石油週間展望=下値余地に注目、ドル高や米政権の備蓄ガソリン放出の報で

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
          [5月27日からの1週間の展望]
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         週間高低(カッコ内は日付)     5 月 20 日〜 5 月 24 日
                始  値    高  値        安  値       帳入値    前週末比
ガソリン  先限   81,000    83,000(20)    83,000(20)   83,000        ±0
灯  油  先限   81,500    81,500(20)    81,500(20)   81,500        ±0
原  油 10月限  77,460    78,640(21)    76,270(24)   76,830       -820
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<海外原油> 週間4本値 始 値    高  値      安 値     終値   前週末比
  NY原油  7 月限     79.58      80.11(20)    76.43(23)  76.87    -2.71
ブレント原油  7 月限     83.98      84.49(20)    80.93(23)  81.36    -2.62
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24日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 157.01 前週末比 1.24円の円安
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【前週のレビュー】ニューヨーク原油7月限は8日の76.63ドル、15日の
76.36ドルをダブルボトムとして、ネックラインの79.47ドルを上抜くと、
80ドルの節目を上抜いて行く可能性が高まりそうだとした。

【NY原油は80ドルが強い上値抵抗で反落】
 ニューヨーク原油7月限は結局、高値も20日の80.11ドルまででその後は反落
しており、80ドルの節目が非常に強い抵抗であることを確認した。目先は15日の安
値である76.36ドルを維持できるかどうかが焦点となっている。
 本稿執筆時の24日午後には76ドル台後半で推移しているが、仮にこれを割り込ん
だ場合、チャート上は、昨年12月13日の安値69.25ドルから今年4月12日の
高値86.16ドルまでの上げ幅の61.8%押しの75.71ドル、78.6%押し
の72.87ドル、そして全値押しの69.25ドルが次の下値メドとなる。ともあれ
まだ目先の底値を付けていないとみた方が良さそうだ。
 材料的には、今年の主要テーマとなっていた中東の地政学的リスクが材料としてのイ
ンパクトを軽減させる(はっきり言えば、これをお題目に買い越しファンドが80ドル
以上に持ち上げることができなかった)なか、このところのドル高進展もあって、指標
限月となった7月限をショート(売り)から入った(あるいは手じまい売り)というこ
とだろう。ただ大口投機玉を見ると、先物のみでもオプションを含むものでも、大口投
機玉の買い越しが20万枚台まで減少しており、数値的には買い直されやすい水準にあ
る。米国のドライブシーズン入りと目先の石油輸出国機構(OPEC)プラス会合がそ
のきっかけになるかどうかが目先の焦点となりそうだが、後者は無風通過の可能性が高
いとみられている。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は史上初の4万ドル台乗せ後は反落基
調となり、直近は3万9000ドル水準まで下落している。
 ドルインデックスに関しては、再びドル高が基調が進展して直近は再び105ポイン
ト台に乗せてきた。
 原油にとってはともに向かい風になってきた。

【1日のOPECプラス会合は無風通過か】
 1日に予定されているOPECプラス会合については、現在の減産規模を7〜9月期
も維持するとの見方が優勢となっている。仮にそれまでに原油価格がさらに崩れても、
それ以上の価格維持政策を発表することは困難とみられることで、OPECプラス会合
は無風で通過する可能性が高そうだ。
【米国、ドライブシーズン前に備蓄ガソリン100万バレルを放出へ】
 米国に目を移すと、現状の株高誘導も米大統領選年特有と言うならば、ガソリン価格
の抑制も大統領選にとって非常に重要な要因となる。信用評価機関ムーディーズが、
「ガソリン小売価格が2〜3カ月にわたって4ドルを超えた場合はトランプが大統領選
に勝利する」と指摘するほどだ。
 そのようななか、米エネルギー省(DOE)は21日、北東部に保有するガソリン備
蓄100万バレルを放出することを明らかにした。放出は今月27日のメモリアルデー
(戦没将兵追悼記念日)から7月4日の独立記念日までに実施される予定。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油の6番限である10月限は21日移動平均線でもあるボリンジャーバンドの
中心線(7万7650円辺り)が上値抵抗となるなか、−1シグマ(7万6430円辺
り)が現状支持線となっている。を挟んだ高下。17日は再び引けでそれを上回った。
 ガソリン先限は名目値で8万3000円の横ばいが続いている。

【NY原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油7月限はボリンジャーバンドの中心線(79.67ドル辺り)に跳
ね返れる形で反落して4営業日連続の陰線引け。15日の安値76.36ドルを維持で
きるかどうかが目先の焦点となってきた。

<当面の予定>
27日【経済】景気動向指数 2024年3月改定状況(内閣府)
   【発会】バージガソリン・灯油・軽油・中京ローリーガソリン・灯油
             2024年12月限(東京商品)
   【経済】中国工業利益 2024年4月(国家統計局)
   【経済】独景況感指数 2024年5月(ifo)
   【休日】英スプリング・バンク・ホリデー
   【休日】米戦没将兵追悼記念日

28日【経済】米住宅価格指数 2024年3月(連邦住宅金融局)
   【経済】米ケース・シラー住宅価格指数 2024年3月(S&P)
   【経済】米消費者信頼感指数 2024年5月(カンファレンスボード)

29日【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
   【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
   【経済】独消費者物価指数 2024年5月速報(連邦統計庁)
   【経済】仏消費者信頼感指数 2024年5月(INSEE)
   【経済】米住宅ローン申請指数(MBA)
   【工業】米週間石油統計(API)

30日【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 5月19日-5月25日(財務省)
   【経済】貿易収支 2024年4月確報(財務省)
   【経済】ユーロ圏雇用統計 2024年4月(EUROSTAT)
   【経済】米国内総生産 2024年1-3月期改定値(商務省)
   【経済】米卸売在庫 2024年4月速報値(商務省)
   【経済】米新規失業保険申請件数(労働省)
   【経済】米中古住宅販売仮契約指数 2024年4月(全米不動産協会)
   【工業】米週間石油統計(EIA)

 1日【経済】労働力調査(失業率) 2024年4月(総務省)
   【経済】一般職業紹介状況(有効求人倍率) 2024年4月(厚生労働省)
   【経済】鉱工業生産指数 2024年4月速報(経済産業省)
   【経済】小売業販売額 2024年4月速報(経済産業省)
   【経済】自動車生産・輸出実績 2024年3月(JAMA)
   【経済】中国製造業購買担当者景況指数 2024年5月(中国物流購買連合会)
   【経済】中国非製造業購買担当者景況指数 2024年5月(中国物流購買連合会)
   【経済】ユーロ圏消費者物価指数 2024年5月速報(EUROSTAT)
   【経済】仏国内総生産 2024年1-3月期確報値(INSEE)
   【経済】仏消費者物価指数 2024年5月速報(INSEE)
   【経済】仏生産者・輸入物価指数 2024年4月(INSEE)
   【経済】英マネーサプライ 2024年4月(BOE)
   【納会】英ブレント原油 2024年7月限(ICE EUROPE)
   【経済】米個人所得・支出 2024年4月(商務省)
   【経済】米シカゴ購買部協会景気指数 2024年5月(シカゴ購買部協会)
   【農産】米週間穀物輸出成約高(USDA)
   【商品】米建玉明細報告(CFTC)
   【納会】米改質ガソリン・ ヒーティングオイル 2024年6月限(NYMEX)
   【商品】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)

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