石油週間見通し=5日の高値を上抜けるか否かが焦点、米原油在庫の減少続く

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油8月限は上抜けでさらに上昇する可能性。次の上
値目標は全値戻しで一代高値でもある85.27ドル。それを上抜くと、上値目標は
1.236倍戻しの88.30ドル、1.382倍戻しの90.17ドル、1.618
倍戻しの93.20ドルなどになるとした。

【NY原油は80ドル台前半のもみ合い続く】
 ニューヨーク原油8月限は高値圏のもみ合いの様相となっている。前回の当欄で前提
条件とした85.27ドル上抜けどころか85ドル台乗せもまだ達成していない。ただ
80ドル台を維持しており、10日の安値80.81ドルから再び戻り基調を鮮明にし
ていることから、今回の上昇で前述の上値目標を抜ける可能性は残っている。差し当た
りは5日の高値84.52ドルを上抜けることができるかどうかが注目される。

 このところの懸念材料だったイスラエルとレバノンのヒスボラの交戦拡大に関しては
ひとまずこう着感が出ているが、イスラエルの情報機関であるモサドのバルネア長官が
5日にカタールを訪問して以降、イスラエルとパレスチナのハマスの停戦交渉期待が浮
上して上値抑制要因となった。ただ、米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題
担当)は11日、停戦交渉に明るい兆しは見えるが、近い将来の合意成立については否
定的な見解を示している。

 また結局テキサス州に上陸したハリケーン「ベリル」に関しては、大きな被害は発生
せず、イスラエルとハマスの停戦交渉期待とともに、米独立記念日明けの週前半の上値
抑制要因となった。
 ただ、例年ハリケーンが米ガルフに到来するピークは8月下旬から9月上旬にかけて
のため、今年は出だしが早い印象があり「当たり年」になる可能性もあるため引き続き
注意したい。

 直近の戻り要因は、10日発表の米エネルギー情報局(EIA)の週報で、原油在庫
が前週に続いて急減していたことや、11日発表の6月の米消費者物価指数(CPI)
が前月比−0.1%と、前月比マイナスに落ち込んだことで9月の米利下げ開始観測が
強まったなとが挙げられる。
 ただ、CPI発表後にドル円が1ドル=161.50円付近から一時157.45ド
ル当たりまで急落して、急激な円高が進展しており(本稿執筆時の12日午後には
159円台前半で推移)当局のドル売り/円買い介入観測が出ている。これにより東京
原油は大幅安となっている。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は3万9000ポイント台後半まで上
昇して、再び4万ドル台や過去最高値も視野に入っている。
 ドルインデックスは、11日に急落してて一時は104ポイント台を割り込んだが、
直近は104ポイント台を回復している。
 ともに原油にとっては追い風となっている。

【米国の原油在庫が減少続く、ガソリン在庫も減少=EIA週報】
 直近のEIAの週報によると、米国の原油在庫は前週比344万3000バレル減の
4億4510万バレルと前週に続きさらに減少した。ガソリンも同200万6000バ
レル減の2億2967万バレルと2億3000万バレル台を割り込んだ。ただ、留出油
は488万4000バレル増の1億2461万バレルと急増している。
 また製油所稼働率は95.4%まで上昇して、今年最高の水準にある。
【今年の世界石油需要の伸び、OPECとIEAで見方の乖離拡大】
 統計物では、まず10日のOPEC月報では、今年の世界石油需要の伸びが日量
225万バレル、来年が同185万バレルと、これまでの見通しが据え置かれた。
 一方、11日のIEA月報では、同じ世界石油需要伸びが今年、来年ともに同100
万バレルを下回るとして、ともに下方修正している。
 相変わらずOPECが強気の見方、IEAが弱気の見方と言えるが、とくに今年の需
要伸び見通しの乖離が倍以上に拡大している。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油の6番限である12月限は11日は21日移動平均線でもあるボリンジャー
バンドの中心線(8万0130円辺り)や8万円の節目でいったん支持されたが、12
日は急激な円高進展もあり大陰線でそれらを大きく割り込んだ。
 ガソリン先限は名目値で8万3000円の横ばいが続いている。

【NY原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油8月限は直近の修正安も上昇中の21日移動平均線でもあるボリン
ジャーバンドの中心線(80.83ドル辺り)で支持されて戻しているが、11日は1
シグマ(82.87ドル辺り)が上値抵抗となった。

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