CFTC大口投機資金動向(3/11時点):原油買いが拡大

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【概略】
 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における3月
11日時点の大口投機家の売り越しは404万1461枚となり、前週の402万
8363枚から拡大した。取組高合計は4613万5985枚となり、前週から77万
6794枚(1.7%)増加した。
 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が4.8%増、債券
合計が1.3%増、為替合計が13.2%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計
が0.2%減、エネルギー合計は0.4%増、金属合計は4.2%増となった。
 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規買い、買い戻しが
入って買い越しを拡大、債券で新規売りが新規買いを上回って売り越しを拡大した。為
替は新規買い、買い戻しが入って売り越し(ドル買い)を縮小した。

【現在の市場テーマと大口投機家の動向】
 前週は、米国の鉄鋼・アルミニウム関税が発動し、景気後退懸念が高まった。ウクラ
イナの暫定停戦受け入れやドイツの財政改革パッケージ合意を受けてユーロ高に振れた
が、ロシアのプーチン大統領は詳細を詰める必要があるとし、慎重な姿勢を示した。一
方、米消費者物価指数(CPI)や米生産者物価指数(PPI)でインフレ鈍化が示さ
れたが、米ミシガン大消費者信頼感指数速報値が大幅に悪化、インフレ期待が上昇し、
先行き懸念が強い。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利据え置きが見込
まれている。
 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が13万3902枚買い越し(前週13万
3651枚買い越し)、ユーロは1万3090枚買い越し(同1万0106枚売り越
し)、英ポンドは2万9193枚買い越し(同1万8574枚買い越し)となった。ユ
ーロは新規買い、買い戻しが入って買い越しに転じた。

 商品市場では、原油が貿易戦争に対する懸念が圧迫要因になったが、石油輸出国機構
(OPEC)月報で需要見通しが維持されたことなどが下支えになった。金は貿易戦争
に対する懸念やドル安を受けて史上最高値3004.30ドルを付けた。
 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が16万4126枚買い越し(前
週15万4841枚買い越し)に拡大した。買い戻しが手じまい売りを上回った。ニュ
ーヨーク金は23万6100枚買い越し(同24万3261枚買い越し)に縮小、ニュ
ーヨーク・プラチナは1万5748枚買い越し(同1万3852枚買い越し)に拡大し
た。金は手じまい売り、新規売りが出て、プラチナは買い戻しが手じまい売りを上回っ
た。

 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが26万8357枚買い越し(前週33万
5438枚買い越し)、大豆は1万2140枚売り越し(同3万4283枚売り越し)
に縮小した。コーンは手じまい売り、新規売りが出て、大豆は新規買い、買い戻しが入
った。前週のコーンは、米農務省(USDA)需給報告での米期末在庫が据え置かれた
ことや貿易戦争に対する懸念を受けて売り優勢となった。
MINKABU PRESS 東海林勇行

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