[今日の視点]貴金属=続伸、現物高と円安で

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、続伸して寄り付く見通し。金と銀はドル建て現物相場の上昇と円安を受け
て買い優勢となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナがニューヨーク高と円安
を受けて堅調となろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は2.22ドル高の
3339.96ドル、銀が28セント高の3812セント、プラチナが20.20ドル
高の1351.00ドル、パラジウムは6.49ドル高の1113.93ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=148.33/34円で、前営業日の
大引け時点から0.77円の円安。
 先限の寄り付き目安は、金が1万6060円前後、銀は180.0円前後、プラチナ
は5930円前後、パラジウムは5300円前後。
【NY金は米製造業PMIの上昇が圧迫】
 金はきのうの海外市場は、米製造業購買担当者景気指数(PMI)の上昇を受けて売
り優勢となった。
 金は米製造業購買担当者景気指数(PMI)の上昇が圧迫要因になった。8月の米総
合PMI速報値は55.4と、前月の55.1から上昇し、昨年12月以来の高水準と
なった。製造業PMIは53.3と、前月の49.8から大幅に上昇し、2022年5
月以来の高水準となった。
 今夜のジャクソンホール会議でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が焦
点である。慎重姿勢が示されるとみられているが、利下げの可能性が示されても、市場
で利下げを織り込んでおり、大きく反応することはないとの見方が出ている。
 ロシアのプーチン大統領はウクライナとの和平を巡り、ロシアと国境を接するウクラ
イナ東部の「ドンバス地方」全域の割譲のほか、北大西洋条約機構(NATO)加盟の
断念とウクライナの中立化、西側諸国の軍隊の国外退去を要求している。欧米のウクラ
イナの安全保証の協議が続いており、両者の主張は平行線となっている。ウクライナの
ゼレンスキー大統領は、ロシアがウクライナに対する大規模な攻撃を行ったことは、ロ
シアが和平に向けた交渉を回避し、戦争を終わらせる意思がないことを示していると非
難した。
 銀はきのうの海外市場は、押し目を買われたが、米連邦準備理事会(FRB)の利下
げ観測の後退に上値を抑えられた。
【プラチナは米製造業PMIの上昇で買い戻される】
 プラチナはきのうの海外市場では、米製造業購買担当者景気指数(PMI)の上昇を
受けて買い優勢となった。
 プラチナは米製造業購買担当者景気指数(PMI)の上昇が支援要因になった。8月
の米製造業PMIは53.3と、前月の49.8から大幅に上昇し、2022年5月以
来の高水準となった。8月のHCOBユーロ圏総合PMI速報値は51.1。7月の
50.9から上昇し、2024年5月以来の高水準となった。市場では50.7への悪
化が予想されていた。欧米の好調な製造業を受けてプラチナに買い戻しが入った。
<今日の予定>
・消費者物価指数 2025年7月(総務省)
・独国内総生産 2025年4-6月期確報(連邦統計庁)
・英小売売上高 2025年7月(国立統計局)
・建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。