[12月2日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2025 年 10 月限 11 月 25 日〜 11 月 29 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 13,482 13,560 (25) 12,796 (29) 12,916 -542 銀 160.4 161.6 (25) 148.5 (28) 150.0 -6.9 プラチナ 4,822 4,830 (25) 4,507 (28) 4,559 -239 パラジウム 5,100 5,100 (25) 4,700 (28) 4,700 -400 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 28 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 ( 2) 2,664.8 -72.4 | ドル・円 150.05 4.86 円高 銀 ( 3) 3,055.6 -122.0 | 日経平均 38,208.03 -75.82 プラチナ ( 1) 931.8 -43.3 | NY原油 ( 1) 68.72 -2.52 パラジウム ( 3) 987.10 -38.40 |* ドル・円は15時45分現在、原油は 28日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前週のレビュー】 プラチナは金堅調もドル高に上値を抑えられる、とした。 プラチナは金急落をきっかけに戻り売り圧力が強まった。トランプ次期米大統領の関 税発言や貿易摩擦に対する懸念も下げ要因になった。現物相場は9月9日以来の安値9 23.50ドルを付けた。プラチナ先限は10月1日以来の安値4507円を付けた。 一方、パラジウムの現物相場は18日以来の安値967.52ドルを付けた。 トランプ次期米大統領は、米財務長官に著名投資家のスコット・ベッセント氏が指名 した。経済成長を押し上げるとの見方からリスク選好の動きとなり、金に利食い売りが 出てプラチナもつれ安となった。また次期米大統領は中国からの輸入品に10%の追加 関税、カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を課すとした。不法移民や違法薬 物取引が背景にある。ドル高に振れたが、貿易摩擦に対する懸念が出ると、株安に振れ た。カナダのトルドー首相はトランプ氏と電話会談し、同氏のメッセージを受け取った 旨を伝え、問題解決に向け協力していくことを確認した。メキシコのシェインバウム大 統領も同氏との電話会談で、不法移民や違法薬物の流入について協議した。市場では関 税は交渉の一環との見方が出ている。米通商代表部(USTR)代表にはジェミソン・ グリア氏が指名された。同氏は第1次トランプ政権で当時のライトハイザーUSTR代 表の首席補佐官を務めており、厳しい対中姿勢を示している。 11月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は55.3と2022年4月以 来の高水準となった。10月は54.1。次期米政権による企業優遇策への期待が背景 にある。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、当局者が「緩やかな」利下げ に対して幅広い支持を示していたことが分かった。10月の米個人消費支出(PCE) 価格指数は前年比2.3%上昇し、前月の2.1%上昇から伸びが加速した。インフレ 抑制に向けた進展が過去数カ月に停滞していることを示したが、市場予想と一致し、 12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ見通しに変わりはなかった。ただ 次期米政権の政策によるインフレ懸念が強く、来年の利下げ幅は限られるとみられてい る。 【プラチナ・パラジウムETF残高は総じて減少】 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、27日のロンドンで18.23トン (前週末18.29トン)に減少、ニューヨークで34.28トン(同34.28ト ン)、南アで11.17トン(同11.17トン)と変わらずとなった。またパラジウ ムETFの現物保有高はロンドンで3.83トン(同3.86トン)、ニューヨークで 14.15トン(同14.69トン)に減少、南アで0.24トン(同0.24トン) と変わらずとなった。ロンドンのプラチナETF残高と欧米のパラジウムETF残高が 減少した。関税や貿易摩擦に対する懸念を受けて投資資金が流出した。一方、米商品先 物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、11月19日時点のニューヨー ク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万2676枚(前週2万0233枚)に拡 大、パラジウムの売り越しは6294枚(同6313枚)に縮小した。 【WPICは3年連続の供給不足見通し】 ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の四半期報告によ ると、プラチナは3年連続の供給不足見通しとなり、2025年は17トンの供給不足 と予想された。総需要は前年比1%減の245トン、総供給は同1%増の228トン。 自動車触媒需要が8年ぶりの高水準になると予想された。2024年は総需要が同横ば いの247トン、総供給が同2%増の226トンで21トンの供給不足と予想された。 トレバー・レイモンドCEOは、「2025年のプラチナ市場は、旺盛な需要と脆弱な 供給の継続が原因となり、3年連続で大幅な不足となる見通しとなった。世界経済が不 透明だが、プラチナはその最終用途が多岐にわたるため、現在の環境下でも底堅さを見 せている」と述べた。 当面の予定(イベント・経済統計) 2日 中国製造業購買担当者景況指数 2024年11月(財新) ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年11月確報(Markit) ユーロ圏雇用統計 2024年10月(EUROSTAT) 米製造業景況指数 2024年11月(ISM) 建玉明細報告(CFTC) 3日 米新車販売台数 2024年11月(Autodata) 4日 中国サービス業購買担当者景況指数 2024年11月(財新) ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2024年11月確報(Markit) ユーロ圏生産者物価指数 2024年10月(EUROSTAT) 全米雇用統計 2024年11月(ADP) 米製造業新規受注 2024年10月(商務省) 米非製造業景況指数 2024年11月(ISM) 米地区連銀経済報告・ベージュブック(FRB) 5日 独製造業受注 2024年10月(経済技術省) ユーロ圏小売売上高 2024年10月(EUROSTAT) 米貿易収支 2024年10月(商務省) 米新規失業保険申請件数(労働省) 6日 全世帯家計調査・消費支出 2024年10月(総務省) 独貿易収支 2024年10月(連邦統計庁) 独鉱工業生産指数 2024年10月(経済技術省) ユーロ圏域内総生産 2024年7-9月期確報(EUROSTAT) 米雇用統計 2024年11月(労働省) 米消費者信頼感指数 2024年12月速報値(ミシガン大) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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