<金> NY金12月限は7月下旬に3300ドル台前半まで値を落とした後は浮上に転じ、 8月7日に3483.8ドルまで値を伸ばした後、終値ベースで3482.7ドルとな り、7月23日以来の高値となった。 米雇用情勢の軟化が明らかとなったことで相互関税上乗せ分の発動に伴うインフレ加 速化を消化できないとの見方が強まると同時に、米経済の先行き不透明感が高まったこ とで逃避買い需要が再び膨らんでいる。 米雇用統計で7月の非農業部門雇用者数の増加幅は事前予想の11万人を下回る7万 3000人にとどまったうえ、5月分は前回発表の14万4000人から1万9000 人へ、 6月は14万7000人から1万4000人へと大きく引き下げられており、 米雇用情勢の軟化はトランプ政権による関税引き上げが本格化した直後から開始してい た可能性が示されている。 このところ発表された米経済指標は弱気な内容が続いているが、相互関税の上乗せ分 が発動される前にもかかわらず関税が関連する分野を中心に弱含んでいるため、相互関 税発動後は米経済への関税引き上げの影響が強まると予想される。 すでに9月公開市場委員会(FOMC)での利下げを見込む比率は90%台に達して おり、9月利下げは概ね織り込まれた感がある。 米経済の先行き不安とこれを受けた利下げ観測が買い支援要因となり、NY金12月 限は引き続き3400ドル台で高下するとみる。 <銀> NY銀9月限は8月に入ってから続伸となり8月7日の取引では3876セントまで 値を伸ばしたうえ、終値ベースでも3853セントを記録し7月23日以来の高水準に 達している。 金との連動性から浮上しているものの、米経済不安とこれを受けた工業用需要の減退 懸念が重石となり、ここから先の上げ余地は限られるなか高もみへのシフトが見込まれ る。 <白金> NY白金10月限は7月30日に大きく値を崩して一時は1300ドルを割り込む動 きを見せた。その後は1300ドルを下値支持線にしながらも1350ドル前後に近づ くと上値が重くなる動きが続いている。 6月上旬の1100ドル前後から7月下旬には1500ドル台まで値を伸ばした後で 上げ一服感が強まったと見られる。高止まりが見込まれる金に連動して1300ドル台 前半での往来継続を予想。 <パラジウム> パラジウム9月限は7月下旬以降、下値を探る動きが続いていた。上昇する白金に連 動して浮上した後に転売が入って値を落としたが、今月6日の取引で1142.50ド ルまで値を落としたことで下げ一服感が強まったと見られる。 独自の要因に乏しいだけに上値は重く1200ドルを上値抵抗線にしての高下が見込 まれる。 MINKABU PRESS
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