【場況】 プラチナ系貴金属(PGM)は、プラチナが反発。ニューヨーク高と円安を受けて買 い優勢で始まった。その後は、ドル建て現物相場の底堅い値動きと円安を受けて堅調と なったが、円安が一服すると、上げ一服となった。パラジウムの商いは成立しなかっ た。 午前11時3分現在の前営業日比は、プラチナが24〜85円高、プラチナミニが 58.0〜82.0円高、プラチナスポットが182円高、パラジウムが出来ず。 午前11時3分現在の出来高は、プラチナが6181枚、プラチナミニが706枚、 プラチナスポットが1824枚、パラジウムが0枚。 【NYプラチナは株高で買い戻される】 プラチナは株高が支援要因になった。8月の米消費者物価指数(CPI)は前年比 2.5%上昇した。前月の2.9%上昇から伸びが鈍化し、2021年2月以来の小幅 な伸びとなった。ただ来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイン ト(bp)利下げが見込まれ、ドル高に振れた。一方、米株式市場ではハイテク銘柄が 上昇し、相場を支えた。 ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の四半期報告によ ると、2024年のプラチナは31トンの供給不足になると予想された。昨年の23ト ンから供給不足幅を拡大する見通しとなった。供給量は一段と縮小して220トンとな る一方、需要量は前年比3%増の252トンと予想され、前回見通しの15トンから不 足幅が拡大した。投資需要はETF(上場投信)への資金流入や中国のラージバーの地 金・コイン需要の増加を受けて同15%増の16トンになると予想された。ただトレバ ー・レイモンドCEOは、プラチナは2年連続で大幅な不足となるが、価格は反応して いないように見えるとした。ディーゼルゲート事件(独ディーゼルエンジン車の排出量 不正問題)による需要減少予想や、駆動方式の急速な電化に対する世界の期待が、セン チメントを悪化させたと指摘した。しかし、ガソリン車用触媒コンバーターへのプラチ ナ代替が進んでいることに加え、電化が予想よりもはるかに遅れていることから、自動 車触媒需要のセンチメントは「より長く、より高い」水準へ変化すると予想している、 とした。 プラチナ先限は4412円まで上昇した。ニューヨーク高と円安が支援要因になっ た。円相場は1ドル=142円台後半で円安が一服した。田村日銀審議委員は、金融市 場の動向にも十分に配意しつつ、経済・物価の反応を確認しながら、適時かつ段階的に 利上げしていく必要があるとの見解を示した。 【ロコ・チューリッヒ(ドル建て現物相場)】 プラチナのドル建て現物相場は、もみ合い。朝方の958.10ドルから、もみ合い となった。 午前11時現在、プラチナは956.72ドル、パラジウムが1022.64ドルで 推移。前営業日の大引け時点はプラチナが948.66ドル、パラジウムが 987.39ドル。 MINKABU PRESS
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