル理 事は「直近のインフレ率を見ると、追加利上げの可能性はかなり低い」と述べた。11 月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比2.4%上昇と前月の2.9 %から低下し、事前予想の2.7%を大幅に下回った。またビルロワドガロー仏中銀総 裁は、ECBは現時点で利下げを検討する用意はないが、2024年のある時点でその 問題を検証することになるだろうと述べた。14日のECB理事会で発表される経済見 通しとラガルドECB総裁の発言も当面の焦点である。 【プラチナETF残高はまちまち】 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、6日のロンドンで11.85トン(前 週末11.78トン)に増加、7日のニューヨークで30.89トン(同30.91ト ン)に減少、6日の南アで11.98トン(同11.98トン)と変わらずとなった。 またパラジウムETFの現物保有高はロンドンで3.37トン(同3.37トン)、ニ ューヨークで5.86トン(同5.86トン)、南アで0.36トン(同0.36ト ン)と変わらずとなった。プラチナETF残高がまちまちの動きとなった。金急伸を受 けてロンドンで押し目買いが入ったが、ニューヨークで手じまい売りが出た。一方、米 商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、11月28日時点のニュー ヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万0034枚(前週7136枚)に拡 大、パラジウムの売り越しは1万0171枚(同1万0287枚)に縮小した。 【中国の輸入減少で先行き不透明感が残る】 11月の中国の貿易統計によると、輸出が前年比0.5%増と前月の6.4%減から 6カ月ぶりに回復したが、輸入が0.6%減と前月の3.0%増からマイナスに転じ た。ただ輸出業者の値下げに支えられたものと指摘されており、先行き不透明感が残っ ている。一方、上海プラチナの出来高は7日に424枚に増加した。高値での買いが見 送られたが、下落したことで安値拾いの買いが入った。 当面の予定(イベント・経済統計) 11日 英住宅価格指数 2023年12月(ライトムーブ) 12日 企業物価指数 2023年11月(日本銀行) 英雇用統計 2023年11月(国立統計局) 独景況感指数 2023年12月(ZEW) 米消費者物価指数 2023年11月(労働省) 米財政収支 2023年11月(財務省) 米連邦公開市場委員会(FRB、13日まで) 13日 短観 概要及び要旨 12月調査(日本銀行) 英貿易収支 2023年10月(国立統計局) 英鉱工業生産指数 2023年10月(国立統計局) ユーロ圏鉱工業生産 2023年10月(EUROSTAT) 米生産者物価指数 2023年11月(労働省) 米FOMC声明文公表(FRB) 14日 機械受注 2023年10月(内閣府) 金融政策理事会(ECB) 政策金利公表(BOE) 米小売売上高 2023年11月(商務省) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米輸出入物価指数 2023年11月(労働省) 米企業在庫 2023年10月(商務省) 15日 中国住宅価格指数 2023年11月(国家統計局) 中国小売売上高 2023年11月(国家統計局) 中国鉱工業生産 2023年11月(国家統計局) ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2023年12月速報(Markit) ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2023年12月速報(Markit) ユーロ圏貿易収支 2023年10月(EUROSTAT) 米製造業景況指数 2023年12月(ニューヨーク連銀) 米鉱工業生産・設備稼働率 2023年11月(FRB) 対米証券投資 2023年10月(財務省) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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