石油週間見通し=さらに上昇の可能性、米ガルフのハリケーンにも注目

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油8月限は現状のもみ合いが上昇途中の中段もみ合
いとなる可能性。80ドル地相場のムードが強まっているので、それを割り込まない限
り、押し目買いスタンスが奏功するような相場展開となりそうだとした。

【NY原油は上抜けでさらに上昇する可能性】
 ニューヨーク原油8月限は上抜ける展開となった。前回の当欄で指摘した78.6%
戻しの82.52ドルを突破して、2日には84.38ドルの戻り高値を付けた。次の
上値目標は全値戻しでまた一代高値でもある85.27ドルとなる。6日が新月(土曜
日で営業日ではない)となるが、新月天井の例は少ないため、85.27ドルを上抜い
た場合、そのまま拡大の上昇波に発展する可能性が高いだろう。その場合の上値目標は
1.236倍戻しの88.30ドル、1.382倍戻しの90.17ドル、1.618
倍戻しの93.20ドルなどとなる。
 そのような急伸模様となる場合、後述するようなイスラエルとレバノンのヒスボラの
交戦拡大、あるいは現在米ガルフ(メキシコ湾)へ進行しているハリケーン「ベリル」
による供給障害の発生などが材料として浮上している可能性が高い。したがって、それ
らの続報には注意したい。
 懸念されるイスラエルとレバノンのヒスボラの交戦拡大に関しては、イスラエル軍が
3日にヒスボラの上級司令官を殺害したことに対する報復措置として、4日にヒスボラ
が数カ所のイスラエル軍基地に向けて200発を超えるロケットを発射したことが報じ
られている。これはここ数カ月間の武力衝突でも最大規模。ただイスラエルによると、
大半は迎撃された模様。このまま交戦が激化するようであれば、原油にとっては支援材
料となり、とくにイランを巻き込むようであれば噴き上げる可能性が出て来る。

 またカリブ海で発達したハリケーン「ベリル」はいったんメキシコのユカタン半島に
上陸した後、週末にメキシコ湾南部に入り、週明けの8日には米国メキシコの国境沿い
〜テキサス州南部のエリアに上陸する見込み。そのまま北上すれば来週前半にかけてテ
キサス州を縦断する可能性が高まっている。
 したがって、週末から海上油井の稼働停止、製油所の稼働停止、あるいは実際の被害
の有無が来週前半は焦点の一つとなりそうだ。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は3万9000ポイント台前半を中心
に引き続き高値圏のもみ合いとなっている。
 ドルインデックスは、6月下旬のドル高が一服して、104ポイント台後半まで下落
している。

【中国政府、緊急原油備蓄800万トン増加要請】
 ロイター通信によると、中国政府は国有石油会社に同国の緊急原油備蓄を800万ト
ン(約6000万バレル)増加させるように要請したという。同国の原油輸入は日量約
1100万バレルであるから、5〜6日分の輸入量に当たるため、国際原油価格の下支
え要因となりそうだ。

【米国の原油在庫が急減、石油製品在庫も減少=EIA週報】
 直近のEIAの週報によると、米国の原油在庫は前週比1215万7000バレル減
の4億4854万バレルと急減した。ガソリンも同221万4000バレル減の2億
3167万バレル。留出油も153万5000バレル減の1億1973万バレルと石油
製品在庫も減少した。
 なおガソリン需要が日量942万4000バレルまで増加して、今シーズン最高とな
っており、いよいよドライブシーズン入りが数値に表れて来た。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油の6番限である12月限はさらに一代高値を更新中。上昇しているボリンジ
ャーバンドの1シグマ(8万1680円辺り)と2シグマ(8万4460円辺り)の間
で上昇のバンドウォークが続いている。
 ガソリン先限は名目値で8万3000円の横ばいが続いている。

【NY原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油8月限は上昇中のボリンジャーバンドの1シグマ(82.35ドル
辺り)をトレンドラインとした上昇が続いている。


MINKABU PRESS

*投資や売買については御自身の判断でお願いします。

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。