好調続く企業業績が上昇相場を下支え (2) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】

配信元:株探
著者:Kabutan
●インデックスの動き

 ○9月は、企業業績、関税、9月(実施済み)/10月/12月の0.25%の利下げに対する確信の高まりが、金融面のニュースと市場で最大の関心事となりました。複数のFRB理事の交代の可能性も注目を集めました。企業利益は引き続き予想を上回っており、第2四半期は過去最高を更新する見通しです。一部の小売り企業は2025年の通期ガイダンスを引き上げています。2025年下半期の業績予想も底堅く、やはり過去最高を更新すると予想されています。第2四半期の売上高も予想(または非公式の予想)を大幅に上回っており、四半期ベースで過去最高を更新する見通しです。関税の企業利益への影響は全体として限定的と見られ、企業は関税コストの大部分を吸収していますが、多くの企業が、将来的に値上げを通じて顧客にコストを転嫁する意向を表明しています。

 ○9月にS&P500指数 は3.53%上昇しました(配当込みのトータルリターンはプラス3.65%)。8月は1.91%上昇(同プラス2.03%)、7月は2.17%上昇(同プラス2.24%)、6月は4.96%上昇(同プラス5.09%)でした。第3四半期の過去3ヵ月では7.79%上昇(同プラス8.12%)、年初来では13.72%上昇(同プラス14.83%)、2025年9月末までの1年間では16.07%上昇(同プラス17.60%)となりました。2024年通年では23.31%上昇(同プラス25.02%)、2023年は24.23%上昇(同プラス26.29%)、2022年は19.44%下落(同マイナス18.11%)でした。

 ○マグニフィセント・セブン(エヌビディア、マイクロソフト、アップル、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、テスラで構成され、S&P500指数の時価総額の34.5%を占める)は、2025年9月のS&P500指数のトータルリターンの64%を占め、7銘柄を除くと同指数のトータルリターン(3.65%)は1.33%でした。2025年4月8日に付けた直近安値からのトータルリターンでは指数全体の48%を占め、7銘柄を除くと同指数のトータルリターン(35.07%)は18.28%でした。年初来のトータルリターンでは指数全体の41%を占め、7銘柄を除くと同指数のトータルリターン(14.83%)は8.69%でした。

 ○9月の市場は終値での最高値を8回更新しましたが(終値での最高値更新は年初来で28回、2024年11月5日の米大統領選挙以降では38回)、値下がり銘柄数が増加して値上がり銘柄数を上回り、248銘柄が値上がりし、255銘柄が値下がりしました。8月は337銘柄が値上がり、168銘柄が値下がり、7月は279銘柄が値上がり、222銘柄が値下がりとなりました。過去3ヵ月(第3四半期)では311銘柄が値上がり、192銘柄が値下がり、年初来では314銘柄が値上がり、189銘柄が値下がりとなりました。2024年は332銘柄が値上がり、169銘柄が値下がりしました。9月は21営業日のうち13営業日で上昇し(8月は21営業日のうち10営業日で上昇)、1%以上変動した日はありませんでした(8月は4営業日で1%以上変動し、そのうち3営業日が上昇、1営業日が下落)。年初来では43営業日で1%以上変動(21営業日が上昇、22営業日が下落)しています。2024年は50営業日で1%以上変動しました(31営業日が上昇、19営業日が下落)。9月は11セクターのうち、7セクターが上昇しました(8月は11セクターのうち9セクターが上昇)。

 ○S&P500指数の時価総額は2兆2690億ドル増加して(8月は1兆400億ドル増加)、57兆460億ドルとなり、年初来では7兆2420億ドルの増加となりました。2024年に時価総額は9兆7660億ドル増加、2023年は7兆9060億ドル増加、2022年は8兆2240億ドル減少しました。

 ○9月の日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は0.69%となり、8月の0.77%から低下しました(7月は0.63%、6月は0.83%、5月は1.09%、4月は3.21%、3月は1.71%、2月は1.09%、1月は0.91%)。年初来では1.23%となりました。2024年通年は0.91%、2023年は1.04%、2022年は1.83%、2021年は0.97%、2020年は1.51%でした(長期平均は1.41%)。

 ○9月の出来高は前月比15%増加(営業日数調整後)しました。8月は同9%減少でした。前年同月比では37%増加となりました。2025年9月までの12ヵ月間では前年比24%増加しました。2024年通年では前年比2%減、2023年は同1%減、2022年は同6%増でした。

 9月は21営業日中1%以上変動した日はありませんでした。8月は21営業日中1%以上変動した日は4日ありました(上昇が3日、下落が1日)。2%以上変動した日もありませんでした。年初来では、1%以上変動した日数は186営業日中43日(上昇が21日、下落が22日)、2%以上変動した日数は12日(上昇が6日、下落が6日)となりました。2024年通年では、1%以上変動した日数は50日(上昇が31日、下落が19日)、2%以上変動した日数は7日(上昇が3日、下落が4日)でした。

 ○9月は21営業日中2日で日中の変動率が1%以上となり、2%以上変動した日はありませんでした。8月は21営業日中4日で日中の変動率が1%以上となり、2%以上変動した日はありませんでした。年初来では日中変動率が1%以上となったのは85日、日中変動率が2%以上となったのは22日、日中変動率が3%以上となったのは7日でした(2025年3月9日には日中変動率が7%を超えました)。2024年通年では、日中変動率が1%以上となったのは83日、日中変動率が2%以上となったのは11日でした。2023年は日中変動率が1%以上となったのは113日、日中変動率が2%以上となったのは13日でした。

 過去の実績を見ると、9月は44.9%の確率で上昇し、上昇した月の平均上昇率は3.23%、下落した月の平均下落率は4.70%、全体の平均騰落率は1.09%の下落(月間としては最もパフォーマンスが悪い月)となっています。2025年9月のS&P500指数は3.53%の上昇でした。

 10月は56.1%の確率で上昇し、上昇した月の平均上昇率は4.25%、下落した月の平均下落率は4.52%、全体の平均騰落率は0.50%の下落となっています。

 ダウ・ジョーンズ工業株価平均(ダウ平均)は4万6397.89ドル(終値での過去最高値)で月を終えました。9月には終値での最高値を6回更新し(年初来で8回、4万6397.89ドル)、8月の終値4万5544.88ドルから1.87%上昇(配当込みのトータルリターンはプラス2.00%)しました。8月には終値での最高値を2回更新し、7月の終値4万4130.98ドル(0.08%上昇、配当込みのトータルリターンはプラス0.16%)からは3.20%上昇(配当込みのトータルリターンはプラス3.42%)しています。2025年第3四半期の3ヵ月では5.22%上昇(同プラス5.67%)、年初来では9.06%上昇(同プラス10.47%)、過去1年間では9.61%上昇(同プラス11.50%)しました。2024年通年では12.88%上昇(同プラス14.99%)、2023年は13.70%上昇(同プラス16.18%)、2022年は8.78%下落(同マイナス6.86%)でした。

●株式以外の市場

 ○米国10年国債利回りは8月末の4.23%から4.16%に低下して月を終えました(2024年末は4.58%、2023年末は3.88%、2022年末は3.88%、2021年末は1.51%、2020年末は0.92%、2019年末は1.92%、2018年末は2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは8月末の4.76%から4.74%に低下して取引を終えました(同4.78%、同4.04%、同3.97%、同1.91%、同1.65%、同2.30%、同3.02%、同3.05%)。

 ○英ポンドは8月末の1ポンド=1.3507ドルから1.3442ドルに下落し(2024年末は1.2520ドル、2023年末は1.2742ドル、2022年末は1.2099ドル)、ユーロは8月末の1ユーロ=1.1694ドルから1.1738ドルに上昇しました(同1.0360ドル、同1.0838ドル、同1.0703ドル)。円(対米ドル)は8月末の1ドル=147.03円から147.93円に下落し(同157.32円、同141.02円、同132.21円)、人民元は8月末の1ドル=7.1308元から7.1195元に上昇しました(同7.2770元、同7.1132元、同6.9683元)。

 ○9月の原油価格は2.3%下落し、8月末の1バレル=64.02ドルから同62.54ドルとなりました(2024年末は同71.75ドル、2023年末は同71.31ドル、2022年末は同80.45ドル)。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は9月に0.7%下落し、1ガロン=3.248ドルとなりました(8月末は3.272ドル、2024年末は同3.128ドル、2023年末は同3.238ドル、2022年末は同3.203ドル)。2020年末から原油価格は29.2%上昇し(2020年末は1バレル=48.42ドル)、ガソリン価格は39.4%上昇しました(2020年末は1ガロン=2.330ドル)2025年7月時点のEIAの報告によると、ガソリン価格の内訳は、52%が原油(ディーゼルは44%)、15%(同19%)が配送・販売費、16%(同22%)が精製コスト、17%(同16%)が税金となっています。

 ○金価格は8月末の1トロイオンス=3516.90ドルから上昇し、3882.40ドルで9月の取引を終えました(2024年末は2638.40ドル、2023年末は2073.60ドル、2022年末は1829.80ドル)。

 ○VIX恐怖指数は8月末の15.36から16.28に上昇して9月を終えました。月中の最高は19.38、最低は14.33でした(2024年末は17.35、2023年末は21.67、2022年末は17.22)。同指数の2024年の最高は75.73、最低は10.62でした。同指数の2023年の最高は30.81、最低は11.81でした。同指数の2022年の最高は38.89、最低は16.34でした。

※「好調続く企業業績が上昇相場を下支え (3)」へ続く

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