<金> NY金12月限は7月22日から23日にかけて3500ドルを上抜いたが、その後 は続落して3400ドルを割り込み、3300ドル台前半での取引となっている。 日本・欧州連合(EU)といった主要国・地域との間で通商協議が合意に至ったこと で米トランプ政権による関税政策が経済に与える影響に対する警戒感が後退したことが 背景となっている。 米相互関税は日本に続き欧州連合(EU)も15%で合意に至り、当初通達されてい た関税率を下回る税率での合意が関税引き上げによる影響に対する警戒感を和らげたこ とがNY金軟化の主因となった。 ただ、8月1日からはこれまで停止されていた相互関税の上乗せ分が発動されるた め、今後は米国のインフレ加速化が警戒される。インフレが加速化しても、それを吸収 できるほど米国の個人消費意欲に底固さがあればインフレ加速化が米経済に与える影響 に対する懸念は後退すると見られるが、6月の米雇用動態調査(JOLTS)で求人件 数は前月から27万5000件減少した743万7000件にとどまったことが明らか になるなど、雇用情勢が軟化傾向にある。 特に、今回発表された雇用動態調査では飲食・宿泊などのサービス部門での求人件数 の減少が伝えられていることが懸念される。 サービス部門での求人件数の減少はこれまで輸入物価の上昇を窮するするためにサー ビス料金を引き下げられてきた影響や、上昇する物価に対応するために生活必需品へと 消費が絞られている可能性が窺われる。8月1日には米7月の雇用統計が発表される が、米輸入関税引き上げ分を消化できるほどの力強さを保てる状況にあるかを確認する ためにも、雇用者数の増減に加え、賃金上昇率などが注目される。 今後の米個人消費の動向や雇用情勢の状況が注目されるとはいえ、米関税引き上げの 影響は次第に米経済への影響を強めていくことが予想されるため、安全資産を求める動 きは根強くNY金は12月限は3300ドル台を維持する底固い動きが続くと予想され る。 <銀> NY銀9月限は今月23日に3991セントの高値を付けた後に反落。31日に7月 2日以来の安値となる3628セントまで値を崩した。米国と主要国・地域との関税交 渉が合意に至り、NY金が手じまい売りで軟化につれ安となった。金との相関性が強 く、金12月限が3300ドル台維持なら、3600セント台前半で下げ止まるはず。 <白金> NY白金10月限は21日にかけて大きく上昇し1511.4ドルまで値を伸ばした が、その後、反落に転じると値位置を切り下げる足取りが続いている。依然として世界 的な供給不足に対する警戒感は根強いが、米国と主要国・地域の間で関税協議が合意に 至ったことが世界景気不安懸念を後退させNY金が軟化に転じたことに追随する動きと なっている。金には安全資産を求める動きが見られ、下値の堅い動きが続く一方、白金 は需要面に左右されやすい。7月30、31日に1300ドル割れを試す下落。ドル 高、金安の動きが続くと、1250〜1270ドルまでの下げ余地があると予想。 <パラジウム> NYパラジウム9月限は7月18日に値を落とした後は1300ドルを上値抵抗線に してのもちあいが続いている。NY金、プラチナに追随した動きだ。NY金が下値堅く 推移しており、今後、貴金属市況全体井が下値堅く推移なら、同値圏での高下が続くと 見られる。 MINKABU PRESS
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