【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における2月4 日時点の大口投機家の売り越しは382万6080枚となり、前週の365万4083 枚から拡大した。取組高合計は4561万1277枚となり、前週から37万3218 枚(0.8%)減少した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が1.1%増、債券 合計が1.6%減、為替合計が2.4%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 1.6%増、エネルギー合計は1.0%減、金属合計は3.0%減となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規買いが新規売りを 上回って買い越しに転じ、債券で手じまい売り、新規売りが出て売り越しを拡大した。 為替は新規買いが新規売りを上回って売り越し(ドル買い)を縮小した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、トランプ米大統領が関税発動の大統領令に署名した。メキシコとカナダは国 境警備強化で合意し、関税発動が1カ付き延期されたが、中国に対する関税は発動さ れ、中国は報復措置を発表した。米大統領と中国の習国家主席の会談が予定されてお り、関税の行方を確認したい。米大統領は日米首脳会談後、相互関税を計画しているこ とを明らかにした。一方、一連の経済指標の発表後、米連邦準備理事会(FRB)の年 内利下げが1回にとどまるとの見方が強まった。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が1万8768枚買い越し(前週959枚売り 越し)、ユーロは5万8614枚売り越し(同6万6604枚売り越し)、英ポンドは 1万1323枚売り越し(同2万1672枚売り越し)となった。ユーロは新規買いが 新規売りを上回って売り越しを縮小した。 商品市場では、原油が米中の貿易戦争に対する懸念などを受けて売り優勢となり、昨 年12月30日以来の安値70.43ドルを付けた。金は米中の貿易戦争に対する懸念 や予想以下の米雇用統計を受けて史上最高値2886.54ドルを付けた。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が23万0313枚買い越し(前 週26万4126枚買い越し)に縮小した。手じまい売り、新規売りが出た。ニューヨ ーク金は30万2508枚買い越し(同29万9409枚買い越し)、ニューヨーク・ プラチナは1万5421枚買い越し(同1万3373枚買い越し)に拡大した。金、プ ラチナともに新規買いが新規売りを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが46万2381枚買い越し(前週44万 3875枚買い越し)、大豆は3万7166枚買い越し(同3万1351枚買い越し) に拡大した。コーンは新規買い、買い戻しが入り、大豆は買い戻しが手じまい売りを上 回った。前週のコーンは、米国のメキシコに対する関税発動が延期されたことや南米の 天候不安などが支援要因になったが、アルゼンチンの降雨などを受けて上げ一服となっ た。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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