[3月10日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日付) 3 月 3 日〜 3 月 7 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 ガソリン 先限 86,000 86,000( 3) 86,000( 3) 86,000 ±0 灯 油 先限 88,000 88,000( 3) 88,000( 3) 88,000 ±0 原 油 8月限 65,570 66,200( 4) 61,100( 6) 61,480 -4,020 ====================================== 3 月 3 日〜 3 月 6 日 <海外原油> 週間4本値 始 値 高 値 安 値 終 値 前週末比 NY原油 4 月限 69.95 70.60( 3) 65.22( 5) 66.36 -3.40 ブレント原油 5 月限 73.04 73.67( 3) 68.33( 5) 69.46 -3.35 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 7日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 147.50 前週末比 2.49円の円高 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前週のレビュー】ニューヨーク原油4月限は一時的に70ドル台割れも早期に回復し ている。チャート上は、昨年9月10日の安値63.61ドルから今年1月15日の高 値77.86ドルまでの上げ幅の61.8%押しの69.05ドルを達成後に戻した形 だが、これで底入れとなるか否かが目先のチャート上の焦点となるとした。 【NY原油4月限はさらに底割れして、70ドルが今後上値抵抗となるか】 ニューヨーク原油4月限は結局、大きく崩れる展開となっている。さらに底割れして 前述した上げ幅78.6%押しの66.66ドルも割り込んでおり、65ドルの節目、 そして全値押しとなる一代安値の63.61ドルが次の下値目標となる。2月中旬まで 続いた70ドル台前半のもみ合いから完全にレンジダウンした形となっており、逆に今 後は70ドルの節目が上値抵抗となる可能性が高くなってきた。 期近つなぎ足ベースではほぼ2年振りの安値水準となっている。 材料的には、石油輸出国機構(OPEC)プラスの4月からの自主減産の段階的縮小 (つまり増産)と、中国、カナダ、メキシコからの輸入に対する高関税賦課による貿易 摩擦激化と需要減退懸念が供給面と需要面から圧迫要因となった。とくに後者は、米国 内の石油製品、とくにガソリン価格に転換されることになるため、トランプ政権の米国 産原油の増産計画がうまく行かないと、ガソリン価格の高騰→需要減退懸念が一気に拡 大することになる。 ただ6日には、4日に発動したメキシコとカナダに対する25%の関税について、 「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」対象の製品に関しては4月2日まで関 税を免除するとしており、トランプ大統領の「関税攻撃」には相変わらず不確定要素も 多いため、今後も見守る必要がある。 OPECプラスは3日、現在実施している日量220万バレルの自主減産をこれまで の予定通り4月から段階的に縮小することを発表した。具体的には、4月から生産を段 階的に同13.8万バレルずつ増加し、2026年までに同220万バレルの供給を増 加させる見込みだ。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価はさらに下落する展開。ついに4万 2000ドル台まで軟化してきた。 ドルインデックスは再び崩れる展開となっており、直近は104ポイント台を割り込 んだ。 【カナダからの輸入原油に高関税実施なら米国の石油製品価格への転嫁は必至】 カナダとメキシコからの輸入へ高関税発動した場合の米国の原油輸入に対する影響を 俯瞰すると、メキシコ産原油に25%、カナダ産原油に10%の関税を発動し、逆にベ ネズエラからは輸入停止(シェブロンのベネズエラでの事業許可取消)となるが、昨年 のこの3国からの原油輸入は日量476万バレルと全輸入量の8割を占めている。その うち410万バレルがカナダ産となるが、今後はよりカナダ産にシフトする可能性が高 く、高関税による石油製品価格への転換は必至の状況と言える。当然カナダ以外でこの 規模の原油輸入を代替できるような産油国は見当たらない。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である8月限は下降中のボリンジャーバンドのー2シグマ(6万 2100円辺り)に沿った下落トレンドが続いている。7日には6万1000円台前半 まで崩れて、6万円の節目も視野に入って来た。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル】 ニューヨーク原油4月限も下降中のボリンジャーバンドのー2シグマ(66.63ド ル辺り)に沿った下落トレンド。直近は65ドルの節目を維持できるか否かが焦点とな ろう。 ブレント原油5月限も同様の下落トレンドで、ボリンジャーバンドのー2シグマ (69.69ドル辺り)を下回る状況が続き、ついに70ドル台も割り込んだ。 <当面の予定> 9日【経済】中国消費者物価指数 2025年2月(国家統計局) 【経済】中国生産者物価指数 2025年2月(国家統計局) 【他 】北米夏時間入り 10日【経済】国際収支(経常収支) 2025年1月(財務省) 【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 2025年2月(財務省) 【経済】景気動向指数 2025年1月速報(内閣府) 【経済】景気ウォッチャー調査 2025年2月(内閣府) 【経済】独貿易収支 2025年1月(連邦統計庁) 【経済】独鉱工業生産指数 2025年1月(経済技術省) 11日【経済】全世帯家計調査・消費支出 2025年1月(総務省) 【経済】マネーストック 2025年2月(日本銀行) 【経済】国内総生産 2024年10-12月期2次速報(内閣府) 【工業】米週間石油統計(API) 【工業】短期エネルギー見通し・月報(EIA) 12日【経済】企業物価指数 2025年2月(日本銀行) 【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟) 【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁) 【経済】米住宅ローン申請指数(MBA) 【経済】米消費者物価指数 2025年2月(労働省) 【経済】米財政収支 2025年2月(財務省) 【工業】米週間石油統計(EIA) 【工業】石油輸出国機構(OPEC)月報 13日【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 3月2日-3月8日(財務省) 【経済】ユーロ圏鉱工業生産 2025年1月(EUROSTAT) 【経済】米新規失業保険申請件数(労働省) 【経済】米生産者物価指数 2025年2月(労働省) 【工業】国際エネルギー機関(IEA)月報 14日【経済】独消費者物価指数 2025年2月確報(連邦統計庁) 【経済】仏消費者物価指数 2025年2月確報(INSEE) 【経済】英貿易収支 2025年1月(国立統計局) 【経済】英鉱工業生産指数 2025年1月(国立統計局) 【経済】英製造業生産指数 2025年1月(国立統計局) 【経済】米消費者信頼感指数 2025年3月速報値(ミシガン大) 【商品】米建玉明細報告 【工業】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ) MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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