【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における4月 15日時点の大口投機家の売り越しは408万9941枚となり、前週の446万 9952枚から縮小した。取組高合計は4547万4798枚となり、前週から109 万8561枚(2.4%)減少した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が6.3%減、債券 合計が1.4%減、為替合計が0.2%減となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 4.1%減、エネルギー合計は3.6%減、金属合計は2.5%減となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で手じまい売りが買い戻 しを上回って売り越しを拡大、債券で買い戻しが手じまい売りを上回って売り越しを縮 小した。為替は新規買い、買い戻しが入って買い越し(ドル売り)を拡大した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、米中の貿易戦争激化や米半導体大手エヌビディアに対する規制を受けて先行 き懸念が高まったが、電子機器に対する相互関税が一時免除されたことや日米の関税交 渉開始を受けて期待感も残った。各国の交渉の行方を確認したい。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が17万1855枚買い越し(前週14万 7067枚買い越し)、ユーロは6万9280枚買い越し(同5万9980枚買い越 し)、英ポンドは6509枚買い越し(同1万7310枚買い越し)となった。ユーロ は新規買い、買い戻しが入って買い越しを拡大した。 商品市場では、原油が米国のイラン制裁強化や各国の関税交渉開始などを受けて堅調 となった。金は米中の貿易戦争激化や米半導体大手エヌビディアに対する規制を受けて 史上最高値を更新したのち、利食い売りが出て上げ一服となった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が14万6370枚買い越し(前 週13万9595枚買い越し)に拡大した。買い戻しが手じまい売りを上回った。ニュ ーヨーク金は20万2210枚買い越し(同20万0715枚買い越し)に拡大、ニュ ーヨーク・プラチナは6034枚買い越し(同794枚売り越し)に転じた。金は新規 買いが新規売りを上回り、プラチナは新規買い、買い戻しが入った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが23万4182枚買い越し(前週17万 2882枚買い越し)に拡大、大豆は5万0161枚買い越し(同1万6848枚売り 越し)に転じた。コーン、大豆ともに新規買い、買い戻しが入った。 前週のコーンは、利食い売りが出たが、米産地の生育不安が下支えになった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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