【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における6月 17日時点の大口投機家の売り越しは450万1882枚となり、前週の512万 9670枚から縮小した。取組高合計は4769万0886枚となり、前週から47万 7752枚(1.0%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が9.9%増、債券 合計が2.3%増、為替合計が13.4%減となった。商品市場の取組高は、穀物合計 が微減、エネルギー合計は3.6%減、金属合計は4.0%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規売りが新規買いを 上回って売り越しを拡大、債券で新規買い、買い戻しが入って売り越しを縮小した。為 替は買い戻しが手じまい売りを上回って買い越し(ドル売り)を拡大した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、イスラエルとイランの戦闘が激化したが、イランが一部の湾岸諸国に対して 米大統領にイスラエルに対する停戦圧力を要請すると、リスク選好の動きが出た。ホワ イトハウスは20日、米大統領が今後2週間以内にイスラエルとイランの紛争に米国が 介入するかどうかを決定すると発表したが、米軍は21日、イスラエルの核施設3カ所 を空爆した。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が13万0877枚買い越し(前週14万 4595枚買い越し)、ユーロは10万1553枚買い越し(同9万3025枚買い越 し)、英ポンドは4万2857枚買い越し(同5万1634枚買い越し)となった。ユ ーロは新規買いが新規売りを上回って買い越しを拡大した。 商品市場では、原油がイスラエルとイランの戦闘が激化するなか、米国のイラン攻撃 に対する懸念を受けて堅調となった。金はイスラエルとイランの戦闘激化を受けて4月 22日以来の高値3450.97ドルを付けたのち、リスク選好の動きやドル高を受け て上げ一服となった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が23万1048枚買い越し(前 週19万1941枚買い越し)に拡大した。新規買い、買い戻しが入った。ニューヨー ク金は20万0648枚買い越し(同18万7481枚買い越し)に拡大、ニューヨー ク・プラチナは2万3227枚買い越し(同2万6979枚買い越し)に縮小した。金 は新規買いが新規売りを上回り、プラチナは手じまい売り、新規売りが出た。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが10万7244枚売り越し(前週9万 5494枚売り越し)、大豆は8万5223枚買い越し(同7万0396枚買い越し) に拡大した。コーンは手じまい売り、新規売りが出て、大豆は新規買い、買い戻しが入 った。前週のコーンは、米産地の降雨を受けて売り優勢となった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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