石油週間見通し=底割れで下値余地拡大か、目先は米雇用統計などに注目

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油10月限は5日の安値70.88ドル、21日の
安値71.46ドルをダブルボトムとした戻り相場における中段もみ合いの様相のた
め、今後は上値目標の26日の77.60ドル、13日の78.54ドルを上抜くこと
ができるか否かが注目されるとした。

【NY原油は底割れして70ドル台割り込む】
 ニューヨーク原油10月限は予想とは逆に底割れする展開。70ドルの節目も割り込
み、5日には68.75ドルまで崩れた。本稿執筆時の6日午後には69ドル台前半で
推移している。
 3日が新月のため、この辺りで底入れとなる可能性もあるが、チャート的には、6月
4日の安値72.48ドルから7月5日の高値84.52ドルまでの上げ幅に対する
1.236倍押し(69.64ドル辺り)を達成していることで、1.382倍押しの
67.88ドル、1.618倍押しの65.04ドルまで下値余地が拡大している。

 材料的には、リビアの供給懸念より米中の景気悪化による需要後退懸念が優勢になっ
た。ただ70ドル台割れに危機感を持った石油輸出国機構(OPEC)プラスが10月
からの自主減産の縮小を12月からに2カ月先送りを発表している。仮にさらに底割れ
すれば、追加の対応策を発表する可能性もあるので注意したい。
 米国の経済統計では、6日に発表される8月の米雇用統計が注目されるが、先行して
発表されたADP雇用統計は、民間雇用者数の増加が事前予想を大幅に下回る弱気な内
容だった。

 なお大局的な原油の需給面で見逃せないのが、カナダから供給増加である。同国は世
界第4位の産油国(2023年実績は日量565万バレル)だが、今年5月にアルバー
タ州から北米西海岸に原油を輸送するパイプラインを拡張した。輸送能力が従来の日量
30万バレルから同89万バレルと約3倍に膨れ上がっていることで、日本などアジア
向けの供給能力は格段にアップしている。
 他の産油国側のニュースとしては、注目されていたリビアの減産懸念は一段落してい
る。同国では国連リビア支援ミッション(UNSMIL)主導で、2日から議会下院や
国家高等評議会、大統領評議会の代表などが参加して協議が行われていたが、3日に新
たな中央銀行総裁を30日以内に選出することで合意した。
 ただ一部のタンカーは原油の積み込みが許可されたとの報道が出て来たが、5日現在
ではまだ大半の積み込みが停止しており、再び強材料視される可能性もあるので注意し
たい。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は過去最高値から崩れる展開。4万
1000ドルを割り込んでいるものの、まだチャート的には高値圏のもみあいの範疇と
言える。
 ドルインデックスは再び下落基調。101ポイント台を割り込んでいる。
 直近は米株安、ドル安と原油相場にとっては強弱まちまちの値動きとなっている。

【米国の原油在庫、急減して3週連続減少】
 米国内を見ると、最新の米エネルギー情報局(EIA)の週報では、原油在庫が前週
比687万3000バレル減の4億1831万バレルと急減していた。これで3週連続
の減少となった。ただガソリン在庫は同84万8000バレル増の2億1924万バレ
ル、留出油在庫は同37万1000バレル減の1億2272万バレルとまちまちだっ
た。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油の6番限である2月限は4営業日連続の陰線引けで底割れ。このところ引け
で下降中のボリンジャーバンドの−2シグマ(6万2130円辺り)を割り込む展開が
続いている。
 ガソリン先限は名目値で8万1000円の横ばいで推移。

【NY原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油10月限は4営業日連続の陰線引けで70ドル台割れ。直近2営業
日は長い上ひげを引いて上値の重さが感じられる。引けで下降中のボリンジャーバンド
の−2シグマ(69.36ドル辺り)を割り込む展開が続いている。


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