石油週間見通し=崩落後の乱高下、パニック相場は収まらず底入れ感はなし

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油はトランプ政権の相互関税発表や石油輸出国機構
(OPEC)プラスの増産発表で崩落する展開。5月限は全値押しの「往って来い」と
なる65ドル台割れの可能性も高まっている。目先はセリング・クライマックス(陰の
極)がどの水準でどのタイミングで到来するのかが焦点となりそうだとした。

【NY原油は期近のつなぎ足ベースで2021年2月以来の安値水準】
 ニューヨーク原油は全値押しどころか、とんでもない崩落となった。拡大波の目安と
なる1.618倍押しとなる60.26ドルも大きく割り込み、2倍押しの57.42
ドルも割り込んだ。9日に55.12ドルの安値を付けた後に急反発した。一時は63
ドル台まであったが、本稿執筆時の11日の午後時点には、再び59ドル台後半まで崩
れている。前回の当欄で指摘した「陰の極」を9日に付けて、何とか55ドルを維持し
て反発した格好になっているが、ボラティリティーの高さを考えると、底入れ判断はま
だ時期尚早。なお期近のつなぎ足ベースでは2021年2月以来の安値水準となってい
る。

 材料的に崩落の発端となったのは。2日のトランプ政権の相互関税発表だが、そのあ
と中国との報復関税合戦がエスカレートする一方、他国に対しては「上乗せ分」の実施
を90日間停止することが発表された。
 ただ、後者でパニック相場が沈静化するどころか、前者の米中の報復関税合戦激化
(直近の情報では、中国が84%、米国が145%の関税をお互いに賦課する)で、株
式や為替なども再びリスクオフの動きが鮮明となっており、原油も安値までまだかなり
あるものの、再び60ドル台を維持できなくなってきた。

 中東の地政学的リスクに関しては、イランの核開発を巡って、12日にオマーンで米
国とイランが協議する予定だが、米国側がニルビオ米国務長官含めたトップレベルの直
接協議だとしている一方、イランは仲介役を挟んだ間接協議を主張している。米国はイ
ランの本気度を見極めるとしており、米国がこれを5月にも実施が噂されているイラン
攻撃のプロセスの一つに利用したい意向が伺える。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価はさらに崩れる展開。とくに4万ドル
の節目を割り込んでから下げ足を加速している。安値は3万8000ドル台まであっ
た。
 ドルインデックスは底割れした。展開。直近は100ポイントの節目を一時割り込ん
だ。
【今年と来年の世界原油需要の伸び見通しを下方修正=米EIA】
 米エネルギー情報局(EIA)は10日、今年の原油・液体燃料の世界需要見通しの
伸びを日量90万バレルと、これまでの同120万バレルから下方修正した。来年も同
100万バレルと、これまでの同120万バレルから下方修正した。トランプ関税によ
る世界景気の減速懸念がその背景にあるという。
 14日にはOPEC月報、15日には国際エネルギー機関(IEA)月報が発表され
るが、同傾向の見通しが発表される可能性が高い。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である9月限は日替わりで乱高下しており、長い足で陽線と陰線を
繰り返している。水準的には5万5000円の節目を挟んだ乱高下の様相となってい
る。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル】
 ニューヨーク原油5月限は9日に55.12ドルの安値を付けたあと急反発して大陽
線を付けたが、10日にはボリンジャーバンドの—1シグマ(63.18ドル辺り)を
上値抵抗として、60ドルの節目辺りまで崩れて大陰線を付けた。

 ブレント原油6月限も同様の乱高下。9日に58.40ドルの安値を付けたあと急反
発して大陽線を付けた。しかし65ドルの節目が上値抵抗となる形で、10日には反落
して長めの陰線を付けた。


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