【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における9月9 日時点の大口投機家の売り越しは516万0574枚となり、前週の518万9645 枚から縮小した。取組高合計は5082万4199枚となり、前週から128万 9921枚(2.6%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が2.8%増、債券 合計が2.4%増、為替合計が11.3%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計 が2.5%増、エネルギー合計は0.1%増、金属合計は3.6%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式・債券で新規買いが新規 売りを上回って売り越しを縮小した。為替は新規買い、買い戻しhが入って買い越し (ドル売り)を拡大した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、米雇用者数の年次改定で下方修正され、労働市場の減速に対する懸念が高ま った。米消費者物価指数(CPI)の伸びが加速したが、今週の米連邦公開市場委員会 (FOMC)では25ベーシスポイント(bp)利下げが見込まれている。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が9万1643枚買い越し(前週7万3258 枚買い越し)、ユーロは12万5677枚買い越し(同11万9592枚買い越し)、 英ポンドは3万3605枚売り越し(同3万3140枚売り越し)となった。ユーロは 新規買い、買い戻しが入って買い越しを拡大した。 商品市場では、原油がロシアのドローンがポーランドを領空侵犯したことと国際エネ ルギー機関(IEA)の供給過剰見通しを受け、もみ合いとなった。金は米連邦準備理 事会(FRB)の利下げ見通しを受けて史上最高値を更新したのち、上げ一服となっ た。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が8万1844枚買い越し(前週 10万2428枚買い越し)に縮小した。手じまい売り、新規売りが出た。ニューヨー ク金は26万1740枚買い越し(同24万9530枚買い越し)に拡大、ニューヨー ク・プラチナは1万4356枚買い越し(同1万6998枚買い越し)に縮小した。金 は新規買い、買い戻しが入り、プラチナは新規売りが新規買いを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが5万4244枚売り越し(前週5万2455 枚売り越し)に拡大、大豆は8323枚買い越し(同2万1420枚買い越し)に縮小 した。コーンは手じまい売りが買い戻しを上回り、大豆は手じまい売り、新規売りが出 た。前週のコーンは、米国の収穫進展とドル安を受け、もみ合いとなった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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