[今日の視点]貴金属=ドル建て現物相場高と円安から買い優勢

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、総じて続伸して寄り付く見通し。金はニューヨーク高を受け買い優勢を予
想。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナがニューヨークの概ね小幅続伸、ドル建て
現物相場が960ドル台に上昇から買い優勢。円相場が1ドル=149円台後半に下落
となっていることも買い方に有利に働く。銀は出合いがあれば、買い優勢か。パラジウ
ムは出来ず。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は31.66ドル高
の2917.40ドル、銀が32セント高の3196セント、プラチナが8.11ドル
高の963.02ドル、パラジウムは12.65ドル高の944.08ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=149.85/86円で、前営業日の
大引け時点から0.46円の円安。
 先限の寄り付き目安は、金が1万4110円前後、銀は152.0円前後、プラチナ
は4543円前後、パラジウムは4500円前後。
【NY金は貿易戦争激化懸念が支援要因】
 金はきのうの海外市場では、米国と中国・カナダ・メキシコの間での貿易戦争激化に
対する警戒感から買い優勢となった。トランプ関税が米経済に与える影響を警戒した
ドル安も買い支援要因になった。
 米トランプ政権は4日よりカナダ・メキシコに対する25%の輸入関税を発動したう
え、中国からの輸入品に対しては10%の追加関税を発動。
 これに対し中国政府は4日に米国から輸入するとうもろこしには15%、大豆・豚
肉・牛肉等には10%の追加関税を課すことを発表し米国の中国からの輸入に対する関
税引き上げへの報復措置を取ったほか、カナダも報復関税を発動する可能性を示してい
る。さらにトランプ大統領は欧州連合(EU)への追加関税を発表する意向を示してお
り、世界的な貿易戦争の激化が警戒され報復合戦に対する警戒感が高まっている。
 パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの間の停戦合意を巡る協
議は今後数日に渡って継続される見通しだが、停戦協議が不調に終われば近いうちにガ
ザ地区での戦闘が再開される見通しとなっている。
 ハマス側がイスラエル軍のガザからの完全撤退及び「第2段階」への移行を求めるの
に対しイスラエル側はハマスの再武装を警戒し4月までの停戦維持と残る59人のイス
ラエル人人質の解放を求めている。
 銀はきのうの海外市場では、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となった。
【NYプラチナはドル安や金堅調が支援】
 プラチナはきのうの海外市場では、ドル安や金堅調を受けて期近4月限の変わらずを
除き、概ね小幅続伸となった。
 プラチナはドル安や金堅調が支援要因になった。金に対して割安感があることも買い
を支援する要因になった。ただトランプ米政権が、カナダとメキシコに対する25%の
関税を4日に発動したうえ、中国に対しても10%の追加関税を発動。貿易戦争の激化
が警戒される一方でプラチナ需要を抑制しかねず、上値を抑える要因となる。
<今日の予定>
◆ 中国 ◆
【経済】10:45 サービス業購買担当者景況指数 2025年2月(財新)
◆ ユーロ圏 ◆
【経済】18:00 サービス業購買担当者景況指数 2025年2月確報(Markit)
【経済】18:00 購買担当者総合景況指数 2025年2月確報(Markit)
【経済】19:00 生産者物価指数 2025年1月(EUROSTAT)
◆ フランス ◆
【経済】16:45 鉱工業生産指数 2025年1月(INSEE)
◆ スイス ◆
【経済】16:30 消費者物価指数 2025年2月(連邦統計局)
◆ アメリカ ◆
【経済】21:00 住宅ローン申請指数(MBA)
【経済】22:15 雇用統計 2025年2月(ADP)
【経済】3/6 00:00 耐久財受注 2025年1月確報値(商務省)
【経済】3/6 00:00 製造業新規受注 2025年1月(商務省)
【経済】3/6 00:00 非製造業景況指数 2025年2月(ISM)
【経済】3/6 04:00 地区連銀経済報告・ベージュブック(FRB)
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