ゴム週間見通し=もみ合い継続、産地主導の下落リスクに警戒

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 【前週までのレビュー】直近の上昇に対する調整安場面が続くとみた。また、ファン
ダメンタルズからの強材料がみられないとも売りを誘うとした。
【レンジ相場形成】
 JPXゴムRSS3号は、概ね315〜325円前後でのレンジ相場を形成しつつあ
る。活発限月の1月限は、6日に324.9円まで上昇した。同水準で上値を抑えられ
ると、一転して売りが先行し、7日に一時305.3円まで急落した。だが、すぐに買
い拾われると318円台に戻した。現時点では、ファンダメンタルズ面において上値を
追って買うような材料は乏しい。その一方、積極的に売り込むような材料もない。目
先、315〜325円からのレンジ相場となりそうだ。ただ、産地価格が徐々に下落し
ていることには注意したい。
【産地相場が軟化】
 産地相場は、レンジ相場の下限から下放れつつある。8月7日のタイ南部の天然ゴム
主要積み出し港のソンクラ渡しのオファー価格は、70.64バーツが提示されてい
る。タイオファーは、6月6日以降、72〜73バーツ台を中心としたレンジ相場とな
っていた。だが、8月1日に71バーツ台に下落すると、翌営業日の4日には70バー
ツ台に下落し、その後も70〜71バーツ台が提示されている。オファー価格の下落
は、需要減退の兆候と捉えられる。産地主導のゴム相場下落の可能性が出てきた。
【上海ゴム9月限は反発場面】
 上海ゴムの中心限月の1月限は、反発場面となっている。中心限月の1月限は、7月
28日に1万6425元まで上昇した。同水準では戻り売りを浴び、6営業日連続の陰
線となると、8月4日に1万5075元まで下落した。だが、一目均衡表の雲の上限が
支持となり、反発を開始すると、7日に1万5645元まで上昇した。目先、終値ベー
スで節目の1万5500元を突破できるかに注目したい。これに成功すれば、節目の
1万6000元や7月28日の高値1万6425元を目指すとみる。
【東京ゴム活発限月の1月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の1月限は、もみ合いとなっている。7月中旬からの値動
きを確認すると、上海高などを背景に7月28日には334.6円まで上昇した。た
だ、同水準で上値が抑えられると、それまで上昇の反動から、売りが先行、8月1日に
は312.2円まで下落した。6日に324.9円まで戻したが、325円の手前では
戻り売りを浴び、7日に薄商いの中、305.3円まで急落、だが、すぐに戻すとそ
の後は315〜320前後で取引されている。
 売りが先行すれば節目の310円が最初の支持になる。同水準を割り込むと、7日の
安値305.3円や節目の300円を意識した展開になる。一方、買い優勢となれば、
節目の325.0円がポイントになりそうだ。同水準を突破すれば、節目の330円や
7月28日の高値334.6円を意識した展開になりそうだ。
【今週の注目ポイント】
 米国の経済指標に注目したい。ゴム独自の材料に乏しい中、株式市場の影響を受けや
すい状況となっている。12日には7月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。
同指標がインフレ率の低下を示せば、利下げ期待が高まり株高となれば、JPXゴムR
SS3号にとって支援材料になるだろう。
【相場予想レンジ】
 8月11〜15日のJPXゴムRSS3号1月限の中心レンジ予想は305〜335
円前後。テクニカルの支持線は310円(節目)、抵抗線は325円(節目)。
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