プラチナ週間展望=もみ合い、米利下げ見通しも景気減速懸念が圧迫

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [8月5日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2025 年  6 月限  7 月 29 日〜 8 月 2 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          11,767    11,995 (31)   11,705 ( 1)     11,862        +117
  銀           140.0     140.2 (30)    140.0 (29)      140.0         0.0
 プラチナ       4,657     4,828 (31)    4,606 (29)      4,690         +23
 パラジウム     4,600     4,600 (29)    4,600 (29)      4,600           0
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
         1  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       (12) 2,480.8     +52.9   | ドル・円    149.09      4.51 円高
  銀       ( 9) 2,847.7     +45.7   | 日経平均  35,909.70      -1757.71
 プラチナ   (10)   970.5     +26.1   | NY原油 ( 9)  76.31         -0.85
 パラジウム ( 9)   895.10     +8.20  |* ドル・円は15時15分現在、原油は  1日
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【前週のレビュー】
 プラチナはドル高や金急落が圧迫要因、とした。
 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを受けて堅調となったが、景
気減速懸念を受けて上げ一服となった。現物相場は7月18日以来の高値980.11
ドルを付けた。プラチナ先限は円高に上値を抑えられ、4828円で上げ一服となっ
た。一方、パラジウムの現物相場は7月24日以来の高値935.50ドルを付けたの
ち、上げ一服となった。
 米連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を
5.25〜5.50%に据え置いた。声明はインフレについて「2%の目標に向けてさ
らなる一定の進展があった」とし、早ければ9月の会合で利下げを実施する可能性を示
唆した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、9月にも利下げに動く可能性が
あるとの見解を示した。ただ利下げに着手する前に「インフレが持続的に2%に向かっ
ているという確信を強める」ことが必要という認識を示した。7月の全米雇用報告によ
ると、民間部門雇用者数は12万2000人増加した。事前予想の15万人増を下回っ
た。第2四半期の米非農業部門の労働生産性速報値は前期比2.3%上昇と第1四半期
の0.4%上昇から伸びが加速し、事前予想の1.7%上昇も上回った。単位労働コス
トは同0.9%上昇と第1四半期の3.8%上昇から大きく減速した。7月の米ISM
製造業景気指数は46.8と前月の48.5から低下し、昨年11月以来の低水準とな
った。節目となる50も4カ月連続で下回った。新規受注の低迷が響いた。事前予想は
48.8。CMEのフェドウォッチでは、米FRBの9月利下げを織り込み、50ベー
シスポイント(bp)利下げの確率が27.0%(前週11.5%)、25bpの確率
が73.0%(同88.2%)となった。7月の米雇用統計で労働市場の減速が示され
るかどうかを確認したい。
【NYのプラチナ・パラジウムETF残高が増加】
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、31日のロンドンで24.82トン
(前週末24.82トン)と変わらず、1日のニューヨークで31.78トン(同
31.64トン)に増加、31日の南アで11.36トン(同11.36トン)と変わ
らずとなった。またパラジウムETFの現物保有高はロンドンで4.20トン(同
4.22トン)に減少、ニューヨークで9.26トン(同9.12トン)に増加、南ア
で0.33トン(同0.33トン)と変わらずとなった。ニューヨークのプラチナ・パ
ラジウムETF残高が増加した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを受けて
投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告による
と、7月23日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万2208
枚(前週2万1948枚)に縮小、パラジウムの売り越しは1万2255枚(同1万
0451枚)に拡大した。
【中国の財新製造業PMIは50割れ】
 7月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.4と前月の49.5から
低下し、3カ月連続で節目となる50を下回った。事前予想は49.3。不動産部門の
低迷や雇用不安が長引き景気が減速する中、中国当局が追加刺激策を打ち出す必要があ
るとの見方が強まった。サービス業と建設業を含む非製造業PMIは50.2と50を
上回ったものの、前月の50.5から低下した。国内のサービス需要鈍化を示すととも
に、不動産危機の問題を改めて浮き彫りにした。また7月の中国の財新製造業PMIは
49.8と前月の51.8から低下し、昨年10月以来の低水準となった。50を9カ
月ぶりに割り込んだ。事前予想は51.5。新規受注が減少し、下半期の経済成長に対
するリスクを示す内容となった。
当面の予定(イベント・経済統計)
5日 ●オーストラリア(バンク・ホリデー)
   金融政策決定会合議事要旨公表 6月13-14日分(日本銀行)
   中国サービス業購買担当者景況指数 2024年7月(財新)
   ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2024年7月確報(Markit)
   ユーロ圏生産者物価指数 2024年6月(EUROSTAT)
   米非製造業景況指数 2024年7月(ISM)
6日 キャッシュレートターゲット公表(オーストラリア準備銀行)
   全世帯家計調査・消費支出 2024年6月(総務省)
   独製造業受注 2024年6月(経済技術省)
   ユーロ圏小売売上高 2024年6月(EUROSTAT)
   米貿易収支 2024年6月(商務省)
7日 中国貿易収支 2024年7月(税関総署)
   独貿易収支 2024年6月(連邦統計庁)
8日 国際収支(経常収支) 2024年6月(財務省)
   独鉱工業生産指数 2024年6月(経済技術省)
   米新規失業保険申請件数(労働省)
9日 ●南ア(全国婦人の日)
   中国消費者物価指数 2024年7月(国家統計局)
   中国生産者物価指数 2024年7月(国家統計局)
   独消費者物価指数 2024年7月確報(連邦統計庁)
   建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
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