[今日の視点]貴金属=金が急落、プラチナは続伸

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、金が急落して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク安を受けて売り優勢
となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナがニューヨーク高と円安を受けて堅
調となろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は42.75ドル安
の2659.35ドル、銀が29セント安の3117セント、プラチナが6.74ドル
高の985.20ドル、パラジウムは8.31ドル安の1036.95ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=154.45/47円で、前営業日の
大引け時点から0.19円の円安。
 先限の寄り付き目安は、金が1万3290円前後、銀は159.0円前後、プラチナ
は4900円前後、パラジウムは5300円前後。
【NY金はドル高や米国債の利回り上昇が圧迫】
 金はきのうの海外市場では、ドル高や米国債の利回り上昇を受けて戻りを売られた。
 金はドル高や米国債の利回り上昇が圧迫要因になった。米大統領選でトランプ前大統
領が勝利した。追加関税や減税、移民抑制を公約に掲げており、インフレ懸念から米国
債の利回りが上昇したことやドル高が圧迫要因になった。米連邦準備理事会(FRB)
がこれまで予想されていたほど大幅な利下げを実施しないとの見方が出ている。欧州中
央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は、ユーロ圏の経済成長は従来の予想を下回る可
能性があるほか、世界貿易への障壁が貿易戦争の悪循環を招き、経済に一段とマイナス
の結果をもたらす恐れがあるとの見方を示した。
 イスラエル軍は、レバノンのベカー高原の東部都市バールベック近郊を約40回にわ
たり攻撃した。レバノンの親イラン武装組織ヒズボラの最高指導者カセム師は、イスラ
エルが攻撃停止を決定した場合のみ、レバノン政府を通した「間接交渉」への道が開か
れると述べた。ヒズボラは、イスラエルのテルアビブ南部の軍事基地を多数のドローン
(無人機)で攻撃したと発表した。同基地を標的にした攻撃は「初めて」とされる。
 銀はきのうの海外市場では、ドル高や金急落を受けて売り優勢となった。
【NYプラチナは株高が下支え】
 プラチナはきのうの海外市場では、ドル高や金急落が圧迫要因になったが、売り一巡
後は株高を受けて下げ一服となった。
 プラチナは株高が下支え要因になった。米大統領選でトランプ前大統領が勝利し、イ
ンフレ懸念が高まった。ただ米株式の主要3指数がいずれも過去最高値を更新した。減
税や規制緩和への期待が高まった。一方、中国の全国人民代表大会(全人代)も当面の
焦点である。トランプ前大統領が勝利したことで財政刺激策の規模が拡大されるとみら
れている。
<今日の予定>
・中国貿易収支 2024年10月(税関総署)
・独鉱工業生産指数 2024年9月(経済技術省)
・ユーロ圏小売売上高 2024年9月(EUROSTAT)
・英中銀(BOE)政策金利公表
・米新規失業保険申請件数(労働省)
・米卸売在庫 2024年9月確報値(商務省)
・米FOMC声明文公表(FRB)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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