ゴム週間見通し=上値の重さが意識される展開、為替動向がカギに

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週までのレビュー】ファンダメンタルズ面では、天然ゴムを積極的に買い進む材料
は乏しく、売り優勢の展開になるとみた。
【上値は限定的か】
 JPXゴムRSS3号は、ジリ高調の展開となっている。活発限月の11月限は19
日に310.0円まで水準を引き上げた後、20日には292.1円まで下落したが同
水準で支持されると、ジリジリと水準を引き上げ、27日には310円を上抜く場面も
あった。ただし、ファンダメンタルズに目を向けると、買い材料は依然として乏しく、
上値は徐々に重くなっていくとみられる。
 最近のJPXゴムRSS3号は、天然ゴム独自の材料に乏しい中、株価や為替相場の
値動きに追随する場面が増えている。直近の上昇は、この秋にも米連邦準備制度理事会
(FRB)が利下げを実施するとの思惑を背景とした株高に追随した動きとみる。た
だ、S&P500やナスダック総合株価指数が最高値に接近し、日経平均株価は1月2
7日以来の4万円台に乗せた。米国の利下げの思惑から株高の賞味期限は近い。
 その一方、為替市場では、利下げに加え、米国の財政赤字やトランプ政権への不信感
から長期的なドル売りが継続している。ユーロやポンドは、対ドルで2022年以来の
高値を付けた。ドル・円は、クロス円が堅調なことから、142−148円台のレンジ
相場となっているが、クロス円が崩れると、ドル円は同レンジから下放れする可能性が
ある。円高はJPXゴムRSS3号にとって弱材料となる。為替動向には注意しておき
たい。
【上海ゴム9月限は1万4000元の攻防】
 上海ゴムの中心限月の9月限は、1万4000元の攻防が続いている。6月4日に一
代の安値1万3295元を付けると、その後は、ジリジリと水準を引き上げ、18日に
節目の1万4000元を上抜くと、19日には1万4100元まで上昇した。1万40
00元超では売り物も多く、24日には1万3640元まで押し戻された。ただ、同水
準で支持されると、27日の午前には1万4130元まで上昇する場面があった。24
日の下落場面で12日の安値がある1万3565元を割り込まなかったことから、再び
地合いを引き締めている。積極的に買い進む材料はないが、突っ込んで売るほどの材料
にも乏しい。1万4000元を終値ベースでしっかり上抜くと、1万4500元付近ま
での戻りはあるとみる。
【東京ゴム活発限月の11月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の11月限は、ジリ高調の展開となっている。6月に入っ
てからの値動きをみると、上海安を受けて、6月3日に一代の安値となる280.0円
まで下落した。だがその後、戻り歩調となり、19日には310.0円まで水準を引き
上げた。同水準では戻り売りを浴び、20日に292.1円まで急落した。だが、同水
準で支持されると、ジリジリと水準を引き上げ、27日に311円台まで上昇し、19
日の高値を上抜いた。
 買い優勢となれば、現状、節目の320円まで特に目立った抵抗線が見当たらないこ
とから、節目の315円や一目均衡表の雲の上限がある320円台を意識して展開にな
るとみる。雲を突破すれば、5月27日の高値330.2円を目指すとみる。
 一方、売りが先行すれば、節目の300円付近が支持になる。同水準を割り込むと、
6月20日の安値292.1円や同月16日の安値288.6円が意識される。これら
を下抜くと、節目の285円や一代の安値280.0円が視野に入る。
【今週の注目ポイント】
 為替相場に注目したい。ゴム独自の材料に乏しい中、ドル・円の値動きの影響を受け
やすい地合いとなっている。現状、ドル・円は大きくみれば142−148円台のボッ
クスとなっている。ただ、主要通貨が対ドルで2022年以来の高値を付けるなど、ト
ランプ政権が発足後、ドル安基調が顕著になっている。ドル・円が円高方向に動きを強
まると、JPXゴムRSS3号にとって弱材料となる。
【相場予想レンジ】
6月30〜7月4日のJPXゴムRSS3号11月限の中心レンジ予想は280〜33
0円前後。テクニカルの支持線は300.0円(節目)、抵抗線は320.0円(節
目)。

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