株価指数先物【寄り前】 エヌビディアショックは限定的で押し目待ち狙いのロング

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 42450 -50 (-0.11%)
TOPIX先物 3064.5 -3.5 (-0.11%)
シカゴ日経平均先物 42565 +65
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 27日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。取引終了後にエヌビディアの決算を控えて様子見ムードが強かったが、相対的に出遅れている銘柄などが買われた。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合について金利変更の可能性に言及した、と伝えられたことを材料視する動きもみられた。

 S&P500業種別指数はエネルギー、電気通信サービス、ソフトウエア・サービスが上昇した一方で、自動車・同部品、運輸、メディアが下落した。NYダウ構成銘柄では、セールスフォース、シェブロン、ユナイテッドヘルス・グループ、マイクロソフトが買われた。半面、メルク、ナイキ、ハネウェル・インターナショナル、アムジェンが軟調。

 シカゴ日経平均先物清算値は大阪比65円高の4万2565円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比30円安の4万2470円で始まった。直後につけた4万2330円を安値に下げ渋り、4万2360円から4万2470円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にプラス圏を回復し、終盤にかけて4万2590円まで買われた。ただし、終了間際に4万2360円まで軟化するなど荒い値動きとなり、4万2450円でナイトセッションの取引を終えている。

 エヌビディアの8~10月期の売上高は約540億ドル前後の見通しであり、市場予想と同水準だった。ただ、一部のアナリストの予想に届かなかったことで、AI投資が鈍化しているとの懸念につながり、時間外取引では3%ほど下落して推移している。

 この影響により、日経225先物はやや売りが先行して始まりそうだ。もっとも、エヌビディアは決算を受けて大きく動くとの見方は織り込まれており、3%程度の下落であれば過度に警戒する流れにはならないだろう。

 そのため、売りが先行したとしても現在のボリンジャーバンドの+1σ(4万3020円)と中心値である25日移動平均線(4万1990円)とのレンジ内での推移は継続するとみる。オプション権利行使価格の4万2500円を挟んだ上下の権利行使価格となる4万2250円から4万2750円辺りのレンジを想定する。朝方に下へのバイアスが強まるようであれば、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうだ。

 もっとも、29日には米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視しているPCEコア価格指数の発表を控えている。9月の利下げ観測は根強いが、指標の内容を受けて利下げ期待が後退する可能性もあるため、積極的なロングは手控えられやすいだろう。4万2500円処で上値の重さが意識されてくるようだと、短期的には戻り待ち狙いのショートが入りやすいとみられる。また、米国市場でのエヌビディアの決算反応を見極めたいとして、グローベックスの米株先物の動向に振らされやすいだろう。

 27日の米VIX指数は14.85(26日は14.62)に上昇した。15.23まで上げる場面もみられたが、エヌビディアの決算待ちのなかで小動きだった。依然としてボトム圏での推移が続いているため、リスク選好の状況とみておきたい。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.85倍に上昇した。13.79倍と-1σ(13.78倍)を上回って始まり、75日線(13.85倍)を捉えてきた。同線が抵抗線として意識されやすく、NTショートに向かわせそうだ。ただし、エヌビディアの時間外での下落の影響が限定的であれば、指数インパクトの大きい値がさハイテク株はアク抜けが意識されやすく、NTショートを巻き戻す動きが強まる可能性がありそうだ。

株探ニュース

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