シカゴ大豆市況=概ね続落、引き下げ予想に反する米期末在庫予測据え置きで

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
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              始 値   高 値   安 値    帳入値     前日比
2025/03     1,049.00     1,057.00   1,041.50      1,043.50      - 6.00
2025/05     1,064.50     1,072.75   1,058.25      1,060.25      - 5.25
2025/07     1,080.00     1,087.75   1,074.00      1,076.00      - 4.50
   単位:枚   推定出来高   前日出来高   前日取組高 (前々日比)
   先物        488,922        219,732         904,435   (+ 3,826)
 注:4本値および出来高・取組高は、相場表と異なる場合があります。当該取引所か
ら電子取引を含む相場データの訂正が頻出しています。市況送信の際は細心の注意を払
っていますが、最新データは相場表でご確認ください。推定出来高は米国中部時間午後
4時現在の数値です。
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     米国産大豆需給報告(2月11日発表)     単位:百万Bu
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                              2024/25年度             2023/24年度
         発表日             2/11      1/10          2/11      1/10
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     作付面積         87.1      87.1          83.6      83.6
     収穫面積         86.1      86.1          82.3      82.3
     単  収         50.7      50.7          50.6      50.6
     期初在庫          342       342           264       264
     生  産        4,366     4,366         4,162     4,162
     輸  入           20        20            21        21
     供給合計        4,729     4,729         4,447     4,447
     圧  砕        2,410     2,410         2,287     2,287
     輸  出        1,825     1,825         1,695     1,695
     種  用           78        78            78        78
     その他            36        36            45        45
     需要合計        4,349     4,349         4,105     4,105
     期末在庫          380       380           342       342
     農家平均価格      1,010     1,020         1,240     1,240
     在庫/消費率        8.7       8.7           8.3       8.3
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 注)作付面積=百万エーカー、収穫面積=百万エーカー、単収=Bu/エーカー、
   農家平均価格=セント、在庫/消費率は%
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*米気象庁発表の6−10日予報(2月17日−2月21日)
 コーンベルト西部の気温は平年を下回る。雨量は平年並〜平年を上回る。
 コーンベルト東部の気温は平年を下回る。雨量は平年並〜平年を上回る。
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 大豆は概ね続落。前日比は6.00セント安〜0.25セント高。3月限は6.00
セント安の1043.50セント。
 米農務省(USDA)発表の月例需給報告で事前には米国の期末在庫の下方修正が予
想されていれていたにもかかわらず、実際には大幅な修正が見られなかったことに加
え、ブラジルの期末在庫見通しは事前予想とは逆の下方修正となったにもかかわらず
生産高見通しが過去最大の水準に維持されたことが弱材料となった。また、南米生産国
の天候改善見通しも重石となり、売り優勢となった。
 3月限は1049セントで取引を開始した後はじり高となり1054セント台まで値
を切り上げた。シカゴの時間帯にはさらに上伸し1057セントの高値に達したが、
USDA月例需給報告を受けて軟化に転じた。南米諸国の天候改善見通しも売りを呼ぶ
要因となって終盤には1041.50セントの安値に到達。安値からの戻りも浅く、安
値圏のまま取引を終了。
 米農務省(USDA)月例需給報告で米国の23/24年度予測および24/25
年度予測は全項目が前月と同量に据え置かれた。24/25年度予測は期末在庫の下方
修正が見込まれていた。
 一方、24/25年度のブラジルの大豆生産量予測は前月と同量の1億6900万
Buに、アルゼンチンは前月から300万Bu引き下げられた4900万Buに据え置
かれた。
 ブラジル産地およびアルゼンチン産地の天気概況は以下の通り(民間気象会社の天気
概況及び予報を要約)。

<ブラジル南部のリオグランデドスル州およびパラナ州>
 この24時間は北部で局地的な降雨が発生。気温は平年を上回った。
 今後は13日までまばらな降雨となり、14日は北部で降雨となるだろう。15日は
散発的な降雨となる見込み。気温は12日まで平年を上回るが、13〜15日は平年並
〜平年を上回る見込み。
 ブラジル産地南部では局地的な降雨となっていることで大豆の収穫およびサフリーニ
ャコーンの作付進展が期待される。

<ブラジル中部のマトグロッソ州、マトグロッソドスル州、ゴイアス州南部>
 散発的な降雨が発生。気温は平年並だった。同様の状況が15日まで続くもよう。
 雨季の降雨が続いているが、雨量が増加する通常とは異なり、今週の雨量はこれま
でより減少したり、または局地的なものとなる見込み。これにより大豆の収穫及びサフ
リーニャコーンの作付が進展する見込み。サフリーニャコーンの作付は平年に遅れてい
るうえ、適時とされる作付時期はあと2週間程度が残されているだけに、雨量の減少は
好ましい。

<アルゼンチン北部のコルドバ州、サンタフェ州、ブエノスアイレス州北部>
 局地的な降雨が発生。気温は平年を上回った。
 前線は13日にかけてゆっくりと北部に近づく見込みで、一部地域ではまとまった雨
量を伴う降雨が発生する可能性がある。北東部を中心とした降雨が予想されるが、広い
範囲での降雨には至らないだろう。また、週末14日から来週にかけて新たに前線が近
づく見通し。すでにこれまでの乾燥で作柄が低下しているため、この降雨による作柄改
善は見込み難いが、これ以上の作柄低下には至らないと見られる。

<アルゼンチン南部のラパンパ州、ブエノスアイレス州南部>
 この24時間は散発的な降雨が発生。気温は平年を上回った。
 今後は12日〜13日まで概ね降雨は無いが、14〜15日は散発的な降雨が発生す
る見込み。一方の気温は15日まで平年以下〜平年並になるだろう。

 アルゼンチン産地は前線が通過中で、現在通過中の前線が北部に移動した後も、今週
末の15日から来週にかけて新たな前線が通過する見込み。この前線に伴う降雨による
作柄の大幅な改善は期待し難いものの、作柄の改善が見込まれる。
 大豆製品は、大豆粕は大豆の軟調が重石となり売り優勢で運ばれた。ブラジルの24
/25年度生産見通しが前回の4235万トンから4312万トンに引き上げられたこ
とも弱材料視された。大豆油は原油の堅調に追随高となった。
 大豆粕3月限は前日比3.90ドル安の296.60ドルと300ドルを割り込んで
終了。
今日の材料
・ブラジル産地全域では降雨過多の環境が少雨へ。大豆収穫とサフリーニャコーン
 作付進展が期待される。
・アルゼンチン産地全域では今週半ばおよび今週末から来週にかけて前線通過に伴い
 慈雨発生へ。
・24/25年度の米需給見通しは全項目が前月と同量に据え置かれる。
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