ゴム週間展望=上値模索、タイ南部産地主導の上昇続く

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [1月29日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)  先限つなぎ足 1月22日〜1月26日
<国内>         始 値     高 値       安 値      帳入値     前週比
 RSS先限      273.0      288.1(25)   273.0(22)   288.1      + 11.8
  24年6月限      271.8      289.5(25)    267.7(23)   286.5      + 15.2
 TSR20    231.0      231.0(22)    226.0(23)   231.0         0.0
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 147.75円  前週末比 0.95 円高
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【前週までのレビュー】産地高や上海高を背景にJPXゴムRSS3号の活発限月6月
限は、一代の高値を更新し、上値を試す可能性があるとみた。
【6月限は一代の高値を更新】
 JPXゴムRSS3号の活発限月の6月限は、産地高や中国政府の景気刺激策を好感
し、24日に昨年11月29日に付けた一代の高値272.9円を上抜くと、25日に
289.5円まで急伸した。その後は、上げ一服となっている。
 産地相場は、引き続き上昇場面となっている。今後、ウィンタリング(落葉期=減産
期)も意識されることから一段高の可能性もありそうだ。また、2024年1月限の納
会をみると、前月比50円高の295.0円で納会オチしたうえ、受渡枚数も同113
枚増の162枚となった。受渡枚数としては多くはないが、需給のひっ迫懸念や先高観
が出てきたようだ。目先、直近の上昇に対する調整の動きもあろうが、中長期的な上昇
トレンドは維持され、6月限は上値を模索する展開になりそうだ。
【産地高はウィンタリングを意識か】
 タイの現物価格の上昇が続いている。タイ南部の天然ゴム主要積出港のソンクラ港渡
しのオファー価格(FOB)をみると、年初1キロ=62.12バーツ(約257.1
8円、1バーツ=4.14円で計算)が25日には71.57バーツ(約296.30
円)まで上昇している。昨年末に天然ゴムの主要産地であるタイ南部で洪水が発生した
が、今年に入ってからは天候の問題はない。今回の産地高の背景は、ハッキリしていな
い。ただ、2月に入ってくれば、ウィンタリング(落葉期=減産期)が意識される。一
段高となることも想定しておきたい。
【上海ゴムは戻り場面】
 上海ゴム5月限の戻り場面を迎えている。23日に9日に付けた直近の安値1万33
80元を下抜き、1万3345元まで水準を引き下げた。だが、同水準で支持される
と、一転した買いが先行し、25日には1万3790元まで上昇した。目先、節目の1
万4000元を意識した展開となる。この水準は、15〜18日まで試して、切り返さ
れた水準である。戻り売り圧力が強そうだが、同水準を突破すれば、逆指しの買いを巻
き込んで、買いが加速する可能性がありそうだ。
【中国が景気対策に動く】
 中国人民銀行(中央銀行)は、24日、預金準備率を0.5%引き下げることを発表
した。適用は2月5日からとなる。0.5%の引き下げは、2021年12月以降で最
大となる。これを受けて、24日の上海総合株価指数や香港ハンセン指数はマイナスサ
イドから急反転となり、翌25日も買いが先行した。
中国政府は、景気の減速、それを背景とし、下げ止まらなかった株式市場に対し、よう
やく積極的な策を打ってきた。これを好感し、商品市場も買いが入りやすくなるとみ
る。
【東京ゴム活発限月の6月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の6月限は、上値を試す展開となっている。直近1カ月の
値動きをみると、昨年12月19日には234.8円まで水準を引き下げたが、同水準
で支持されると、買いが先行し、12月29日には259.0円まで水準を引き上げ
た。年明けは売りがやや優勢となり、1月11日には249.1円まで下落した。た
だ、250円割れで下げ渋ると、11日以降の産地高や上海高を受けて、買いが先行
し、24日に昨年11月29日に付けた一代の高値272.9円を上抜くと、25日に2
89.5円まで急伸した。
 一段高となれば、25日に付けた一代の高値289.5円が最初の関門。高値更新と
なれば、節目の290.0円や300.0円を試すことになる。
 一方、軟化すれば、節目の280円付近が支持になる。同水準を割り込むと、270
円台に沈むと、同水準は、今回の上昇場面であまり時間を掛けていないことから、節目
の270円付近まで一気に水準を引き下げる可能性があるとみる。
【今週の注目ポイント】
 産地相場に注目したい。直近の上昇は、産地相場主導の面が大きい。ただ、産地で生
産障害などの話はない。ただ、ウィンタリングを控えていることから、先高観が強まれ
ば、一段高となりそうだ。
【相場予想レンジ】
 1月29〜2月2日のゴムRSS3号6月限の中心レンジ予想は260〜300円。
テクニカルの支持線は270.0円(節目)、抵抗線は289.5円(一代の高値)。
 <当面の予定(イベント・経済統計)>
 29日 NZ貿易収支 2023年12月(NZ統計局)
     米週間穀物輸出検証高(USDA)
 30日 労働力調査(失業率) 2023年12月(総務省)
     ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
     ユーロ圏域内総生産 2023年10-12月期速報(EUROSTAT)
     米ケース・シラー住宅価格指数 2023年11月(S&P)
     米消費者信頼感指数 2024年1月(カンファレンスボード)
     米連邦公開市場委員会(FRB、31日まで)
 31日 鉱工業生産指数 2023年12月速報(経済産業省)
     小売業販売額 2023年12月速報(経済産業省)
     中国製造業購買担当者景況指数 2024年1月(中国物流購買連合会)
     中国非製造業購買担当者景況指数 2024年1月(中国物流購買連合会)
     独雇用統計 2024年1月(連邦雇用庁)
     独消費者物価指数 2024年1月速報(連邦統計庁)
     全米雇用報告 2024年1月(ADP)
     米雇用コスト指数 2023年10-12月期(労働省)
     シカゴ購買部協会景気指数 2024年1月(シカゴ購買部協会)
     米FOMC声明文公表(FRB)
  1日 中国製造業購買担当者景況指数 2024年1月(財新)
     ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年1月確報(Markit)
     ユーロ圏消費者物価指数 2024年1月速報(EUROSTAT)
     ユーロ圏雇用統計 2023年12月(EUROSTAT)
     英政策金利公表(BOE)
     米新規失業保険申請件数(労働省)
     米製造業景況指数 2024年1月(ISM)
     米週間穀物輸出成約高(USDA)
  2日 上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
     米雇用統計 2024年1月(労働省)
     米製造業新規受注 2023年12月(商務省)
     米消費者信頼感指数 2024年1月確報値(ミシガン大)
     建玉明細報告(CFTC)
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