[8月11日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2026 年 6 月限 8 月 4 日〜 8 月 8 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 16,057 16,210 ( 6) 16,035 ( 4) 16,185 +104 銀 175.0 180.0 ( 8) 174.6 ( 4) 180.0 +4.0 プラチナ 5,814 5,936 ( 5) 5,686 ( 4) 5,820 -56 パラジウム 5,700 5,700 ( 4) 5,500 ( 7) 5,500 -400 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 8 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 (12) 3,491.3 +91.5 | ドル・円 147.41 3.20 円高 銀 ( 9) 3,854.2 +161.3 | 日経平均 41,820.48 +1020.88 プラチナ (10) 1,339.6 +22.7 | NY原油 ( 9) 63.88 -3.45 パラジウム ( 9) 1,143.40 -74.70 |* ドル・円は15時45分現在、原油は 8日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前回のレビュー】 金は米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測後退が圧迫要因、とした。 金は弱気の米経済指標を受けて米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が戻っ たことなどを受けて買い優勢となった。現物相場は7月23日以来の、高値 3404.93ドルを付けた。金先限は7月24日以来の高値1万6210円を付け た。 7月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は7万3000人増加した。事前予 想は11万人増。伸びが予想以上に鈍化したことに加え、過去2カ月分の雇用者数が計 25万8000人下方修正された。米連邦準備理事会(FRB)の9月利下げ観測が戻 った。7月の米ISM非製造業総合指数は50.1と、前月の50.8から予想外に低 下した。事前予想は51.5。投入コストが約3年ぶりの大幅上昇となった一方、受注 はほぼ横ばい、雇用は一段と軟化し、米関税政策の不確実性による影響が浮き彫りにな った。米新規失業保険申請件数は7000件増加し、22万6000件となった。事前 予想の22万1000件を上回り、1カ月ぶりの高水準となった。CMEのフェドウォ ッチで、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)利 下げの確率は92.7%(前週37.7%)となった。 米連邦準備理事会(FRB)は、クーグラー理事が8日付で退任すると発表した。任 期は来年1月までだった。米大統領は、パウエル米FRB議長が利下げを拒否し続ける なら、理事会が主導権を握るべきだと主張した。米大統領は米FRB理事にミラン大統 領経済諮問委員会(CEA)委員長を指名した。ミラン氏が就任するには、上院の承認 が必要となる。また米大統領は労働省労働統計局局長を解任した。政治的な理由で雇用 統計を操作したと非難した。米FRBや経済指標の独立性が脅かされていることはドル 安要因になる。 【金ETF残高は増加】 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は7日時点で 1146.46トンとなり、前週末比6.09トン増加した。米国で6.01トン、英 GBSで0.03トン、英ETFSで0.02トン、オーストラリアで0.16トン増 加、南アで0.12トン減少した。米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が戻 ったことや米国の相互関税発動受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員 会(CFTC)の建玉明細報告によると、7月29日時点のニューヨーク金の大口投機 家の買い越しは22万3596枚となり、前週の25万3038枚から縮小した。今回 は手じまい売りが3万0708枚、買い戻しが1266枚入り、2万9442枚買い越 し幅を縮小した。 トランプ米大統領は、原子力潜水艦2隻を適切な海域に配備するよう命じたと明らか にした。ロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長の「愚かで扇動的な発言」の脅威 に対応するためとした。米政権は、ロシアのプーチン大統領が8日までにウクライナと の停戦に応じなければ、ロシアの影の船団(シャドーフリート)とされる石油タンカー に対する追加制裁を検討している。ウクライナのゼレンスキー大統領は、米大統領と電 話会談を行い、ロシアを訪問した米政権のウィットコフ特使について協議したと明らか にした。欧州諸国の首脳もこの電話会談に参加したという。ロシア大統領府はプーチン 大統領と米大統領が今後数日以内に首脳会談を行うと発表した。一方、イスラエルのネ タニヤフ首相は、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ全域を軍事的に支配する意向と改 めて表明した。イスラム組織ハマスはネタニヤフ氏が示した計画は、停戦交渉を実施し ている中での「クーデター」に相当するとし、個人的な利益のために人質を犠牲にする ものだと非難した。 シティーグループのリポートで、今後3カ月の金価格の見通しを3300ドルから 3500ドル、レンジ見通しを3100〜3500ドルから、3300〜3600ドル に上方修正した。シティは「米経済成長と米関税政策を受けたインフレを巡る懸念は、 2025年後半も高まったままだ。これらの要因に加えてドル安も重なり、金相場は緩 やかに上昇し、最高値を更新する可能性が高い」とした。 【銀はドル安や金堅調が支援】 銀の現物相場はドル安や金堅調を受けて押し目を買われ、7月25日以来の高値 38.48ドルを付けた。予想以下の米雇用統計を受けて米連邦準備理事会(FRB) の9月利下げ観測が戻ったことに加え、米大統領が米FRB理事にミラン大統領経済諮 問委員会(CEA)委員長を指名したことを受けてドル安に振れた。ただ米国の相互関 税発動でサプライチェーン(供給網)やインフレへの影響を確認したい。 7日のニューヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比55.61トン 増の1万5112.28トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建 玉明細報告によると、7月29日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは5万 9407枚となり、前週の6万0620枚から縮小した。手じまい売りが買い戻しを上 回った。 当面の予定(イベント・経済統計) 11日 ●山の日 12日 政策金利公表(オーストラリア準備銀行) 英雇用統計 2025年7月(国立統計局) 独景況感指数 2025年8月(ZEW) 米消費者物価指数 2025年7月(労働省) 米財政収支 2025年7月(財務省) 13日 企業物価指数 2025年7月(日本銀行) 独消費者物価指数 2025年7月確報(連邦統計庁) 14日 英国内総生産速報値 2025年4-6月期(国立統計局) 英貿易収支 2025年6月(国立統計局) 英鉱工業生産指数 2025年6月(国立統計局) ユーロ圏域内総生産 2025年4-6月期改定(EUROSTAT) ユーロ圏鉱工業生産 2025年6月(EUROSTAT) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米生産者物価指数 2025年7月(労働省) 15日 ●フランス(聖母昇天祭) 国内総生産 2025年4-6月期1次速報 (内閣府) 中国住宅価格指数 2025年7月(国家統計局) 中国小売売上高 2025年7月(国家統計局) 中国鉱工業生産 2025年7月(国家統計局) 米小売売上高 2025年7月(商務省) 米輸出入物価指数 2025年7月(労働省) 米製造業景況指数 2025年8月(ニューヨーク連銀) 米鉱工業生産・設備稼働率 2025年7月(FRB) 米企業在庫 2025年6月(商務省) 米消費者信頼感指数 2025年8月速報値(ミシガン大) 対米証券投資 2025年6月(財務省) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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