ドル円、145円台前半に伸び悩む ドルに対する弱気なセンチメントは根強い=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は145円台前半まで伸び悩む展開が見られた。本日の為替市場は一時ドル高が優勢となり、ドル円も146円台を試す動きも見られた。しかし、NY時間に入ってドル安の流れに戻り、146円台は回復せずに伸び悩んだ。 ドル高については、有事のドル高は後退しているものの、イスラエル、イランの停戦により、市場心理が月末の資金フローや今後発表の米経済指標に移っており、本日はドルショートの巻き戻しを活発化させていた模様。 ただ、オプション市場では、依然としてドルに対する弱気なセンチメントが継続しており、ドル安をヘッジしたポジションの構築が続いている。ストラテジストも、9月の利下げ期待を背景にドル安基調は続くとの見解を示しており、一部で期待されている7月利下げの可能性はさすがに小さいものの、秋以降は利下げ再開の見方は根強い。 ドル安志向は依然として根強いようだが、現在米上院で審議されている大型減税・歳出法案に伴う財政赤字への懸念、なお決着が見えていない貿易協議、そして今後発表される米経済指標が弱い可能性もドル安要因として警戒されるようだ。 ユーロドルは買い戻しが強まり、1.1665ドル付近に再び戻した。ユーロドルは現在1.17ドルに接近しているが、この水準は上昇の勢いを止める可能性もあれば、長らく投資家たちが目標としてきた1.20ドルへのさらなる上昇を引き起こす可能性もあるとの指摘が聞かれる。 1.17ドルを突破してその水準を維持すれば、1.20ドルに向けた展開も開けるが、現在の水準で止まった場合には利益確定や資金のリバランスが起こる可能性もあるという。 ユーロに対する強気姿勢が強まっており、年末までに1.20ドルに達するとの見方が広がっている。その背景には、ドルの広範な弱含みとFRBの利下げ期待がある。 ポンドドルは1.3670ドル近辺に上昇し、2022年1月以来の高値水準に上昇した。ポンドドルは再び21日線を上放れる展開が見られており、上昇トレンドを継続している。 英中銀は9月に、保有国債の縮小ペースを遅らせる形で量的引き締め(QT)プログラムの縮小を発表する可能性があるとの指摘が出ている。その場合、変更は10月から実施される見込みだという。前日のベイリー英中銀総裁の発言が、その可能性を示唆したとしている。総裁は「今年はQTに関する決定の方がより注目されるだろう」と述べていた。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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