CFTC大口投機資金動向(12/10時点):金買いが拡大

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【概略】
 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における12月
10日時点の大口投機家の売り越しは376万4052枚となり、前週の411万
2809枚から縮小した。取組高合計は4601万5501枚となり、前週から58万
0329枚(1.3%)増加した。
 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が1.8%増、債券
合計が0.3%増、為替合計が16.2増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が
1.3%増、エネルギー合計は0.1%減、金属合計は3.9%増となった。
 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規買いが新規売りを
上回って売り越しを縮小、債券で新規買い、買い戻しを上回って売り越しを縮小した。
為替は新規売りが新規買いを上回って売り越し(ドル買い)を拡大した。

【現在の市場テーマと大口投機家の動向】
 前週は、地政学的リスクや中国の金融緩和見通しを受けてドル高に振れた。米消費者
物価指数(CPI)でインフレの伸びが加速したが、予想通りとなり、米連邦公開市場
委員会(FOMC)の利下げ見通しに変わりはなかった。ただ来年の利下げについては
不透明感が強い。
 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が2万5752枚売り越し(前週2334枚売
り越し)、ユーロは7万5573枚売り越し(同5万7489枚売り越し)、英ポンド
は2万7125枚買い越し(同1万9326枚買い越し)となった。ユーロは手じまい
売り、新規売りが出て売り越しを拡大した。

 商品市場では、原油が地政学的リスクや中国の金融緩和見通しを受けて買い優勢とな
った。金は地政学的リスクや中国の金融緩和見通し、米連邦準備理事会(FRB)の利
下げ見通しが支援要因になったが、予想以上の米生産者物価指数(PPI)をきっかけ
に急落した。
 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が19万0112枚買い越し(前
週20万1464枚買い越し)に縮小した。手じまい売り、新規売りが出た。ニューヨ
ーク金は27万5586枚買い越し(同25万9736枚買い越し)に拡大、ニューヨ
ーク・プラチナは1万4829枚買い越し(同2万0486枚買い越し)に縮小した。
金は新規買いが新規売りを上回り、プラチナは手じまい売り、新規売りが出た。

 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが22万4423枚買い越し(前週13万
7228枚買い越し)に拡大、大豆は8万6216枚売り越し(同9万8484枚売り
越し)に縮小した。コーン、大豆ともに新規買い、買い戻しが入った。前週のコーン
は、米農務省(USDA)の需給報告の需給引き締まり見通しを受けて買い優勢となっ
たが、弱気な輸出を受けて上げ一服となった。
MINKABU PRESS 東海林勇行

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