金・銀週間展望=堅調、米労働市場の減速で押し目を買われる

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [9月9日からの1週間の展望]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   週間高低(カッコ内は日)   2025 年  8 月限  9 月 2 日〜 9 月 6 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          11,778    11,867 ( 3)   11,531 ( 5)     11,583         -180
  銀           135.0     135.0 ( 2)    130.0 ( 4)      133.5         -4.5
 プラチナ       4,418     4,433 ( 2)    4,175 ( 5)      4,279         -132
 パラジウム     4,500     4,600 ( 3)    4,400 ( 5)      4,400         -100
======================================
  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
         5  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       (12) 2,543.1     +15.5   | ドル・円    142.49      2.44 円高
  銀       (12) 2,909.9      -4.4   | 日経平均  36,391.47     -2256.28
 プラチナ   (10)   930.3      -1.9   | NY原油 (10)  69.15        -4.40
 パラジウム (12)   936.90    -25.90  |* ドル・円は15時15分現在、原油は  5日
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【前回のレビュー】
 金は米連邦準備理事会(FRB)の9月利下げ見通しが支援要因、とした。
 金は景気減速懸念によるリスク回避の動きが圧迫要因になったが、米雇用指標で労働
市場の減速が示されると、押し目を買われた。現物相場は2472.05ドルで押し目
を買われた。金先限は円高を受けて8月13日以来の安値1万1531円を付けた。
 7月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.5%上昇し、前月と変わらず
となった。前月比は0.2%上昇で市場予想と一致した。一方、8月の米ISM製造業
景気指数は前月の46.8から47.2に上昇したが、節目となる50割れが続き、景
気減速懸念が高まった。雇用が若干改善したが、新規受注のさらなる減少や在庫増加か
ら、製造業の活動は当面低迷が続く公算が大きいことを示唆した。7月の米雇用動態調
査(JOLTS)求人件数は23万7000件減の767万3000件と、3年半ぶり
の低水準となった。市場予想の810万件を下回った。8月のADP全米雇用報告によ
ると、民間部門雇用者数は9万9000人増と、3年半ぶりに低い伸びとなった。市場
予想は14万5000人増だった。8月の米ISM非製造業総合指数は51.5と前月
の51.4からほぼ横ばいだった。市場予想の51.1を上回った。ただ労働市場の軟
化に伴って雇用の伸びは鈍化した。米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、米連
邦準備理事会(FRB)が高金利をこれ以上長く維持すべきではないとの見解を示し
た。雇用に過度の悪影響を与える恐れがあるためという。来週は11日に8月の米消費
者物価指数(CPI)の発表がある。
 8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比2.2%上昇と3年ぶり
の低水準まで鈍化した。8月のユーロ圏のHCOB製造業購買担当者景気指数(PM
I)改定値は45.8と速報値の45.6から小幅に上方修正されたが、節目となる
50を引き続き下回った。需要の減少ペースは今年最大で回復にはしばらく時間がかか
る可能性があるという。欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるビルロワドガロ
ー仏中銀総裁は、ECBが9月に追加利下げを実施するのが「賢明」とし、長く待ちす
ぎればインフレ率が目標を下回るリスクがあると警告した。12日のECB理事会を確
認したい。カナダ銀行(BOC)は4日、政策金利を0.25%ポイント引き下げ、
4.25%とした。利下げは3会合連続。マックレム総裁は、予想より弱い成長により
インフレ率が急速に低下する可能性があると懸念を表明した。
【金ETF残高は小幅増加】
 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は5日時点で
1055.77トンとなり、前週末比0.05トン増加した。オーストラリアで
0.01トン、南アで0.08トン増加、英ETFSで0.01トン、英GBSで
0.01トン減少した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを受けて投資資金
が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、8月
27日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは29万4445枚となり、前週
の29万1253枚から拡大し、2020年3月以来の高水準となった。今回は手じま
い売りが1万2221枚、買い戻しが1万5413枚入り、3192枚買い越し幅を拡
大した。
 イスラエルでは、イスラム組織ハマスの人質となっていた6人の遺体が発見されたこ
とを受け、国民の怒りが高まった。イスラエル最大の労働組合、労働総同盟はネタニヤ
フ首相にハマスとの停戦合意を迫るため、2日に全国的なストライキを実施した。イス
ラエルのネタニヤフ首相は4日、パレスチナ自治区ガザ南部とエジプトの境界沿いのフ
ィラデルフィア回廊と呼ばれる戦略上重要な緩衝地帯について、イスラエル軍がこの場
所から撤退することはないと改めて強調した。武器やイスラエル人の人質が境界を越え
てガザ地区へ秘密裏に運ばれるのを防ぐため、イスラエル軍はガザ南部の緩衝地帯にと
どまらなければならないと主張した。一方、ハマスは声明で、ネタニヤフ氏がフィラデ
ルフィア回廊からの撤退をしないと決めたのは、停戦合意を妨害する試みだとし、今こ
そイスラエルに圧力をかける時だとした。中東情勢の行方を引き続き確認したい。
【銀はリスク回避が圧迫も押し目は買われる】
 銀の現物相場はリスク回避の動きを受けて8月15日以来の安値27.74ドルを付
けたのち、労働市場の減速が示されたことを受けて押し目を買われた。米連邦準備理事
会(FRB)の大幅利下げの見方も出ており、今後発表される経済指標を確認したい。
来週は11日に8月の米消費者物価指数(CPI)の発表がある。
 5日のニーヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比8.17トン増の
1万4501.50トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明
細報告によると、8月27日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは5万
2186枚となり、前週の4万9324枚から拡大した。新規買い、買い戻しが入っ
た。
当面の予定(イベント・経済統計)
 9日 国内総生産 2024年4-6月期2次速報 (内閣府)
    国際収支(経常収支) 2024年7月(財務省)
    中国消費者物価指数 2024年8月(国家統計局)
    中国生産者物価指数 2024年8月(国家統計局)
    米卸売在庫 2024年7月確報値(商務省)
10日 中国貿易収支 2024年8月(税関総署)
    独消費者物価指数 2024年8月確報(連邦統計庁)
    英雇用統計 2024年8月(国立統計局)
11日 英貿易収支 2024年7月(国立統計局)
    英鉱工業生産指数 2024年7月(国立統計局)
    米消費者物価指数 2024年8月(労働省)
12日 企業物価指数 2024年8月(日本銀行)
    理事会結果公表(ECB)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米生産者物価指数 2024年8月(労働省)
    米財政収支 2024年8月(財務省)
13日 ユーロ圏鉱工業生産 2024年7月(EUROSTAT)
    米輸出入物価指数 2024年8月(労働省)
    米消費者信頼感指数 2024年9月速報値(ミシガン大)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
※投資や売買については御自身の判断でお願いします。

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。