ダウ平均は続伸 米英が合意 トランプ会見で買い加速=米国株概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
NY株式8日(NY時間16:22)(日本時間05:22)
ダウ平均   41368.45(+254.48 +0.62%)
S&P500    5663.94(+32.66 +0.58%)
ナスダック   17928.14(+189.98 +1.07%)
CME日経平均先物 37550(大証終比:+410 +1.09%)

 きょうのNY株式市場でダウ平均は続伸。一時659ドル高まで上昇する場面も見られた。取引開始前に米英の貿易合意が成立と伝わっていたが、実際にトランプ大統領がホワイトハウスで正式に発表したことで、買いが加速した。協定の詳細については、今後数週間に渡り交渉が行われるという。

 なお、中国についても言及し、協議が順調に行けば、中国への関税引き下げも有り得るとの認識を示し、「良い週末になるだろう」と述べたことも買いに弾みを付けている。「株式はいまが買い時。パウエル議長が利下げすればジェット燃料のようになる」などとも述べていた。

 ストラテジストからは「7月9日の相互関税の期限切れ前に合意が成立する可能性が高まっている一方、政権が短期的に他の貿易相手国との合意を締結するための圧力を緩和する可能性がある」との声も出ていた。

 この先の米経済の予見される状況を考慮すれば、このまま米株式市場が回復軌道に回帰するシナリオには懐疑的な見方が多い。しかし、短期的には合意により、貿易協議への不透明感が払しょくされることを期待した値ごろ感の買い戻しが続く可能性も指摘されている。

 ソフトバンクG傘下で半導体設計の英アーム<ARM>が決算を受け下落。第1四半期の1株利益の見通しが予想を大きく下回ったことが嫌気されている。売上高見通しも予想を若干下回った。同社は、新ライセンス契約のタイミングを踏まえ、見通しを慎重に扱っているという。

 CNNやHBOなどを傘下に持つメディア大手のワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)が上昇。取引開始前に決算を発表し、冴えない内容ではあったものの、同社が事業分割の方向に進んでいると報じられたことで買いが強まっている。

 マーケティングと収益化の支援ソフトを手掛けるアップロビン<APP>が決算を受け大幅高。1株利益、売上高とも予想を上回った。売上高の80%近くを占める広告が堅調だった。第2四半期も広告は堅調な見通しを示している。

 サイバーセキュリティのフォーティネット<FTNT>が決算を受け下落。期待が高まっていた分、物足りない内容との受け止めのようだ。

 マリオット・バケーションズ<VAC>が決算を受け大幅高。通期の1株利益の見通しを上方修正した。

 ボーイング<BA>が上昇。トランプ大統領が英国との貿易合意を正式に発表した際に、英国がボーイングから100億ドル相当の航空機を購入することで合意したことを明らかにしたことが材料視された。

 オンライン中古車販売のカーバナ<CVNA>が決算を受け大幅高。1株利益、売上高とも予想を大きく上回った。過去最大の車両販売台数と投資家へのローン売却の大幅増により利益を倍増。

 量子コンピューティングのDウェーブ・クオンタム<QBTS>が決算を受け急伸。売上高が予想を上回ったほか、EBITDAの赤字も予想ほど膨らまなかった。

英アーム<ARM> 116.52(-7.67 -6.18%)
アップロビン<APP> 339.51(+36.05 +11.88%)
ワーナーブラザース・ディスカバリー<WBD> 9.01(+0.45 +5.26%)
フォーティネット<FTNT> 97.74(-8.98 -8.41%)
マリオット・バケーションズ<VAC> 64.32(+6.12 +10.52%)
ボーイング<BA> 191.70(+6.14 +3.31%)
カーバナ<CVNA> 285.53(+26.36 +10.17%)
Dウェーブ<QBTS> 10.42(+3.53 +51.23%)

アップル<AAPL> 197.49(+1.24 +0.63%)
マイクロソフト<MSFT> 438.17(+4.82 +1.11%)
アマゾン<AMZN> 192.08(+3.37 +1.79%)
アルファベットC<GOOG> 155.75(+2.95 +1.93%)
アルファベットA<GOOGL> 154.28(+2.90 +1.92%)
テスラ<TSLA> 284.82(+8.60 +3.11%)
エヌビディア<NVDA> 117.37(+0.31 +0.26%)
メタ<META> 598.01(+1.20 +0.20%)
AMD<AMD> 101.70(+1.34 +1.34%)
イーライリリー<LLY> 751.45(-25.27 -3.25%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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