【これからの見通し】トランプ大統領の停戦発言に原油安・ドル安、パウエル議会証言についても言及

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】トランプ大統領の停戦発言に原油安・ドル安、パウエル議会証言についても言及

 きょうは(このところずっとだが)トランプ米大統領発言に市場が揺さぶられている。イスラエルとイランの停戦合意について言及したことで、一気に相場の歯車が逆回転している。有事のドル買いから、ドル売りに転じている。中東地政学リスクに反応しやすいことで知られる原油相場は急反落している。安全資産の金も売られている。ニュースに対してかなりストレートな値動きを示しているようだ。

 しかし、24時間以内にイスラエルとイランが正式に停戦合意を発表するのか、まだ待つ必要はありそうだ。誤解を恐れず言えば、好戦的なイスラエルとあって停戦やぶりの可能性も今後あるかもしれない。イラン核施設が完全に破壊されたのかどうか、現時点では調査に至ってはいない。いろいろな噂も流れやすいだろう。ひとまず、市場の有事モードが一服したことは確かか。

 きょうはパウエル米FRB議長が米下院金融サービス委員会で金融政策に関する半期に一度の議会証言を行う。直近の米FOMCでは、現在の政策スタンスは適切な位置にある、関税の影響を見極める必要がある、などとしていた。これに対して再びトランプ大統領の登場だ。再三再四、パウエル議長を遅すぎると批判、今後は議会に対して、頑ななパウエル議長にしっかりと対応することを要求している。トランプ氏にいわせれば頑固なパウエル氏のこと、利下げを見送っている理由を淡々と説明することが想定される。足元のドル売りが一服する可能性もありそうだ。

 この後の海外市場で発表される経済指標は、ドイツIfo景況感指数(6月)、ハンガリー中銀政策金利(6月)、カナダ消費者物価指数(CPI)(5月)、米経常収支(2025年 第1四半期)、米住宅価格指数(4月)、米S&Pケースシラー住宅価格(20都市)(4月)、米リッチモンド連銀製造業指数(6月)、米コンファレンスボード消費者信頼感指数(6月)などが予定されている。ドイツIfo景況感指数は88.0と前回の87.5からの上昇が見込まれている。米コンファレンスボード消費者信頼感指数も99.8と前回の98.0からの上昇が予想されている。

 発言イベント関連では、上記のパウエル証言のほかにも多く予定が組まれている。ベイリー英中銀総裁、グリーン英中銀委員、デギンドスECB副総裁、カジミール・スロバキア中銀総裁、ラガルドECB総裁、ハマック・クリーブランド連銀総裁、ラムスデン英中銀副総裁、レーンECBチーフエコノミスト、ピル英中銀チーフエコノミスト、ブリーデン英中銀副総裁、ウィリアムズNY連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、コリンズ・ボストン連銀総裁、バーFRB理事などの講演やイベント出席が目白押し。また、あすまでオランダでNATO首脳会議が開かれるが、トランプ米大統領が出席するとの情報もあった。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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