CFTC大口投機資金動向(7/29時点):原油買いが拡大

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【概略】
 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における7月
29日時点の大口投機家の売り越しは483万5004枚となり、前週の449万
5830枚から拡大した。取組高合計は4819万6006枚となり、前週から47万
5710枚(1.0%)増加した。
 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が2.0%増、債券
合計が1.3%増、為替合計が0.8%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が
1.0%増、エネルギー合計は0.3%増、金属合計は5.0%減となった。
 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規買いが新規売りを
上回って売り越しを縮小、債券で新規売りが新規買いを上回って売り越しを拡大した。
為替は手じまい売り、新規売りが出て買い越し(ドル売り)を縮小した。

【現在の市場テーマと大口投機家の動向】
 前週は、米国と欧州連合(EU)の関税合意を受けて貿易に対する楽観的な見方が強
まった。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利据え置きが決定されたが、
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の慎重な発言を受けて早期利下げ観測が後退
した。ただ7月の米雇用統計が予想以下となり、9月利下げの見方が戻った。
 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が8万9243枚買い越し(前週10万
6645枚買い越し)、ユーロは12万3359枚買い越し(同12万5515枚買い
越し)、英ポンドは1万2028枚売り越し(同570枚買い越し)となった。ユーロ
は新規売りが新規買いを上回って買い越しを縮小した。

 商品市場では、原油が米国のロシア制裁に対する懸念を受けて6月23日以来の高値
70.51ドルを付けたのち、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測後退や予
想以下の米雇用統計を受けて上げ一服となった。金は米国と欧州連合(EU)の関税合
意や米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測後退が圧迫要因になったが、予想以
下の米雇用統計を受けて急伸した。
 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が15万6023枚買い越し(前
週15万3331枚買い越し)に拡大した。新規買いが新規売りを上回った。ニューヨ
ーク金は22万3596枚買い越し(同25万3038枚買い越し)、ニューヨーク・
プラチナは2万0568枚買い越し(同2万0675枚買い越し)に縮小した。金、プ
ラチナともに手じまい売りが買い戻しを上回った。

 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが13万3467枚売り越し(前週13万
3883枚売り越し)に縮小、大豆は1万0784枚売り越し(同3万6033枚買い
越し)に転じた。コーンは新規買いが新規売りを上回り、大豆は手じまい売り、新規委
売りが出た。前週のコーンは、豊作見通しを受けて売り優勢となった。
MINKABU PRESS 東海林勇行

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