【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における8月5 日時点の大口投機家の売り越しは536万0190枚となり、前週の483万5004 枚から拡大した。取組高合計は4876万7197枚となり、前週から57万1191 枚(1.2%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が1.6%減、債券 合計が1.5%増、為替合計が0.9%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 1.8%増、エネルギー合計は1.1%増、金属合計は4.6%減となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で買い戻しが手じまい売 りを上回って売り越しを縮小、債券で手じまい売り、新規売りが出て売り越しを拡大し た。為替は手じまい売り、新規売りが出て買い越し(ドル売り)を縮小した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、弱気の米経済指標を受けて米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が 戻った。またクーグラー米FRB理事の後任にミラン大統領経済諮問委員会(CEA) 委員長が指名された。一方、ウクライナ停戦に関して、米ロ首脳会談が行われる見通し となった。米国の相互関税が発動され、当面はサプライチェーン(供給網)やインフレ への影響を確認したい。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が8万2006枚買い越し(前週8万9243 枚買い越し)、ユーロは11万5959枚買い越し(同12万3359枚買い越し)、 英ポンドは3万3303枚売り越し(同1万2028枚売り越し)となった。ユーロは 手じまい売り、新規売りが出て買い越しを縮小した。 商品市場では、原油がウクライナ停戦で米ロ首脳会談が開かれる見通しとなったこと を受けて売り優勢となり、6月5日以来の安値62.77ドルを付けた。金は米連邦準 備理事会(FRB)の早期利下げ観測に加え、米国がスイスの金塊輸入に関税を課すと したことを受けて買い優勢となった。ただホワイトハイスは金関税の誤情報を正す大統 領令を発表するとした。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が14万1829枚買い越し(前 週15万6023枚買い越し)に縮小した。手じまい売り、新規売りが出た。ニューヨ ーク金は23万7050枚買い越し(同22万3596枚買い越し)に拡大、ニューヨ ーク・プラチナは1万6662枚買い越し(同2万0568枚買い越し)に縮小した。 金は新規買い、買い戻しが入り、プラチナは手じまい売りが買い戻しを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが10万7968枚売り越し(前週13万 3467枚売り越し)に縮小、大豆は3万9160枚売り越し(同1万0784枚売り 越し)に拡大した。コーンは新規買い、買い戻しが入り、大豆は手じまい売り、新規委 売りが出た。前週のコーンは、豊作見通しを受けて売り優勢となった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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